時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

トップ・ガールズ 8

2011-04-23 | 舞台/役者
物語は
ロンドンのキャリアウーマン・マーリーンが
男性陣との熾烈な競争の末
遂に重要ポストを勝ち取った
昇進祝いのパーティーから始まる

ウェイトレスに案内されて
やってきたのは
ヴィクトリア朝時代に世界を旅した
女性探検家イザベラ・バード
日本の帝の寵愛を受け
日記文学に名を残す二条
ブリューゲルの絵画
「悪女フリート」に登場する女傑
女性であることを隠し
法王になったヨハンナ
中世の「カンタベリー物語」に登場する
貞淑な妻・グリゼルダ
彼女たちは
パーティーの目的なんぞ
お構いなし!
我先に
自分の人生に起こった出来事や
出合った男たちとのあれこれ
自分が
女性として何かを成し遂げるまでに辿った
苦難の道を
猛烈な勢いで話し出す
まさに
時空を越えた
‘史上最強のガールズ・トーク’

しかし
そんな彼女たちから飛び出す
荒唐無稽にも思える物語は
すべてが
異なる時代の出来事でありながら
現代を生きる
女性たち自身の生き方や在り方と
何ら変わりのない事に
気づかされるのであります

そして物語の舞台は
マーリーンの今を描く二幕へと続きます

一幕で
‘ガールズ・トーク’を繰り広げた
ヒロインたちが
マーリーンの現実での人間関係を構成する
一員として登場
複数の役柄を演じることで
女性の生き方の多様性を描く役割を担い
マーリーンが成功の代償に
何を犠牲にしてきたかが
つまびらかにされていきます


仕事に関して言うと
小生が
かつて所属していた部署では
職種・性差関係なく
各々がスペシャリストとして
仕事をしていたし
させて貰えた

自分の仕事が終わらず
昼休みも休暇も取らず
朝から晩まで
働き詰めと言うこともあったけど
その大変さを知りながら
見守り続け
信頼して仕事を任せてくれた事
認めてくれた事が
何より嬉しかったし
仕事に打ち込めた気がしている
とても
環境の良い職場だったのかもしれない…

古今東西
どんなに時代に生まれようと
どんな場所に生まれようと
どんな身分に生まれようと

さして
女性の生き方や在り方
悩みや戸惑いは
変わらないってことを言いたいようです

舞台に登場した
歴史上の女性たちだけでなく
今を生きる女性も含め
壁にぶつかりながらも
しなやかに
そしてパワフルに
生きることが出来る遺伝子を
誰しもが持って生まれてきているのかもしれない…


思わせる作品でした

数年ぶりに
麻実れいさんの舞台を
拝見することが出来ました
素敵です…