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百田氏発言と盗み聞き

2015年06月27日 | 時事
百田氏発言「冗談じゃない」 沖縄の野党国会議員が批判朝日
百田尚樹氏がFBで釈明 「私的な集まりの軽口にすぎない」「報道陣がガラス越しに盗み聞き」産経
朝日はこの前日、池上氏に「自らの主張の為に発言の印象を操作してはいけない」と忠告されたばかりなのに、もうこれですからね・・・

「潰れたらいいのに(願望)」と「潰さないといけない(義務)」では、その意味は全く違います。もっとひどい所は「潰せ(命令)」で書いている記事もありました。この前の沖縄慰霊祭で報道された「安倍を潰せ」のデモのように、限られた時間の中でそんなに言い方を変えて何度も発言したのかと言えば、本人によると一度だけ冗談で言ったとのこと。「潰す」という動詞さえあっていれば、その活用や言葉尻などは最早記者の自由自在なのでしょうか。何か国会でも同じように総理の発言を3回も自分の主張に都合よく改変して注意された人がいたような・・・面と向かって放たれた言葉ですら数秒先に捏造する民主党議員はさておき(笑)この語尾が定まっていない「飛ばし報道」自体が、実は良く聞き取れない状態で聞いたということの証明になっています。
それもそのはず、そもそもこの発言は会見やインタビュー等、記者が録音したり一字一句もらさずメモできるような環境でされた発言ではなく、自民党内の若い有志達の会合だったと言うこと。自分の行っている数学科の研究サークルのようなものでしょう。公式の場での失言とも違い、気心の知れたメンバーの中でなら多少のリップサービスや誇大妄想、嫌味な奴の悪口等を語ることは普通にありますし、本来なら内輪で盛り上がってそれで終いのはずでしょう。その辺の公私の境はわきまえているはずです。それを壁に耳を当てて盗み聞きしていたと言うのですから、違法とは言わないまでも明らかに卑怯ですし、ソースの正確さ・信用度で言ったらかなり低いと言わざるを得ません。普通、情報に自信がない場合は本人やその周辺に裏づけを取ってから報道するものですがそうした形跡もなく、正確な表現が不明のままいきなり多方面へコメントを取りに行ったり好き放題書かれてしまったり、国会で質問されたりもしたようです。まあ、今日の朝刊には一応本人の弁も載っていたので、完全に一方的ではなく一時期よりはマシなのでしょうけど、本当マスコミは信用できませんな。選挙で選ばれた代表である国会議員の発言ならまだしも、これはそれこそ1私人である百田さんの言論の自由に対する、新聞権力の有無を言わさぬ圧力を感じます。

エスパー魔美の有名な話に「(批評家に)批評する権利があるなら、(画家の)僕にだって怒る権利がある。あいつはけなした、僕は怒った。それでこの一件はおしまいだ。」というものがあります。憲法21条「表現の自由」つまり「意見を述べる権利」は誰にでもあり、「沖縄二紙に潰れて欲しい」というのも1つの意見です。もちろん、これに反対する意見を言うのも自由です。しかし、相手を誹謗中傷するようなことは憲法13条「個人の尊重」に反しますから、これには気をつけないといけません。で、冷静に今回の議論に当てはめてみると、「意見」を言っているのはどっちで、「中傷」しているのはどっちか・・・最早言うまでもないですし、それ以前に個人vs団体というのも弱い者いじめの構図ですな。

百田さんは「海賊とよばれた男」で知り、その後「永遠の0」も読んで、フィクションなのにやけにリアルと言うか、本当にすごく勉強し取材もきちんと積み重ねて物を書く人だという印象をもちました。そういう氏の姿勢から見て、沖縄2紙の妄想記事っぷりは特に許せなかったのでしょう。つーか、新聞なんて普通地元紙か大手の1紙しか読みませんしね。例えば朝日新聞ですら、同じ日の東京版と名古屋版では記事の見出しも順番も声欄に載っている読者も全く違い、その地方独特のテイストになっていると言うことは案外気づいていない人も多いでしょう。中部圏では朝のTVでやる新聞1面紹介とかでも基本沖縄の2紙は出て来ませんから、自分も含め多くの人はこの問題を聞いてまず「沖縄2紙ってそんなにひどいのかな?」という疑問をもったと思います。本来なら、ここで百田氏を批判する前に「沖縄の2紙は本当にひどいのか、辺野古の報道を例に他紙と比べ検証してみましょう」とか言うワイドショーがあってもよいと純粋に思うのですが・・・

何を言ったかではなく、誰が言ったかでその情報の扱いが変わるのは納得できませんな。

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