ブログ管理もシンプルなほど楽なので、数年前、他所に載せていたカイト関係の記事をこちらに移植することにしました。今回はボード自作初期の記録です。
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この3月からカイトサーフィンにはまっている。1年ほど前からネットで年代物を手に入れてボツボツ練習はしていた。カイトは陸上では何度落としても上げなおすことができるが、私が手に入れた古い16平米は海で一度落ちたらどうにもならない。これでは話にならんわ・・・ということで、足踏み状態が続いていた。
今年に入って、知り合いのショップのマスターが、最新の道具一式を貸してくれることになった。その扱いの楽なこと。何回か練習したら適正風が分かってきたので、カブリナの最新作15??を注文した。程よい風で使ってみた。驚いた。一発で乗れてしまうではないか。海上でのリランチ(上げ直し)もほとんどオートマチックだ。アップの取り方は基本的にウィンドサーフィンと同じなので苦労することもなかった。
問題は板・・・ウィンドでは短いボードのことを板と呼ぶことが多いが、カイト用の板はほんとに板そのものだ。借りている板は微風用のもので157cmもある。強風下でカイトに余裕があっても、板が跳ねて苦労を感じることが多くなった。
短い板の購入も考えたが一本10万は安い買い物ではない。これは消耗品のカイトの方に回す方が賢明だろう・・・ということで、自分で作ってみることにした。FRPの積層はウィンドで慣れている。芯材のシェイプも桐材なら楽だろう。7月に入って時間を見つけながらコツコツ楽しんだ。130cm×38cm。ペイントの順番を間違えてあんまりきれいな出来ではないが、今日でほぼ完成した。
多少の工夫はボトムをクアトロコンケーブにしたこと。フィンの芯材にヒノキを使ったこと。デッキパットはダイソーの300円サンダルだ。あとストラップをねじ止めして、フィンに色を付けたらおしまい。
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2枚目の板を作っている。138cm×45cm。1枚目は強風用にと試作したものだが、ペイントの要領を間違えた上に、ロッカー量が足りなくてあんまり良い出来ではなかった。それでも、とりあえずは使えるものになったので、最初の一枚としてはまずまずとしよう。
今回のは少し大きめの板。というのは、先日、ジャンプしたらリーシュが切れて微風用の板を流してしまったのだ。借り物のスリングショットはとても乗りやすくて気に入っていた。しかし、丈夫に作ってあるのでいささか重かった。
量産用でなければもっと軽くできるはずだし、もう少し薄くして板に「しなり」を持たせてロッカーを「可変」にすれば、より広い風域で使えるものになるはずだ・・・と考えた。
フォームのシェイプは終わっている。今回のボトムは極めて浅いシングルコンケーブにしてある。ロッカーは浅めに仕上げるつもりだ。フィンは桧にFRPをコーティングしたもので充分実用に耐えることが分かったが、今回はFRPだけで整形した。
天気が回復したら、クロスをかけて上下3回塗りで仕上げる予定。
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昨日はデッキの、今日はボトムのクロスがけに入った。今回は同時に板にロッカーを付けるために5kgの鉄アレイを2個使う。
デッキが固まっても板の反発力で幾分元に戻るので、ボトムの作業では前後両サイドに鉄アレイを置いて適当なロッカー量を確保する。
このクロスがけの具合で出来上がりの大半は決まる。ともかくエアが入らないように、樹脂が均一に貼付されるように細心の注意を払う。
このまま一日置いて、明日から2層目を同じノンパラ(パラフィン無し)の樹脂で積層し、3層目はインパラ(パラフィン入り)の樹脂を積層した後にサンディングで仕上げる。
表裏1層ごとに2日かかるから、3層仕上げだと終了まで一週間ほどはかかる。作業場にしているガレージは時計草で鬱蒼としている。涼しいのはいいが、蚊のたまり場になっていて、ここのところ、毎日10回は彼らの餌食になっている。
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表裏の積層2層目が終了した。これでノンパラ樹脂の使用は終わって、3層目はインパラ樹脂で仕上げることになる。
今回はデッキパットに市販のゴムマットを使うので、土踏まずの部分に薄いカマボコ型の木材を貼り付けてみた。これでフットの固定も多少良くなるだろう。ついでに取っ手もくっ付けておく。
クロスは板に合わせてざっと切り取るが1cmほどは残しておく。これがサイドレールの仕上げの時に必要となる。こうして見ると、塗装なしの木目模様もそう悪くない。次回は透明樹脂で作ってみようか・・・と考えている。
おまけは今朝のパーム・・・もうじき一歳。この夏は海で泳ぎも覚えて、かなり大人の顔つきになりました。
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カイトの板・・・今朝、2枚目が完成した。138cm×45cm。今回は着色なしのクロス一枚、樹脂三層で、仕上げのサンディングは少し丁寧に900番まで使って行った。最初の一枚よりは幾分きれいな出来になったと思う。
ロッカーを固定するのに随分苦労して、画像のようなものを考案したのだが、これが瓢箪(ひょうたん)から駒で、結果的に可変ロッカーシステムになった。
これで、微風・平水面から強風で荒れた海まで幅広く使えるだろう。このシステムはこれから作るつもりのさまざまな板に採用して、どのような板にどのようなロッカーが適しているかデータを積み上げて行くつもりだ。
少し休んで、3枚目はスピード重視のガンタイプを一枚作ってみたいと考えている。