庭戸を出でずして(Nature seldom hurries)

日々の出来事や思いつきを書き連ねています。訳文は基本的に管理人の拙訳。好みの選択は記事カテゴリーからどうぞ。

ハマヒルガオ

2012-05-16 20:27:00 | 自然
今年もあちこちの浜にハマヒルガオが花を付け始めた。ほとんど世界中の海浜で見られるという、なんとも可愛らしい植物だ。年中潮風の塩分で洗われる荒い砂地の、一体どこからその栄養分を得ているのか。IMGP0510s1024pix100kb.jpg

生物学や植物学はいろいろ説明を試みるだろうが、どう分析しても、その生命力の源、こんなに可憐な生き物がこういう場所に存在する理由、その花には時に蝶やミツバチがそっと立ち寄り、なにごとかの交流を楽しんでいるらしい・・・などという事情は、ただ不思議なる驚異としか言いようがない。

 『方丈記』の鴨長明は、人生の無常をアサガオに結ぶ露、日光に萎える花のはかなさに例えた。彼は朝日に輝くそのスッキリとした美しさも、仏教的無常の一種ととらえていたようだが、しかし、それだけでもなかっただろう・・・と私は思う。

 私たち動物と違って基本的に動かない植物たちは、数千年生きる「縄文杉」のような大樹だけではなく、こんなにはかなく見える多年草でも、その奥に広がる永遠なる何かの一端を示唆しているような気がするのである。<iframe src="http://connect.garmin.com:80/activity/embed/178689842" frameborder="0" width="465" height="548"></iframe>

 

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