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なおこちゃんの旅立ち

2011年04月13日 | Weblog
教員になってから、何年が過ぎたのだろう。
 子どもたちからいろんな大切なものをもらいました。受け持ったり、関わってきた生徒は、今でも自分の子どものような感覚です。でも衝撃が走りました。




 朝、学校に着いて車を降りると、道路に散った桜の花びらが、風で待っていました。つむじ風に花びらが渦を巻いたり、花びらが立って、一斉にどどどーんと体育館の方にかけっこしているみたいに流れていきました。



 道路に花びらのデザインが描かれていました。




 職員室に入ろうとすると、家から電話がかかってきました。
「なおこさんが亡くなったとお父さんから電話がかかってきたよ。」
 体が震えました。




 2週間前になおこさんのともだちののぞみさんのお母さんから容体について電話がありました。またその後すぐになおこさんのお父さんからも電話がありました。




 なおこさんは、末期のがんでした。お父さんは、「くやしいです。」と涙ながらに話をしてくれました。




 病院にお見舞いに行きました。お姉さんもいました。病室まで案内をしてくれました。なおこさんは、この日は、体調がすぐれず、吐き気をもよおしていました。おねえさんは、気丈になおこさんのお世話をしてから、気を遣ってくれて、二人きりにしてくれました。




 お店をしていた頃の大人の雰囲気のなおこさんと違って、ベッドに起き上がっている姿は、また教えた頃の4年1組の子どもにもどったようなそんな錯覚にとらわれました。




「うちも治療がきついけれど、がんばらないとね。」わたしではなく、「うち」という言葉を使うなおこさんがなんだかとても愛らしく感じました。またベッドの周りには、かわいい贈り物がいっぱいでした。なおこさんの人柄が本当にあらわれていました。




「先生、こうちょう先生になったんやろ。しんじられんなあ。先生も体に気をつけてね。」



 となおこさんは、きちんと自分のことまで気を遣ってくれました。でも無理をしていることを感じたので、すぐに「また来るからね。」と部屋を出ました。涙が出ました。




 今日、お通夜に行きました。4年1組の生徒たちやお家の方も駆けつけていました。30年も月日がたったのに、まだあの頃のまま、みんなが仲のいいクラスです。




 今日の朝、のぶくんから、「ご家族、本人のお気持ちが第一ですが、可能であれば、見舞いに行きたいです。」とメールが来ていましたがまもなく、「先生、つい先ほど、訃報を受け取りました。とても残念です。」と続けてのメール。



みんながなおこさんのことを心配していました。




 ご家族、そしてなおこさんを取り巻く多くの人たちが悲しみにくれました。自分にとってもかけがえのない大切な人が桜吹雪の中、旅立って行きました。桜を見るたび、なおこさんを思い出しそうです。