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いじめ調査

2008年11月24日 | 私見
平成19年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」が発表されました。

自分は特に、いじめの調査結果に関心をもちました。19年度は、前の年に比べると確かにいじめの件数は減っているようです。しかし、この調査は大きく10年ぐらいの周期でいじめの定義を見直し、その直後は非常に高い数値を記録するものの、毎年沈静化していく“N型”(一気に増えて、徐々に収まって、一気に増える)の結果を辿っています。つまり「いじめ自体の件数」よりも、「いじめを問題と見るか」の度数を計るのに適したグラフであると言えるでしょう。

岐阜県では、2年前の平成18年度に瑞浪市で中学生の自殺が起こりました。文部科学大臣が子ども達やそれに関わる大人達に向けて、初めて手紙を書いたと言う事例として記憶に残っている方も多いと思います。奇しくもそれ以前にまとめられた「17年度の県内のいじめの件数」は350件ほど。全国平均と同じぐらいの割合のいじめしか報告されていませんでした。しかし、その次の年(18年度)の調査は7500件と、定義が変わったことを踏まえても20倍以上の増加となり、件数と比率はともに全国ワースト3となりました。さらに今回(19年度)の調査は8200件と、件数ワースト3、比率ではついにワースト1となってしまいました。

自分の学級でも毎日こうした問題の種は尽きないので、もしかしたら本当にいじめの数自体多いのかもしれません。しかし、一方で8000件もあったよと報告し、一方で100件しかないよと報告している県があると言うのは、余りにも差が激しいと思います。ちなみに、今のいじめの定義は「学校内外を問わず、仲間から心理的・肉体的な攻撃を受けて、本人が苦しんでいる」です。17年度以前にあった「一方的・継続的・深刻」という言葉は外されています。岐阜のように学級1人(3%)は多いにしても、どこでも学年1人(1%)ぐらいは絶対あるような気がするのは偏見ですかね・・・?
県教委は、あえてワーストの汚名を着てでも、いじめに警鐘を鳴らし続けるスタンスのようです。

いじめによる子どもの自殺率というのは、この30年ほどほぼ横ばいのはずです。しかし、マスコミが忘れた頃に騒ぐから、地元で起きたからでなく、自殺まで思いつめる前にいじめに気づき、どれだけ対策が打てるかが勝負なのだという気持ちで、アンテナを磨いていきたいものです。

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