「できたんだ。」自信を体に感じたい
頭をひねり机に向かう
生徒たちが伸びるときには、越えさせないといけない壁があると思います。そこは、指導者の指導力だと思っています。
今日、外部の会議で、ドリルを長期の休みでさせるときには、後から解答を渡す・・・という話が出てきました。その理由は、「答えを写す生徒がいるから。」と言います。自分は、その考え方に反対です。自分は、指導者が指導から逃げていると思うのです。
まず、子どもを信頼していない学級経営や学年経営をしているところが問題です。2番目に、それをする前に、しっかり子どもたちにドリルをするためのパターン化をしてあげる指導が欠けていることです。ドリルの仕方を徹底して教えるということです。
答え合わせをしないということは、間違ったところを修正することができないのです。またまとめて答え合わせをするということは、間違った数が多い、つまり理解が遅い生徒にとっては、あとからやり直そうとしてもあまりにも間違ったところが多くて、やり直しがなかなかできない・・・実態になります。あとから答えを渡して、生徒の伸びを大きくしているケースは少ないと思います。
自分自身が担任をして、実践を書いている、「かったかくんのクラスの子ども全員の学習力を高める」では、
このことについて、このように、著しています。
『(4)家庭学習の方法論
今から、学習方法について述べていきます。まず、家庭学習からです。「自主学習」この言葉は、いろんな学校で使われているでしょう。家庭学習の中に、この方法を取り入れている学校は、多いと思います。
でも「自主学習」の中味はどうでしょう。わたしは、自主学習は、「自分で学習をしてくる」だけではなく、学習の仕方を身につける」ことも中味だと思っています。学習が遅れている子どもに、「自分で学習の内容を見つける。」ことは、無理だと思います。
「自分で学習をしてくる」だけで取り組んでいる先生は、きっと家庭訪問をしたときなどに、お家の方から、「子どもが何を勉強したらいいかわからない。」と感想を言われていると思います。心当たりはありませんか。実際にわたしも以前は言われていました。
そんな子どもの学習内容を見ていると、毎日大きな字の漢字だけ。簡単な計算をわずかにしている。そんなノートだと思います。指定されたページ数だけなんとかこなしているのがふつうです。
家庭学習の内容については、また後述します。
わたしは、いろんな学習の指導をするとき、必ず、子どもたちに伝えることがあります。それは、
『間違いは宝である』
ということです。
「ドリルをしたら、必ず、まるつけをしなさい。力を上がるのは、間違ったところが分かったときです。その量が増えれば増えるほど、成績が上がるのです。だから間違ったところがわかるようになった・・・ということが大切です。」
成績をあげるということは、
・今まで知らなかったことを知り、理解ができる。
・間違ったところが理解できる。
すでに理解できているところに○をもらったとしても、成績はあがりません。間違ったところにキーポイントがあります。
それは、スポーツの世界でも同じです。もちろん長所を伸ばすことも大切です。一方、野球で外角球が打てない、変化球に対応できない選手が、トレーニングによって、外角球でも、変化球でも対応できはじめたときに、大きな成長があるのです。
ウィークポイントが少ない選手が、打者として打率を残すことになります。
わたしは、学校で使用するドリル類などは、解答を渡しています。
①時間を決めてドリルの一ページを解きます。
②答え合わせをします。
③間違ったところを調べたり、聞いたりします。
④間違ったところでわかったところは、文章で問題の横に説明(解説)を書きます。文章化することが大切です。
このパターンをしっかりと植え付けます。授業でもドリルを使ったときに、徹底して指導します。何事も徹底です。しかし、一度、マスターすれば、これは、小学校高学年、中学生、高校生でも人より大きな学習の自立ができています。
小学校勤務時代でもこのことはできました。もちろん中学校で担任をしたときも同様です。強制的に押しつけで学習させたときは、その時は良くても、担任から外れると、成績が落ちてきます。しかし、学習の方法をていねいに指導しておくと、後からも生きてきます。
答えを写す子どもは、ノートを見たらわかります。そのときは、評価をする中で、しっかりと指導をします。指導しなければなりません。ここを押さえておかないと、ここが指導力となります。見逃すか、指導できるかが学習の自立につながります。そして、わからなかったところ、間違ったところをアドバイスしたり、友だち同士で解決させたり、調べさせたりしながら、マスターさせます。
できなかったところをマスターさせる方法、新しく知識を持つ方法を含めながら、今から、自主学習の取り組みを紹介します。ただ、正解もわからなく、やらされるだけで、新しい知識の獲得も少なく、10日以上の長期の休みで問題だけをさせるのは、無意味な時間であると思います。~(略)~』
例をあげているプリントの社会は、6年生の児童のものです。算数は、5年生の児童のものです。