里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

水墨画「祖谷渓」

2025年02月23日 | 水墨画:風景他
画仙紙 半切1/3
 

四国を訪れたのは2016年でした。記憶も定かでないので改めて確認してみました。
急ぎ足ながら4県とも回りましたが、一番に目指したのは秘境の呼び声高かった徳島県三好市の祖谷(いや)。
一帯は平家の落人による隠れ里との伝承があり、山麓に集落がへばりつくように点在する世間と隔絶された深山幽谷の世界との予備知識でした。
そして、吉野川支流祖谷川に形成された深い渓谷が祖谷渓。そのシンボルとなっているのが「祖谷のかずら橋」です。
かずら橋は、シラクチカズラという植物を編み込んで作られた祖谷川に架かる長さ約45m、幅約2mの吊り橋で、平家の落人が追っ手から逃れるためにいつでも切り落とせるよう植物で作ったと言われています。
さすがに観光スポットだけに観光客は多かったですが、秘境のイメージを損なうほどではないと感じました。今はもっと多くの観光客で賑わっていると思いますが。
料金を払ってかずら橋を渡り谷底に降りることが出来ます。足下からは川面が見え揺れるので結構なスリルが味わえます。
画のモチーフとしても良い景観なのですが、実際に描いてみると橋が複雑で周りに樹木が多く難しい。
この地からさらに上流に向かい国の重要伝統的建造物群保存地区になっている落合集落を望む地点へ、さらに集落も訪ねましたが観光客は殆ど見かけませんでした。
レンタカーで移動したのですが、祖谷街道は道幅が狭く対向車とすれ違う時にかなり緊張したのを憶えています。

4回目の冬ホウレンソウを穫り始める

2025年02月22日 | 畑:葉菜類

今季の秋冬ホウレンソウは4回に播いています。
1回目のホウレンソウを11月半ばから穫り始め、以来途切れることなく収穫を続けています。
メインの2回目のホウレンソウは1月に全て取り終えました。3回目のホウレンソウは1月下旬から穫り始め若干残っています。


最も厳寒期のホウレンソウなので寒締めホウレンソウとして作っています。
品種はサカタのタネのクロノス。
元来濃緑肉厚で滑らかな葉ですが、葉は垂れ気味でぼこぼこし、寒締めホウレンソウらしい姿になりました。


今回穫り始めたのが最終4回目に播いたホウレンソウ。


種播きを前年より遅らせ11月3日。品種は同じくクロノス。
ほぼ想定に近い生育だったので12月20日頃から不織布をべた掛けしています。


この作型は厳寒期に生育するため当地では収穫までの期間が最も長く100日くらい要するのが普通。
酷寒の年ともなれば4ヵ月でようやく収穫始めといったこともしばしばあります。
暖冬だった昨年は特別で不織布のベタ掛けをせずとも1月中に収穫出来るくらいに生育が早まりました。
不織布を剥いでみると今年は想定したような生育になっています。


種はばら播きですが、基本間引きはしないのでごく薄播きにしています。葉は畝一杯に広がっています。


今年は大寒になり逆に気温が上がったものの立春以降冬型が強まりむしろ気温が下がってきました。
不織布を掛けているとはいえ低温に晒される期間が長く3回目のホウレンソウ以上に寒締めホウレンソウらしい姿になっています。


酷寒の年ともなれば最低気温が連日-5℃以下、真冬日も頻発することが多いのですが、今年はそれほどにはなっていません。
-5℃以下は単発で何度か、真冬日は記録していません。しかし、今月は積雪もあり2月としてはかなり寒い。生育はほぼ停滞しています。
葉は波打ち表面はボコボコしています。


クロノスという品種はもともとが濃緑で葉肉が厚い。それに縮みが加わりいかにも濃縮されたような姿になっています。


正に寒締めホウレンソウらしい姿と言っていいでしょう。
助っ人が穫り我が家の分と置いていったホウレンソウ。


肉厚で甘味が強く栄養価も夏ホウレンソウの数倍になっているでしょう。
これから3月いっぱいは穫りたいところ。昨年に比べると伸びすぎず長持ちしそうに見えます。
但し、日が長くなり気温が高くなれば何れトウ立ちしてきます。そうのんびりはできません。


春キャベツは順調で追肥と土寄せをする

2025年02月21日 | 畑:葉菜類

春キャベツの生育は概ね順調で追肥と土寄せをしました。
種播きは例年より遅く10月7日、植付けは11月1日。
品種は「金系201」。


苗は小さく少々バラついていましたが、植え付け後の生育はスムーズでした。
越冬前に追肥し土寄せしています。
年明け後の姿は例年並で1月後半にはむしろ進んでいる印象でした。
しかし、2月になり強い寒波襲来で雪も被り現在は例年並の生育進度と思います。


昨年は暖冬だったためかなり進んだので、昨年から見れば1週間から10日くらい遅れているでしょぅ。
病害虫は見られず、大株で越冬したわけでもないのでトウ立ちの心配はありません。
中心の葉は立ち、巻き始まる気配が見えています。


まず畝の両肩に追肥をします。


例年なら速効性の粒状化成肥料を用いるところですが、価格高騰の折り在庫の肥料を利用し経費を節減します。硫安に苦土石灰を混合して施用しました。
次に土寄せ。
機械は用いずクワだけで行いました。それでも土の状態が良いので楽に出来ます。


落ち葉が沢山ありますが、かまわず一緒に寄せてしまいます。
株元まで十分に土寄せしました。


過乾燥だった畑にも水分が供給されたので気温の上昇とともにぐっと生長するでしょぅ。


この姿なら収穫開始の目安は4月20日くらいでしょうか。


昨年は2月くらいまでは非常に生育が進みました。しかし、その後寒さがぶり返し結局収穫は例年並でした。予想は難しい。
こちらは冬キャベツ。


品種はトーホク種苗の「寒玉キャベツ」。
一時雪中甘藍になりましたが、何の問題もなし。大玉が多く、盛んに収穫しているところです。


近年は冬キャベツから春キャベツと殆ど間を置かずに繋がっていますが、今年はどうでしょう。



良いタラの芽を採るための管理(篠竹刈り)

2025年02月20日 | 山菜

「山菜の王様」と言われるタラの芽。春の山菜と言えばいの一番に挙げられるでしょう。
タラノキから吹き出してくる新芽がタラの芽ですが、タラノキとは聞き慣れない方が多いかもしれません。
我が家では元々自生していたタラノキを年数を掛けて手入れし、増殖させてきました。
今では、自然に増殖しこの場所には数十本のタラノキが群生化するようになりました。
これが昨年春の採り頃のタラの芽。


しかし、この場所はタラノキの周りに篠竹も沢山群生しています。


篠竹は繁殖力が強く、タラノキの中にまで蔓延ってきます。


放置すればたちまちタラノキの方が駆逐されます。
この場所では篠竹を刈ることが一番の管理作業になります。


それでも今年は例年に比べタラノキの近くに侵食している篠竹はずっと少ない。


今年はタラの芽を採った後の刈り払いの回数を増やしたことが奏功しています。
9月にも刈り払いしたのは初めてのような気がします。
お陰で今回の刈り払いはずっと楽に出来ます。やはり手を掛けただけの違いがあります。
ところで、篠竹は里山の有用な資源でもあります。
我が家ではサヤエンドウの支柱にしているのは専ら篠竹。
但し、タラノキの中に生えているような篠竹は質が悪く使えません。
使えるのはタラノキの周囲に生えている良い篠竹だけです。
まずは、タラノキの生えている周囲1mくらいまで刈払い機で切り倒します。


下草や小さい雑木も一緒に刈り倒しました。


タラノキのごく近くは一緒に切り倒してしまうとまずいので手刈りが必要です。
刈り取った中から丈が2m以上あり太く真っ直ぐ伸びた篠竹だけを選別し、他の刈り倒した篠竹は整理します。


スッキリとしました。これで春になれば良いタラの芽が出てくる環境が整いました。


まだ芽は硬いですが春になれば食べ応えのあるタラの芽が採れるでしょう。


また、こうすることでさらにタラノキが増殖してきます。
これが選別して纏めた篠竹。


篠竹は支柱として使えるよう葉を整理し長さを揃え、先を尖らせておきます。
これでは中途半端なのでもう少し採ります。


最終のレタス類

2025年02月19日 | 畑:葉菜類

今冬はレタス類をまだ穫っています。サニーレタス、グリーンリーフレタス、そして玉レタスの3種。
何れも冷蔵庫で芽出しした後9月早々に直播きしたもの。12月半ばから簡単な不織布のべた掛けをしています。


暖冬だった昨年は特別として、例年なら厳寒期には凍害を受けるので今頃まで穫っていることは稀です。
この時期になれば大概片付けられている頃です。
2月になってもかなり低温になっていますが、今冬は極端な低温からは免れているようです。
また、急激な低温に逢うこともなかったため耐寒性が次第に高まった可能性が高い。
不織布のベタ掛けもそれなりに効果があったと思われます。
サニーレタス。


10月20日頃から間引きを兼ねた収穫を開始。
長期に収穫してきましたが、大株になりこのような状態で残っています。一見凍害になった株が多数。
サニーレタスは凍害の症状がハッキリ出るので分かりやすい。
左の株のように葉が萎れ黒く変色してきます。


これは軽傷。萎れたり変色した一部の葉を除けば利用可能です。


穫ってみます。これなら茎も伸びておらず下葉を除けば問題なく使えます。


サニーレタスは硬くなりにくく食味があまり落ちないのが利点です。
グリーンリーフレタス。


レタス類3種の中では見た目最も凍害を受けにくい。
サニーレタスのようにはっきり凍害と分かる症状が見えません。それでも右の株は変色し葉が垂れています。


葉が厚く水分が少ないため凍害にも強いと考えられますが、それだけに葉が硬く、苦味も出て食感や食味が悪い。


穫ってみます。


外葉を外し中心の柔らかい部分だけを利用します。
玉レタス。


品種は「ノーブルSP」。
11月末から穫り始め、未結球のまま終わるものも相当数あるかと思いましたが、想定以上に結球しました。
郎党の中に専ら玉レタスを食する人間がいることも収穫が進む要因かもしれません。
玉レタスは葉の水分が多いため3種の中では最も凍害を受けやすい。このように変色し腐ってきます。


やはり急激で極端な低温を免れたことから小さいながらも未だこの程度残っていると思われます。
これはほぼ大丈夫のようです。


穫ってみます。
小さいいわゆるチャボ玉ですが、問題なく食べられます。


レタス類3種が暖冬だった昨年と変わらない穫れ具合になったのはプラスの想定外と言ったところ。
あとは助っ人に利用できるものを持ち帰って貰い終了とします。