会期は終了していますが、引き続き、先日までギャルリー・ヴィヴァンさんで開催された「万華鏡の星座展」から、素晴らしい作品の数々をご紹介します。
上の写真は冨澤哲夫さんの「木星 II」の映像です。 いつも立体的でくっきりとした不思議な映像を見せていただいていますが、この作品も凄いですね。
どこがどんなふうに映り込んでいるのか、すぐには理解できないほど、中の映像がそのまま完成された作品のようです。 ミラーのカットがとても大変なのでは?と想像します。
こちらはKiryさんの「星色」という小ぶりな作品です。 星をデザインしたスマートなスタイルでオブジェクトシリンダーを回しながら映像の変化を楽しみます。
覗くといっぱいに広がる繊細な映像が楽しめます。
次は星型の万華鏡で、伊藤美津江さんの「Zodiac (12星座)」と言う作品です。 前面に12の星座の模様を打ち出した金属板が飾られています。 底部に回転するホイールオブジェクトがあり、手で回して映像の変化を楽しみます。 2種類のミラーシステムが組み込まれています。
とってもユニークな作品は若林寛さんの「バケツからの星座」です。
万華鏡の仕組みは木製の箱の中。 上のバケツの底面が映像を映し出す場所です。 前面の木の皿を回すと、何とこれが手巻き式のオルゴールになっていて、合わせて映像が移り変わります。 若林さんの宇宙です。
周りが明るいので少し薄く見えますが、とても楽しい作品です。 若林さんの作品は、いつもどんな仕掛けがあるのか楽しみです。
ユニークと言えば、北村幸信さんの万華鏡作品も独自のアイディアにあふれています。
プリズムをそのまま本体とミラーシステムに使った作品は、手に持って覗いても手が見えない! プリズムミラーの面白さを感じさせてくれます。 オブジェクトもホイールのもの、セル型のものをいろいろ用意して、交換して楽しめるようになっています。 オブジェクトのバックカラーを選べるのも新しい工夫です。 小さなマグネットを使って、交換もワンタッチで簡単です。
こちらの作品は覗くときに持ち上げて傾けると、内部照明が自動的につく画期的なアイディアを取り入れて作られています。 しかもソーラー式と電池式があり、またオブジェクトもマグネットで、簡単に着脱可能です。
次は羽石茂さん、泉さんご夫妻の豪華な作品「悠遠繍華」です。
外観に取り入れらた曲線がパーラータイプとしての魅力をさらにアップしています。優雅な雰囲気ですね。 美しいイリデッセントガラスをつかっていらっしゃいますが、写真できれいに撮れていないのが残念です。
目を見張る圧巻の映像の連続でため息の出る美しさです。 模様がとても細かくて細密画のようですね。
替えのオブジェクトセルもきれいです。
横に並んでいた手持ち型の作品もどれも美しい映像が見事でした。
ステンドガラスの端正な作品は黒川達也さんの万華鏡です。
覗き口のデザインも素敵ですね。 2ミラーや3ミラーの魅力的な映像展開です。
最後に外側のウィンドウに飾られていた大きな万華鏡です。 初めて拝見しましたが、佐藤伊智郎さんの 「鉄箔ーその世界の向こう側」 という作品です。
「万華鏡の星座展」では個性的な作家さんたちの想像と創造を楽しませていただきました。
作家さんが創る万華鏡の魅力を伝える、見ごたえのある万華鏡展だったと思います。