「松本清張の『遺言』」という文春新書を読んでいます。「天皇制と昭和史という二つの巨大な謎に迫る」というキャッチコピーにひかれました。
日本の第二次世界大戦敗戦のありようは完璧でありました。外国軍に領土全域を軍事占領されたのは、日本史上初めてのことでした。
それなのに、敗戦日本の最高指導者であった昭和天皇は自殺せず、処刑されず、退位もしませんでした。歴史上の王制国家や軍事国家でも皆無か、あるいは珍しい例ではないでしょうか。軍事占領中の戦勝国でさえ手出しのできない、天皇制の闇があるような感を私は受けています。
常にそんな気持ちがあるものですから、この本に興味を持ちました。まだ読んでいる途中です。
戦前の宮中に昭和天皇の弟である秩父宮を支持する勢力があったと、書中にあります。そこを読んでいて、インスピレーションがわきました。
皇后の失語症と皇太子妃の神経症の源は、皇太子に男子がないことにあるのではないか。
近時は政権転換さわぎで下火になっていますが、一時期、女性天皇を認めるよう皇室典範を改めようというニュースが話題になっていましたね。
<追記 2019.4.30.明仁天皇退位儀式前>
皇統に属する男系男子は皇太子、秋篠宮、悠仁ひさひと親王(3歳)の3人です。皇太子と秋篠宮は同世代ですから、次世代の皇統男子は悠仁親王お一人です。雅子皇太子妃に男子が生まれていないことを皇統の危機として、受けとめられています。
皇室典範第一条 皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。
日本の天皇は男系男子が継ぐことによって世界の王族の歴史でも類例ない皇統の純血性を保ってきました。この純血性が失われると天皇制が揺らぐことにつながっていきます。
それゆえに、男系の女子が天皇になれるよう皇室典範の改正が待たれています。これは皇位継承者の純血性に問題はありません。しかし男系女子が誰と結婚して皇子皇女が生まれるのか、その相手の血統によっては皇位継承権を認めるか認めないかという問題があります。皇位継承資格、すなわち天皇になる資格をどうするかを決めるのが「皇室典範の改正」です。
雅子皇太子妃の男子出産の有無が、このような天皇家の継続、そして天皇制の継続という問題につながっていきます。
わたしは今でも、雅子皇太子妃に男子が生まれないことが、美智子皇后の失語症と雅子皇太子妃の神経症の主要な原因だろうと思っています。
お二人のこの病気には、いろいろな人間関係やお二人のそれぞれの振る舞いなどについて流される悪評を苦にしてのことと、と伝えられています。
美智子皇后には、天皇家を支える、国を支えるという覚悟がおありでしょう。宮中内外、政界、国民からの悪評などに悩んで失語症になるとは思えません。やはり皇太子や雅子妃のことを慮ってのことではないでしょうか。
雅子皇太子妃については男子が生まれないことを契機として、いろいろな立ち居振る舞いについて皇族や女官関係者から悪評があるのかもしれません。男子が生まれないという結果の影響がもたらす大きさを思うと、雅子妃本人が自分の責任と思い悩んで神経症になっても不思議ではありません。