桜木紫乃さんの小説はすべて北海道が舞台だ。
元映写技師の夫、信好は看護師の妻 沙弓と二人暮らし
映画脚本家の夢を追い続けて定食はなく、ほぼ妻の稼ぎで食べている。
当の妻は余裕のない生活で、子供を産むこと、義母との距離、実母との
確執など、家族の形に悩む日々だ。
幸せになるために生涯を誓ったはずなのに一体何なんだろう・・・
夫婦が夫婦になっていく家族の始まりを夫と妻の交互の視点で描く
連作短編集。
舞台が北海道ということで、生活のながれがゆったりと流れている
様子がなにかほっとする、大都会ではないゆったりとした時間の流れが
ふたりぐらしの間のところどころに垣間見る感じです。
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沙弓は、秋の午後にふたり連れ立って歩く理由を「愛の賛歌」を聴いた
せいにした。
蓄熱セーターにコートを着込んできたが、信好はジーンズにフリース1枚
きりだった
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