万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

今年もたくさんの万華鏡に出会いました

2008-12-30 22:50:48 | 万華鏡ブログ
2008年もこのブログでいろいろな万華鏡をご紹介してきました。そして多くの方にアクセスしていただき、大変嬉しく思っています。
作家さんの創る万華鏡の世界を知っていただきたいと思い、始めたブログもそろそろ3年になります。まだまだ書かせていただきたい作品がこれからも出てきそうで、来年もよろしくお願いいたします。
ご協力いただいた作家さん、ありがとうございました。
写真の撮影がうまく出来ず、ご紹介しきれなかった素晴らしい作品も多々あります。次回挑戦させてください。

今日の万華鏡はスティーブ&ペギー・キテルソン夫妻のミラージュという作品です。この写真を見れば、すぐ彼らの作品だとわかる方も増えたのではないかと思いますが、それでもまたご紹介したいと思う映像を生み出す作家さんです。
2009年にはどんな万華鏡をご紹介できるのか、私自身期待しながら、わくわくしています。
それでは皆様、良いお年をお迎えください。ありがとうございました。
Happy Colors!

Comments (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

砂漠の花

2008-12-29 17:28:35 | 万華鏡ブログ
豊田万里さんの「イエメンの飾り窓―砂漠の花」は、プリズムを使って独特の映像を生み出します。中心部上の方に見えるもやもやとした部分は、プリズムの角を刻んで作り出した砂漠の花。ずっと手前の方まで続いているので、先端のオブジェクトに合わせた焦点とは合わず、このように少しぼやけて見えますが、立体的な映像の部分です。
閉じたミラーシステムと違って、どの面からも光が入ってくるプリズムなので、筒のガラスの色を映し出します。オブジェクトはほとんどが小さな色のないガラス細工で透明感のあるもので、プリズムを通して入ってくる光の色によって、色に染まります。
太陽の光のあふれた場所で見ると、たくさんの光を取り込んで、ことさら美しく妖しく輝く映像が印象的です。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イエメンの飾り窓

2008-12-28 21:05:26 | 万華鏡ブログ
昨日の中里さんのプリズムを使った作品に続いて、豊田万里さんのプリズムを使った万華鏡「イエメンの飾り窓―砂漠の花」です。旅行好きな豊田さんが、イエメンの建物で印象深かった飾り窓と同じガラスを使っているそうです。
「イエメンの飾り窓」はシリーズとして何点か製作、ひとつひとつ個性があって、この作品は「砂漠の花」。三角柱の筒のそれぞれの面が、違ったガラスになっていて、中のプリズムも見えています。手前側が青い型ガラス、向こう側が黄色い型ガラス、そして底に当たる部分は透明なガラスで、プリズムに刻まれた“砂漠の花”が見えます。黒いガラスで両サイドを閉じ、黒いガラス棒を頂点に配して、きれいにまとめて創り上げた万華鏡です。
以前ご紹介した透明な万華鏡「トランスパレント」でもびっくりしましたが、3面違ったガラスを使い、その効果を映像に活かしている点で、そのユニークさにまたもびっくりしました。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夢のつづき

2008-12-27 22:44:17 | 万華鏡ブログ
中里保子さんの「夢のつづき」という作品です。「山見浩司となかまたち展」で発表された新作で、中里さんの新たな挑戦を思わせる万華鏡です。
この作品ではミラーの代わりにプリズムを使い、そのプリズムを見せてデザインの一部にするという、万華鏡としてはかなりユニークな発想で作られています。
そのために選んだガラスは、ドイツのランバーツ社製のバリケードという手吹きガラスで、グレイの地に、透明の部分がぽっかりと空いており、そこにプリズムが見えるように配置しました。
マチの部分は薄い板ガラスを細く切って200枚以上接着して重ねた積層ガラスで、“夢に向かって透明な階段を一段ずつ上がっていく”ような、あるいは“ずっと夢を見続けていたい”というような作家さんの思いをこめて、デザインされました。
グレイと無色のガラスの組み合わせで作られた無彩色の本体は、すっきりと立ち、サイドの青い積層ガラスのアクセントと、青いガラスオブジェクトが見えるオブジェクトケースだけが色を持っています。積層ガラスの部分は切り口が見え、ガラスの質感が生きています。覗き口のプリズムのとがった角もガラスという素材の生々しさを見せています。硬質なガラスを感じる造形のせいか、プリズムの生み出す反射映像もその雰囲気を映し出しているようです。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ラプソディー・イン・ブルー

2008-12-26 21:58:24 | 万華鏡ブログ
ルーク&サリー・デュレット夫妻の万華鏡「ラプソディー・イン・ブルー」は、アメリカを代表する音楽家、ガーシュウィンの曲の名をつけたものです。ブルー系を中心に、輝きや光を楽しむ映像がとても魅力的です。
黒い背景で横から光を取り込むタイプの万華鏡は、オブジェクトの透明感よりも、質感や輝きを生かします。したがって様々な形、大きさ、質感のビーズを組み合わせて使ったり、金属細工と組み合わせたりして、オイルの中で生み出される最大の効果を得られるように、考えられています。華やかできれいで、きらめいて、映像の変化に音楽を感じるような万華鏡・・・アメリカ人作家さんらしい映像だなあと改めて思います。
万華鏡のボディーはシンプルな丸い筒。素材は地元のメープル材の廃材を加工処理したもので、木地に黒い模様が入り込んでいます。外観と内部映像の組み合わせの意外感も面白い万華鏡です。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

透明な素材から生まれる色模様の不思議

2008-12-24 21:50:13 | 万華鏡ブログ
シェリー・モザーさんの「コージースコープ」は「ポラライズド・カレイドスコープ」(偏光を利用した万華鏡)というタイプです。通常の偏光タイプの作品とちょっと違うのは、先端部が回転するため、偏光フィルムの向きが変わることです。
偏光フィルムは、2枚を90度にずらして配置すると背景が黒くなり、その間に透明な樹脂などをオブジェクトとして入れるのが通常の作品ですが、この万華鏡では、偏光フィルムの方向性が変わるため、背景が黒から白っぽく変わり、映像の見え方も違ってきます。黒い背景のときはくっきりとした感じで、白っぽい背景になると透明感とソフトさのある映像に見えます。
美しいガラスオブジェクトに定評のあるシェリーさんが、偏光素材のオブジェクトをどんな風にアレンジするのか興味ある方も多いかと思います。
実際に見るのと同じようにはなりませんが、この写真でその雰囲気を感じてください。光の為せる技であるはずの色模様ですが、意図して描かれたような、とても色合いの魅力的な映像展開です。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シェリー・モザーさん、久しぶりの万華鏡

2008-12-22 22:52:07 | 万華鏡ブログ
シェリー・モザーさんの新作「Cozy Scope」です。名前の由来は万華鏡ルネッサンスの立役者コージー・ベーカーさん。シェリーさんにとって、ずっとよき指導者であり、友人であるコージーさんが、とても気に入ってくれたので、このペンダント型万華鏡にコージースコープというタイトルをつけたと教えてくれました。
シェリー・モザーさんはザ・ブリュースター・カレイドスコープソサエティーのリーダーのひとりとして2008年10月まで約3年間、その運営のために多くの時間とエネルギーを費やし、アーティストとしての活動時間が少なくなってしまったため、万華鏡の製作はしばらくお休みしていましたが、この久々の作品は、スターリングシルバー製のペンダント型の偏光万華鏡です。
先端部が回転するタイプで、ガラスアートジュエリーも手がけるシェリーさんらしく、アクセントに独特の光り方をするガラス“フローズンモーメント・ベーゼル”で装飾しています。先端部はサンドブラストした半透明のカボション(頂部を丸く磨いたガラス宝石)になっています。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

絹織物を思わせる万華鏡映像

2008-12-21 22:34:35 | 万華鏡ブログ
赤津純子さんの「星立涌」の映像です。カーブを描くダイクロイックガラスから光を取り込むので、「そのカーブによってグラデーションのかかった単位が繰り返すことで、絹織物のような光沢と経緯の表情が現れる」のです。
筒全体を回しますが、回転の向きによっても、色や輝きが変化します。
織物にも深い興味を持っていらっしゃる赤津さんらしく、その絹織物のような背景に配するオブジェクトは、伝統的な文様「立涌」のような模様になるものと考えました。4ミラーシステムだからこそ生まれる映像です。細く引いたガラス棒、うねったガラス棒、金糸に連ねたビーズなどを使い、絹織物の文様をみごとに映し出しました。
ダイクロイックガラスをオブジェクトチェンバーの背景にする試みは、今年のほかの作品にも取り入れられていましたが、この万華鏡ではその意匠が特に効果的に使われ、素晴らしい映像表現になっていると思います。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

独創的な4ミラー

2008-12-21 19:04:25 | 万華鏡ブログ
赤津純子さんの作品展から新作「星立涌」(ほしたてわく)をご紹介します。
長さ18cmほどのこの作品の特徴は先端部のカーブです。
4ミラーシステムの先のオブジェクトチェンバーの形にとてもユニークな仕掛けがあり、この万華鏡の素晴らしい独創的な特徴となっています。
このカーブの部分にはダイクロイックガラス(光の入る角度で色の変わるガラス)を焼いて丸みを出し、はめ込んでいるのです。
そのために先端部は覗き口より少し広がりがあり、万華鏡本体の形も直方体の筒ではなく、扇を閉じたような形に見えます。
その素敵な映像はこの次に。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春の陽のさすような万華鏡映像

2008-12-20 22:21:30 | 万華鏡ブログ
赤津純子さんの作品展からもう一点。万華鏡のタイトルは「凸」(とつ)といいます。大小の立方体を重ねた凸型、35×35×51mmという小さなガラスの作品の中には思いがけず広い映像世界が広がっています。
小さな作品は、時として大きな作品よりも製作が大変だったり、映像のバランスがとりにくかったりするものですが、そのあたりに注意を払って、丁寧に作られています。オブジェクトの選び方、作り方に多様性を持たせ、小さくて見ごたえのある万華鏡を実現しました。
「萌黄色の外観に合わせて透明なオブジェクトを多く用いて、春の陽のさすような明るい映像。全体にほっこりした雰囲気で、身近の机上で愛用してもらいたいと思い作成した」との説明がありました。そんな作家さんのイメージがちゃんと感じられる映像だと思いませんか。
Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする