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コロナワクチンで考えたこと

2021-06-21 | 断想

昨日、第一回目の接種をしていただきました。

場所は近所の大型ホテル、たぶん結婚式する会場らしく、海のよく見える大きな宴会場みたいなところ。

持ち物は接種券とか問診票とか。念のためにお薬手帳持って行ったので、予診のとき説明が要らなくてよかった。書類などすぐ出し入れ出来て床にも置けるかごバッグ。肩がすぐ出せるフレンチスリーブのブラウスの上からカーディガン羽織って行った。

係員が多くて人がうまく流れるようにできている。

接種は一瞬、ほとんど痛くないし気が付いたら終わっていた。インフルエンザの10分の1以下の痛さ。

で、注射はあっという間に終わったけれど、これは百年に一度のパンデミックに人類が挑む歴史的な注射なんだと思うと、感慨があった。

前のスペイン風邪では、父方の祖父の最初の連れ合いが感染して亡くなっている。他の誰もかからなかったのに、もしかしら別の病気だったのかなと思うけど、もう確かめようがない。幼い子供を二人残して24歳で亡くなり、私の祖母が後添えで嫁いだって聞いた。

その頃の治療って、どうだったんだろう。多分、熱冷ます対処療法くらい。何かいい薬があったのでしょうか。なかったかもしれない。運のいい人は生還できてそうでない人は亡くなったのでしょう。

私は今まで、まあ普通にしていれば罹ることないと高をくくっていたけど、先日友達二人の話を聞き、地元でも密かに高齢の感染者が出ているし、医療にアクセスできずにホテルや自宅で待機するとなると、気を引き締めて感染者が出なくなるまで、なるだけ身元の分かっている人以外とは会わないようにしたいと思った。

先日、私より10歳くらい年上の友達が、コロナが収まってももう前みたいな葬式はしなくなるんじゃないのと話していた。私もそう思う。

コロナが終わると、無駄なことを止めて、実質のあることだけをするようになるのでは。経済的に豊かな人は暮らしはそう変わらないけど、そうでない人は厳しくなるのかもしれない。また持つ人と持たない人の格差も広がると思う。持つのはお金と人の縁、そして自分のために使える時間などでしょうか。

経済の回復はやがてできるだろうけど、人と会わずに済ませる暮らしを経験した人が、人との信頼関係を回復してまたみんなで仲良くできるのでしょうか。

恵まれないと感じる人が増えると、極端な排外主義や、ポピュリズム、新興宗教などが流行るんではないでしょうか。どんな経験もいいように生かすことができるといいのでしょうが、とかく人は攻撃する対象を欲しがり、またあり得ないものに救いを求めようとします。中世のペストの時代にお互いを鞭でしばく運動が起きたり、吉村昭の小説ですが、金魚を拝んで空襲をよけるとか。

冷静に、今の時代の医学の成果を受ける、そして人ごみに行かない。私はそうしたいと思います。

次は来月、夫は二回目は具合悪そうでしたか、すぐ治りました。私も何事もないことを願っています。

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接種待機中

2021-06-20 | 中欧音楽の旅

スムーズに流れているようです。冷房寒い((⛄))

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パエリアを作った

2021-06-19 | クッキング・ランチなど

久しぶりにパエリア作りました。

ほんとは米1合に一袋。でも味が濃くなりすぎるので米2.5合に1袋使いました。

作り方

米2.5合は洗って30分以上水切りしておく。

米を鍋に入れ、水400cc(一合当たり160cc)、サラダオイル小さじ2、魚介類適宜、パプリカ、パエリアの素を加えてよく混ぜる。

蓋をしてIHの強火9で加熱、蒸気が出てきたら2にして25分加熱。5分蒸らす。

クリームチーズをのせ、レモン果汁を加えて食べます。


袋の説明は電気釜で炊飯。でもそれだと炊き込みご飯になるので、あえて鍋で。

鍋の方が短時間でできます。

こちらスペインでいただいたパスタのパエリア。2016年。

スペインではパエリア用の短いパスタを売っていましたが、日本にはそのサイズがないので、普通の長さのパスタをベキベキと5㎝くらいに折り、水、具材、パエリアの素で仕上げます。今度やってみたくなったあ・・・

こちらもパスタの茹で時間でできるので、急な来客の時など、ちょっとごちそうに見えるかな・・・今度やってみたくなったあ・・・

色が濃いのはサフランたくさん入ってるから?

サフランは高価なのでスペインでもサフラン風の・・・粉末みたいなのを売っていました。

レモンは一個売りがなかったので、本日はレモン果汁で代用しました。

水は少な目で、ちょっと焦げてるのがおいしい~

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機拵えを終える

2021-06-19 | 機織り

全部通しました。

裏返してみる。

外していた筬框(筬の枠)を織り機に掛け、筬を取り付ける。

手前に糸を結びつける。

どの糸もしっかり張っているか確認。青と黄色を2本ずつ、交互に通しています。

やっぱり綾棒は外した方がこの織り機は織りやすい。

X機という、折り畳みができる織り機。折りた畳んだことないけど、綾棒を安定的に固定するところがないのです。

豊田佐吉風は断念。

次はいよいよ織り始めます。通し間違いしていませんように。


いつもの散歩道。

雨上がり。

 

 

 

 

子供のころ、家にあった。好きな花。

園芸種の名前は全然知らないけど、カンゾウの仲間のようです。

ユリ科ワスレグサ属。

一つの花は一日だけ、後ろにあす咲く花が控えています。

 

 

キバナコスモスは花期が長く、暑さ寒さ乾燥にも強そう。

最近はよく見るようになった。

 

雨上がり。

近くの運送会社。

ヤブカンゾウはもう少しで咲きそうです。

我が家のヤブカンゾウは今年は咲かないみたい。残念。

春先若葉を採って何度か野菜炒めした。他の木が茂り過ぎた。野良猫が葉の上に座っていた。これは一週間くらい前。いろいろ苛酷だったのでしょう。

うーーーむ、来年は咲いてほしい。好きな花なので。


冷蔵庫の整理を兼ねて昼はお素麺にしました。何の工夫もない料理、世間に知らせてどうする?

いえいえ、私は冷やし中華みたいにおかずを全部載せて、つゆかけて食べるのが好きなのですが、もう一人の人は麺、つゆ、おかずが別々なのを好みます。

ちょっとした食べ方にもそれぞれ実家のやり方を引きずっているようで。たまにそれで揉めます。いい年してお恥ずかしや。

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雨、雨、機織り

2021-06-18 | 機織り

本日は筬に通しています。筬は60羽/10㎝です。

筬框から外して筬を水平に置くようになってから楽になりました。

これだけのことに気が付くまで6年(工房解散後、織機を先生にいただいてからの年月)かかりました。

人さまのブログを拝見すると、思わぬヒントをいただくことがあり、つくづくとネット時代のありがたさ。


皆様はもうワクチン済まされましたか?

午前中友達と電話で話していたら、予約の電話口にようやくアクセス出来て、一回目はもう済ませた・・・とのこと。そこで初めて詳しく年齢を知ったのでした。普段は同世代としてお付き合いしているけれど、若いと言われて複雑な気持ち。久しぶりに若いって言われた。

私は案内よく読まずに土曜から受付と勘違いしていたけど、昨日別の友達に指摘されてネット予約しました。勘違いと早とちりは老化への第一歩。

近所の接種会場は土日だけ開所、次の日曜日午後からは空いていたので一番遅い回に、ついでに三週間後も予約しました。ネット予約はサクサクとできますが、電話の人は大変だった模様。

その友達は同じマンションのすぐ近くの部屋人がコロナに罹り、自分も心配で検査受けて、結果陰性だったけど、家にいるとのことでした。

ご夫婦で症状が出ているのに一人はホテル、もう一人は自宅で療養して、保健所に強くお願いしてもなかなか病院へ行けなかったそうで、広島でも医療崩壊しているって。半月くらい前のことでしょうか。

そうなんだあ、大阪だけかと思っていた。

迎えに来るのは救急車じゃなくてオート三輪・・・えっオート三輪って今や自動車博物館にしかないのかと思ってたけど。

感染者はゴミ扱い、人間扱いしてもらえないそうで、荷台に乗せられてホテルへ行ったとか。そんなもの、どこから出して来たのでしょう。本当かしら。よく走っていた救急車はコロナの人じゃなかったのかしら。

もう一人の友達も、体育施設でクラスターが出たと話していた。GWに東京から帰省した娘さんが持って帰り、家族がかかり、施設のスポーツクラブで流行ったとの話でした。

わざわざ東京から帰らなくてもいいのに、と友達。そうですよね。でもみんな自分だけは大丈夫って、変な自信があるんですよね。他人事と思わず、私も気をつけましょう。

まだしばらくは自重した生活をしましょう。


昨日の水彩画。濃く描かない、描き込まない、逃げなさいといつも先生に指導される。

よくできたと褒めていただいたけど、夜の写真で色は薄いし、絵はともかく、写真は不満足。

ハンゲショウは持参した。

先生のお宅は庭が広く、季節ごとにいろいろな花が咲く。

今はアジサイの季節。

掛け時計は15分ごとにチャイム音、珍しいオブジェ、モチーフいろいろ、モーツアルトをずっと流しているし、久しぶりに家から出て心がリフレッシュしました。

この歳になると、人に褒められたり叱られたりもなかなかないのですが、人にものを教わるのが心地いいなと思いました。

風景のスケッチは、空はあまり面積取らずに絵全体を上の方に描くということと、屋根の形はよく見て、きちんと描く。という二点を教わりました。

廊下には大作がたくさん立てかけています。どこか貰ってくれるところがあれば寄付したいそうです。老健施設のロビーなどがよさそうですが、さて、どこかにないでしょうか?

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綜絖、終える 

2021-06-17 | 機織り

今朝早く起きたので、半分までしていた綜絖通し、一気に終えました。

一模様が52本、2本取りで4模様。糸の本数は416本+4(端の補強分)で420本。

それを210本の綜絖に通す。4から1までほぼまんべんなく通すので同じ場所は50本くらいしか要らないのに、前に織った昼夜織りに懲りて右端から通したので、左に大幅に余った。

バランスが悪くて織りにくいかも。

ここまでくれば山場は越したので、何とか今月中には仕上げたいものです。


画像的に地味なので、いつもの花の散歩道をば。

 

 

 

最近のユリはとってもゴージャス。品種改良も果てしなく。

これは少し前。

オニユリ系ですね。実家の庭にもあった。

子供のころに見た草花に木は親近感がある。

これからだと、千日紅、百日草、鳳仙花、朝顔、紫露草・・・こうして書いてみると字面から夏の朝の涼しさがよみがえってくるような。。。。

そう思う私は気が付けばもう立派な年配者。先日ゆめタウンの手芸屋さんで夏生地を見てまたまた反応してしまった。

機織りしてもあんまり実用的ではない。難しい柄を織り出す快感だけかな。いつもの夏みたいに、昔ワンピース縫ってもらったみたいに、何か縫いたいなあと思いつつ、日が過ぎて行きます。

 

 

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昭和すぎる茶色のおかず3

2021-06-16 | クッキング・ランチなど

大皿はノリタケのディナー皿に、転写紙(シール)で絵付けした。おかず載せると柄がうるさいようです。

右手前はスぺインの夏のスープ、ガスパッチョ。久しぶりに作るのにミキサー出した。

作り方二人分。

トマトジュース2カップ キュウリ1本 ニンニク半かけ 塩一つまみ パン粉大匙2

これを全部一緒にミキサーに入れて攪拌、ポタージュみたいになれば出来上がり。材料は前もって冷やしておくと夏は冷たくて食べやすいかと思います。

本日も昭和のおかず。平成や令和のおかず目指して頑張ります。

きょうはコロナワクチンの接種券が来ました。申し込みは土曜日から。混雑するのでしょうか。先月済ませた夫は2回目の日はだるそうでしたが、翌朝には快復していました。

昨日、友達から電話。同じマンションのごく近所の人が罹って、自分も検査受けて、陰性だったけど、怖いので今はじっとしているって、動揺していました。私もいつそうなるか分からない。賛否両論いろいろあるようですが、大抵の人は受けるようですね。私も受けるつもりです。

安楽死(尊厳死)賛成、でもコロナにはかかりたくない。っていう内容の川柳がありました。そうです。寝たきりでは生きていても楽しくないけど、まだ元気なのにコロナで死にたくないが本音でしょう。

東京ではまた感染者が増えてるそうで、それでもオリンピックに向かってまっしぐら。結果の責任はが取るのでしょう。

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島で山野草を見る

2021-06-16 | 日記

雨は午前中で上がりました。午後からまた島へ行きます。

左、宮島。右、鈴が峰など。

さらに歩きます。

近所の寺院の別院。行事などに使うようです。

ホタルブクロ発見!!

植えたのかなあ・・・自然に生えたのかなあ・・・

いずれにせよ見られてよかった。

すぐそばの茂みに今度は・・・

ヤブカンゾウ。もうすぐ咲きそう。これも今年は早い気がする。

咲いたころ、また見に来ましょう。

小学校の敷地から島を見下ろす。マンション、ホテルなど。

向こうにマツダの車を運ぶ船が停まっています。

図書室横の石段を下りていきます。

目もくらむような急傾斜。


下へ降りて、工場跡の空き地に山野草がありました。こちらは誰かが植えたと思います。

オカトラノオ。サクラソウの仲間。小さな花が並んでいます。

チダケサシ?

フタリシズカ

思いがけずに山野草に出会って、島ではまだまだ発見がありそうです。


帰ります。さっき見た大型船が・・・なんと動いています。

ゆっくりと出港しています。

音もなく、マンションが移動するみたいに。

後ろから二回りくらい小さな船がついて行きます。

どこへ車を運ぶのでしょう。

昨日、久しぶりに坂道上がって体力落ちていることに気が付きました。

なるだけ歩くことにしましょう。

 

 

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昭和過ぎる茶色のおかず2

2021-06-15 | クッキング・ランチなど

きょうは買い物行かず。あるもので。

フキの葉も食べます。

ウリはよく煮るとトウガンみたいな食感に。

次はもう少しおしゃれなおかず作りたいけど・・・無理?

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島で絵をかく

2021-06-15 | 絵と山歩き

自転車で約10分、地元の島で絵を描きます。

自転車置いて坂道を上る。ヤブコウジの花。

チヂミザサ。名前は笹だけど、草。

トキワツユクサ。

 

着きました。好きな場所です。高いところはほとんど空き家。

手前の空き地も家が建っていたらしい。

描きます。

しゃがんで書いてたらい足がしびれて中断。移動します。

こちらを描きましょう。

☆印がさっきスケッチブック置いていた場所。

詳しく描かない。さっさと仕上げる。

坂道に足投げ出して今度は楽だった。

誰も通りません。家はあるけどすでに空き家が多い。軽自動車ならここまで何とか上がれそうだけど傾斜は急。

帰ります。ノコンギク?にしては早すぎるけど・・・

タチドコロ?

この下に自転車置いています。

歩いていると、若いころの美術部の合宿思い出した。

 

・・・夏の盛りの日もそこだけ涼しくって

名もない蔦や柳がひくくたれこめて

絵を書く私達 それぞれひとりにさせた・・・

       「悲しいほどお天気」松任谷由実

私の描いた絵、いつも辛辣な批評していた人は今どこでどうしているでしょうか。

はい、もうすぐ昼休み。

家に帰って、私は昨日の残りのカレー食べて、批評していた人にはそうめん茹でる。おかずは適当に。コンビニでアイスも買って帰る。

と坂道下りながら少しずつ現実に戻る私。

今年?

タチドコロ?


帰りました。昭和過ぎる、何でも置きまくるインテリア。敷物は自分で織った裂き織り。縁が不ぞろい。

半夏のころに咲くので半夏生。

昔は夏至から11日目。今は太陽の高度で正確に日を同定するらしい。7月1日頃。

今年は本当にどの花も早い。これが常態になるのかも。

子供のころ、大人が「もう半夏したんなあ?」と話をしていた。

半夏はそれまでに田植えを終える目安。田植え終えて農機具や作業服の片付けして、骨休めする。

関西ではタコを食べてたそうですが、冷蔵庫のない時代、夏は刺身よりも茹でたタコ。瀬戸内にはよく獲れていたのです。今はどうでしょうか。

麦を作っていたころは田植えは半夏過ぎてもしていたような気がする。一月以上の長い長い農繁期でした。

田植えが終わり、どこまでも広がる水面をツバメが飛んで、7月は好きな季節。茶色の麦畑から一変、一気に景色が変わるのが清々しかった。


明後日は二か月ぶりのお稽古の日。頑張りましょう。

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「死のある風景」 吉村昭

2021-06-14 | 読書

引き続き姑様の本を読む。

一つ前に読んだ昭和歳時記はエッセィ、同じ内容を小説にしたのもあり、10の作品からなる短編集はどれも戦争末期から戦後の、作者の身の回りにあったことをもとにして書かれている。

どれも破綻なく、よくできているけれど、特に面白かったのは東京から東北へ、闇米を買いに行く話の「煤煙」。殺人的な混雑ぶり、帰りには取り締まりで没収されることも多かったが、この主人公と同行者はそれぞれ2斗の米を持ち帰る。その様子が詳しくわかってよかった。

「金魚」は拝むと爆撃から逃れられると信じられていて、主人公の家の池にあるのをもらいに来る人がいた話から始まり、進んで戦争に志願する同級生と、病気で兵役に就くのが遅れ、結局生き残った主人公のその後の話など。

戦争という非常時には、人の境遇も激変し、生死の境もほんの偶然。その運命に翻弄されるとき、人の本質が垣間見える。感動する話もあり、見たくなかったすさんだ話もある。そこのところをうまく掬い取っている。戦争はよくないけど、小説の題材はたくさん転がっていたことでしょう。

でも、私はこれからもうこの作家は読まないと思う。男で旧世代の人だと、批判的にしか考えられなくなった。

その作品は「初富士」。富士山麓にある家の菩提寺に弟夫婦、嫂と連れ立って私は新年のあいさつと墓参りに行く。先代の住職の妻から手紙をもらっていたからである。

それは、小説家の主人公が小冊子に書いたエッセイについての問い合わせ。そのエッセィとは、戦前、東京で行われた主人公の祖母の通夜のあと、父親と先代の住職が酒を飲みに出かけて待合に行き、翌朝まで帰らなかったという話。

初めて知った彼女はショックを受け詳しく知りたいというのである。

「信じていただけに・・・裏切られたような悲しい気持ちになった」という相手に、主人公は「夫の生前の遊びを知って、嫉妬を感じている老女が微笑ましかった」と書き、最後にまた「老女が今でも女らしい感情を失わずにいることに微笑ましさを感じた」ですって。なんか上から目線。ご自分の書くことで人が傷ついたことへの反省がないと思う。当人にしたら微笑ましいでは済まない感情の波立ちがあったと思う。

いやいや小説です。作者を責めてはいけない。いけないのだけど、登場人物は作者の考えを代弁している。男にとっては大したことなくても、女にとっては一大事。相手が死んでいて、文句言えないのが一層悔しい。その感情に年は関係ない。

それにやたら「老女、老女」と書いてますが、70代後半。いまのその年代の人は若く個性的。決して老女とひとくくりにされていい存在ではありません。

このあたりが、もう時代に合わない作品と思いました。

あなたがこの女性の立場ならどうしますか。しかも知ったのが、読書会の仲間に教えられて。つまり恥ずかしい思いをしたということ。

私なら「絶対許さん」と腹立てるでしょう。墓石を蹴るかもしれかもしれんけど、相手は石、バランス崩して転んだら危ないので、うーーーん、どうするかな。死んだ人への仕返し、難しいけど、残された人生楽しく過ごして鼻を明かしたつもりになるかな。(性格わるうーーー!!!)

題名通り、どの作品も死を扱っている。結核にがん。がんも30年くらい前までは不治の病と恐れられ、患者には知らせず、本人は苦しみぬいて死ぬというのが一般的だった。今はがんも治るし、完治に向けて長く付き合う病気。告知もする。

この本読んでがん告知するようになったのは、今の時代の人が動揺しない人格者になったのではなく、がんが治るようになったからと気が付いた。治療を続けるためには本人に正しく伝えるのが前提条件。時代が変わったと思った。

姑様がこの本を読んだのは舅様が亡くなった後しばらくしてだったらしい。なんでこんな暗い小説集読んだのかなと思うけど、いっぱい悲しんで死の意味を考え、それまでを有意義に過ごそうと立ち直るために読んだのかなあと思う。

気丈な人で寂しいと一言も言わず、法事をして人が来てくれることを楽しみにしていた。

この本読んで、少し前までは死は社会的なもの、人のつながりが密で、人は人の死を悼み葬式にもマメに出かけていた。今は死は世間から隠され、ほんの近い人だけで送る。負担がなくていいけれど、そうまで死を忌み嫌っていると、死について考えることも減り、自分の死について覚悟ができなくなる恐れがあり。

特に今コロナ、身内も死に立ち会えず、寂しい時代になったのだと思った。

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真夏の着物の準備

2021-06-13 | きもの

何を持っているか、記憶と現物を照らし合わせます。

洗える紗、八寸帯。好きな色合いです。

前はピンクが派手だと思っていたけど、最近は年齢に関係なく好きなものを着ればいいので、いい時代になったかなと思います。

絽。

叔母の形見を母がもらってきて私にくれた。

結城や大島は他の叔母たちが持って帰ったとのこと。

青くて派手な訪問着は踊りをしていた従妹の元へ。

帯は姑様が持っていた。

自分で仕立てないといけないけど、いつになるやら。。。。

同じく絽。

毎年出すだけでいまだ着る機会がない。いつかきっと。

縦絽に絽の帯。真夏用ですね。真夏に着れればいいけれど、和風のお稽古事していないし、いつ着るのかなあ。。。

夏用の長襦袢を着易いようにカスタマイズ。

紐をつけたり(邪道だけど)、襟付け替えたり。

夏の喪服出してみたら、一緒に麻の長じゅばんが出てきた。

夏の喪服は、実父の葬儀の時、叔母が「**ちゃん、着崩れとるか思うたけど、着崩れとるんと違う、身幅が短うなっとるんや。縫い直してあげる」と言って持って帰り、長じゅばんと一緒に縫い直して送ってくれた。

あの時は、父のお見舞いに貰った高級ブドウを父に代わって食べまくり、我が人生最大の体重だった。葬儀の写真見たらふっくらと元気そうな私。

そうです、着物の身幅が伸びたり縮んだりするわけない。私が成長したのです。

叔母が縫い直してくれたありがたい長じゅばんも、絽の半襟が黄ばんでいたので取り替えることに。

もう一つ喪服用の長じゅばんがあるので、こちらは普段着に着るつもりで、そこら辺の麻布で代用。

うーーーむ、あまり涼しそうに見えないのが難点かな。

昨年yokoさんの葬儀の時、喪服出してみたら袖口に染みが出ていたので着るのは断念。今の時代、和服の喪服なんていらないのだけど、気が付けばいつの間にか昔人間になっていた私、着ないにしても持っていないと落ち着かないので、ヤフオクで落札した。

仕付けのついた一度も着ていない夏冬セット、長じゅばんに帯も二本ついて5,500円だった。昨日はせっせと夏喪服のしつけを外したり。でもまあ、夏は自前のがあるのでそちらを着るかも。

すみません、長々と。

梅雨の葬儀だと、昔は単衣の喪服ってあったのかな。梅雨明けまでに必要ならもう洋服ですね。


自分ではいい考えだったと思った、自作のなんちゃって長じゅばんは身頃の上半分が木綿で暑い。

今度は登山用の極薄のTシャツに麻の長じゅばんにするつもり。裾除けの代わりに、和服用のステテコ。きっとその方が涼しい。

今年も地元の花火大会はないらしい。しばらくないかも。さて、着物、どこへ着て行きますか。


この土日、バイトの予定だった夫、予約者が少なくて市の方からキャンセルしたいと連絡あり。本人は張り切っていたのでがっかりしていたが、それ以上に私もがっくり。土日、のんびり遊ぼうと思っていたのに。。。。

その代わり・・・

ン?その代り?・・・

似島へ行ってヤマモモ採る。

おやまあ、何とピンポイントな。少年自然の家の入口付近に木があるのは知ってるけど市の施設なので今は休んでいるかも。

じゃん、午前中に近所の公園で。

午後から夫が同じ木から採集。

木は円形の一段高くなった土の上にあり、その上に上がって手で採ったそうな。

このあと、果実酒を仕込みました。エキスが出やすく、すぐにきれいに色になります。

楽しみです。

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「昭和歳時記」吉村昭

2021-06-11 | 読書

25年前の文庫本。エッセイ集。それまでに雑誌か何かに連載されていたらしい。

昭和2年、東京の日暮里生まれの著者が、戦前戦中の世相、家族のことなどを各回のテーマごとに思い出している。

思い出していると言っても、膨大な資料を駆使して歴史小説をたくさん書いてきた人なので、内容は正確、筆致は冷静、家族の悲劇も次々起きるけれど、死が今よりもずっと身近だった時代、感傷に走らずに過不足なく書いていると思った。

特に戦争中の空襲の話などは迫真の描写で、自分の家が建っていた辺りにできたホテルで講演会して落ち着かないというくだり、エッセィでしか書けない切ない話である。

私は著者の子供の世代で、昭和三十年代に日本のあらゆるものが変わったという、その三十年代を憶えている最後の世代でもある。

東京と地方の違いはあっても「蚊帳」は普通にあったし、冬になると手編みのセーターを着ていた。我が家の場合は羊毛も自家生産、羊を飼っていて、今の時期、業者さんが毛を刈って持ち帰り、毛糸や紳士服の生地に加工して持って来ていた。

東京の人は戦後の買い出しに殺人的な混雑の列車に乗っていたけれど、県庁のある地方都市に隣接する我が実家の付近では、「町から買い出しに人が来よった」そうで、ちょっと目を出したホウレンソウでも分けてほしいと言われたこともあったとか。

おやまあ、本の感想から離れて自分のふるさと自慢になってしまいました。

著者は、昭和は古きよき時代ではなかったと言っています。貧しく、不潔で、戦争もあり。しかし、そんな時代にも、人は助け合ってけなげに生きてきた、その息遣いが聞こえるような本だと思いました。

目の前にあって当たり前すぎることも、長い年月が経てば忘れ去られてしまう。作家の達意の文章で、郷愁も刺激されつつ、楽しく読みました。

これは姑様の本。ヤフオクに出すつもりらしいけど、アマゾンでは1円です。送料込みだと300円くらいになるのでしょうか。いずれにせよ、コスパのいい読書体験でした。


追加として、この本の中で、空襲で亡くなった人を火葬にする場合、棺桶は自前で調達、火葬場へも燃料持ち込みだったそうです。燃料ない人は火葬してもらえなかったのでしょうか。

広島の被爆体験の中にも、家具職人の父親がどうしても子供の棺桶が作れず、「無理もない」と仲間の人が作ってくれた話がありました。燃料集めて、自分で身内の遺体を河原で焼く。。。。

そんな時代が再び来ないように、今生きる人間としての務めがあると私は思いました。

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機織り、少しずつ

2021-06-10 | 機織り

明日からお天気下り坂、きょうは大物をたくさん洗濯、普段は使わない隣のビル側のベランダへ出たら、2階に住む方と顔があったのでご挨拶する。

爽やかな風、湿度も低く、よく乾いてよかったのですが、明日からお天気下り坂。梅雨の時期、いつかのような豪雨災害にならないことを祈るばかりです。

きょうは整経した糸を巻きました。

最後に、粗筬の手前に綾を移して綾棒を差し替え、粗筬は抜く。

上が開く便利な粗筬ではなくて卓上機の筬を利用するので、いつもちょっと手間取る。

巻いてこの状態にするのに40分くらいかかる。もたもた。

続いて、千巻箱の中に芯棒を通して織り機にセットして綾棒と糸を引き出す。

作業する場所が狭いので10分くらいかかる。もたもた。

あーあーよく働いた。本日の作業はこれにて終了。


自粛期間と共に自堕落になり、今回は第四波?五回目が来ないことを切に願う。

午前中、銀行その他へ行っただけで、家にいる。

家にいるので庭の花などを撮ってみます。

 

 

 

メキシコマンネングサ。

乾燥に強い。写真見て初めて、オシベの先が赤いって気が付いた。

雨が降ると花が垂れるので、今日はひもで縛って他の木と結んだ。

鉢植えの時は咲かない年もあったのに、今はこの勢い。

咲かないのは短く剪定しすぎたのかもしれません。上から葉二段の下で切るそうです。

そうするとどうしても背が高くなるので、半分は思い切って短くすればいいのかなあと思いますが、なかなか踏ん切りがつきません。


オリンピックに突き進む今年の夏は、なすすべもなく敗戦に向かっていた76年前の夏を連想してしまいます。

6/23、沖縄で日本軍は民間人をも徴用した地上戦に負け、沖縄はアメリカ軍が占領。太平洋戦争の趨勢は決まり、日本の敗戦は不可避。

ここでなぜ降参しない?オリンピックも同じ。なぜ止めない。誰も責任取らずにずるずると成り行き任せ。冷静な状況判断より、希望的観測。

東京、横浜、名古屋、大阪などはそれまでに何度もアメリカ軍の空襲を受けますが、6月になると地方都市も攻撃されます。

近いところでは岡山6/29 高松7/4 松山7/26など。そしてヒロシマ、ソ連軍の極東への参戦、ナガサキ・・・8/14ポツダム宣言を受諾して日本の敗戦決定。

今年の8/14は(中止でなかったら)オリンピックが終わり、パラリンピックの開始を待っている期間に当たる。

二か月後のこの国がどうなっているのか、杞憂に終わればいいけれど。

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昭和すぎる茶色のおかずいろいろ

2021-06-09 | クッキング・ランチなど

きょうも暑かったですねぇ。皆様の地方はいかがでしたか?

昨日から急に蒸し暑いのでどうしたのかなと思っていたら、気温が30度を超してたそうで。体がついて行きません。暑い時は自堕落を自分に許している。

買い物は朝7時から。涼しいし、人も少ないし、四日分くらいをまとめて買う。

今朝、久しぶりに近所のスーパーへ行くと「小海老」があったので、嬉しくて購入。夜はかき揚げしました。

ヨモギと玉葱も足してかき揚げです。小海老は瀬戸内海でよく獲れるのでしようか。夏になると店に出てきたように思う。我が実家でしていたようにかき揚げに。

姑様は魚の好きな人で、肉は牛、豚、鶏、マトンくらいしかないけど、魚はいろいろあっておいしいとか言ってましたね。

夏には夏の魚。トビウオも売っていた。トビウオは日本海でよく獲れるらしく、子供のころ食べたことないので敬遠。

カツオのたたきは、もちろん瀬戸内海に回遊してこないので、昔は見たこともなかったけど、今はよく売っているので買ってみました。


時々拝見するある方のブログ、嫌なことがあったら自分にご褒美上げることにするそうで。ケーキ買ったり、とかささやかなぜいたくを自分に許すと次同じことがあっても、ああ私を楽しくさせてくれるから感謝しなくてはと思えるそうで。

なるほど。いい考え。

で、私の自分へのご褒美って何だろうと考えた。ケーキもそんなに食べないし、服も欲しくないし、どこかへ一人で遊びに行くことかな。でもこう暑いと、コロナだし、結局は家で煮詰まらずに気持ちよく過ごすことかなと考えました。

涼しいうちに用事を片付けて好きなことをする。今のところ絵を描いて、本読んで、たまに狭い庭に出て木と山野草に癒されて、ちょっと草抜いたりして。


コロナワクチン接種会場が暑いので、ミストが出る扇風機を設置した・・・というニュースがありました。

忘れもしない、2014年の6月、フランス南西部サンテミリオンの街で、屋外のカフェの席、テントの下で盛んに同じような扇風機が回っていました。

35℃くらいだったかな。その時はその気温に驚いたけど、今となってはもう驚かない。夫にその話をしたかったけど、ひがんだら行けないので黙っていた。

サンテミリオンは街を出ると行けども行けどもブドウ畑。おいしいボルドーワインの産地です。バランスがよくてコクのあるワインはあの暑さと豊かな地味の産物。

またいつか、かの地でワインをいただきたいものであります。

コメント (2)
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