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羽生永世7冠

2017年12月05日 | 時事
羽生棋聖、15期ぶり竜王奪還で前人未踏の「永世7冠」達成 渡辺明竜王を4勝1敗で下す
羽生さんが前人未到の永世7冠を達成した模様です。

21年前に達成した将棋の7冠同時制覇とは、言うまでもなく7大タイトルを同時に全て取るというものですが、今回のは連続何期とか、通算何期という何年かがかりで達成する偉業ですね。ただし、現在は棋聖と今回奪取した竜王の2冠しかないようですし、その状態でも達成できるのなら、何となく達成の困難さは7冠同時制覇の方に軍配が上がる気がします。しかし、そうは言ってもタイトル戦に挑戦し勝つということは最強クラスの実力が必要なのはもちろんですが、永世称号はその実力を10年以上キープしないと達成できないわけで、並の最強では達成不可能でしょう。一旦タイトルを取れば、防衛戦は相手より1勝でも上回ればいいわけですから連続はしやすいかもしれませんが、もし陥落すると棋戦によっては一回も負けられないトーナメント形式のもあるわけですし、再び挑戦者になることすら至難の業ですからね。つまり7冠同時制覇の方が難しいと言うよりも、永世7冠は「7冠同時制覇できるレベルの実力の持ち主なら達成できるかどうか」という快挙であると言った方が相応しいですな。

ちなみに、羽生さんの達成数と、そのタイトルの永世称号の獲得基準は以下のようになります。
 ・竜王 7期(連続2期が2度)/連続5期または通算7期
 ・名人 9期(連続3期が2度)/通算5期
 ・王位18期(連続9期)/連続5期または通算10期
 ・王座24期(連続19期)/連続5期または通算10期
 ・棋王13期(連続12期)/連続5期
 ・王将12期(連続6期)/通算10期
 ・棋聖16期(連続10期継続中)/通算5期
  (2017年末まで)
・・・こうして見ると、通算記録の半分以上は連続防衛で稼いでいるわけで、やはり連続の方が条件を満たしやすいようですね。永世名人などはその名前の響きとは逆に通算5期と一番ゆるい基準であるからか、羽生さんの他に達成している棋士も多いようですが、連続5期しか認められない棋王とか、通算10期必要な王位・王座・王将などはあと1人くらいしか達成していない模様です。つーか王座24期って・・・改めて、桁違いにタイトルを独占しすぎですね(笑)若手もどんどん現れる頭脳戦において20年以上もトップレベルを維持するのは並大抵の努力ではないでしょう。7大タイトル数を合計すると99になるようで、文句なしの歴代1位。もう1つ何か取れば100の大台に届くのだとか。20歳で初タイトルを取り、それから一度も無冠にならずに27年間第一人者であり続けるとは・・・20年前も凄い人だと思いましたけど、20年後にも同じ感想を抱くとは思いませんでした。

ところで囲碁はと言うと、現在進行形で7大タイトル同時保持している井山裕太7冠が文句なく比較対象として挙げられますね。囲碁は永世ではなく名誉称号ですけど、何と7つ全てが「連続5期または通算10期」と決められているため、将棋界よりさらに達成困難になっています。お祝いムードに水を差すので気が引けますが、もし将棋が囲碁と同じ基準で永世称号を採用していたとしたら、羽生さんはまだ永世5冠(竜王・名人抜き)ということになってしまいますね・・・一応、井山さんの現在の記録を同じように一覧にしてみます。
 ・棋聖 5期(連続5期継続中)/名誉棋聖
 ・名人 6期(連続3期、1期継続中)
 ・本因坊6期(連続6期継続中)/二十六世本因坊
 ・王座 5期(連続3期継続中)
 ・天元 6期(連続3期継続中)
 ・碁聖 6期(連続6期継続中)/名誉碁聖
 ・十段 4期(連続2期継続中)
  (2017年末まで)
・・・彼はまだ28歳ですが、既に史上最多タイの3つのタイトルで名誉称号資格(囲碁は60歳になってから名のる慣例)を得ており、この前の天元位防衛で7冠の年間グランドスラムも達成したため、当然全てのタイトルで連続記録も継続中です。現在の囲碁界の状況を考えると、20年と言わず最短の4年で名誉7冠も達成しそうな勢いですな(笑)

しかし今夜のメディアの報じ方を見ると、やっぱり囲碁より将棋の方が手厚いよなあ・・・日本棋院もっとガンバレ!