里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

ブロッコリーはバラエティに富んだ花蕾が穫れる

2025年02月13日 | 畑:花菜類

この畑はごく緩い南傾斜のため日照条件が良く、過日の雪も週明けには殆どなくなりました。
ブロッコリーもすっかり雪を被りましたが、いち早く溶けています。
葉は少々垂れたものの実害はなく、まだまだ元気な様子です。
厳寒期が後ろにずれている感じですが、酷寒と言うほどではなさそうです。
今季のブロッコリーは種播きが3回になっています。今では予見がなければ判別は難しいでしょう。


品種は全て「緑嶺」。
まだ大きな花蕾が散在しています。一方小さな花蕾は沢山見えています。
これが1回目のブロッコリー。


未だ大きな花蕾が見えています。もちろんこれらは全て側花蕾。


今季は1株から複数の頂花蕾並の大きな側花蕾が穫れており、それがまだ残っているのです。
頂花蕾も含め大きい花蕾が1株から3個、4個と穫れることはあまりないことです。


普通の小さな側花蕾も多数着いています。
これが2回目のブロッコリー。


こちらも残っているのは全て側花蕾。中央に見えるのが頂花蕾の穫り跡です。


1回目のような大きな側花蕾は穫れていません。ただ、普通の側花蕾とははっきり違う一回り大きな側花蕾です。


大きな側花蕾になるのは頂花蕾のすぐ下に着く小さな側花蕾とは根本的に違うものです。
大きな花蕾は主枝の地際から伸びている大きな葉を付けた太くて長い側枝だけです。
そのために小生は土寄せに少々こだわっていますが、やはり当地では植え付け時期に大きく左右されるようです。
これが3回目のブロッコリー。


見えている大きな花蕾は全て頂花蕾。12月半ばから穫り始め、未だ穫っています。
株数が1、2回目を合わせたくらいあるので絶対数が多いこともありますが、低温期なので穫り遅れることがないからです。
一方、側枝から大きな側花蕾を穫ることは無理で、このような普通の小さな花蕾だけです。


花蕾は酷寒ともなれば凍害を受けやすい。酷くなると凍った後飴状になり変色してきます。
今季は昨年のような暖冬ではないものの真冬日はまだなく、-5℃以下も単発である程度。
この程度の低温ならさほどの実害はありません。
それでも多少の凍害の症状はあり、マーカーのところは軽い霜焼け状になっています。


もちろん低温に晒されるので花蕾の色はアントシアニンの色素が出て明緑色ではなくなります。
面白い現象が見られます。
この花蕾は葉が垂れ半分ほど被っています。


葉を退けてみるとこんな風なツートンカラーになっていました。


この葉は花蕾にすっかり被さっています。


退けてみると綺麗な明緑色です。


日陰と言うこともありますが、低温に晒されなければアントシアニンの発色がないことがよく分かります。
このような畑の状況から現在の花蕾は大中小のバラエティに富んだ花蕾が穫れています。


今作は1回目のブロッコリーの苗の出来が悪く3回の種播きになってしまいました。
天候とも相まって結果的に長期間大きな花蕾が穫れ続けています。



価値ある安いもの3品「コメ、卵、牛乳」

2025年02月12日 | 田んぼ

昨日、コメの高値について投稿しましたが、若干追記したいと思います。
コメの流通は食管制度の時代からは大きく変わってしまったので一概に比較は出来ないのですが、ウィキペディアで調べてみると50年前1975年の精米10㎏当たり消費者米価は2,495円、1980年3,235円、1985年3,764円、1990年3,865円、1995年3,850円となっています。
その後は、自主流通米主体になったため示されていませんが、どう思われるでしょうか。、
食管制度の時代は生産者消費者双方に悪いようにはしないと政治色の強い米価の決定がなされたためしばしば消費者米価よりも生産者米価の方が高くなるいわゆる逆ざやが生じていました。
それでも消費者米価は3,000円台後半の価格になっており、近年の店頭に並んでいた10㎏価格と比べてもむしろ高いくらいです。
昨年高値になる前はごく一部の高価格米は別として3,500円程度、3,000円くらいの価格帯のものもあったと思います。
一方、玄米60㎏の価格は1990年21,600円、1995年20,976円、2000年17,054円、2005年16,048円となっています。2010年は相対取引価格で12,711円です。その後は相対取引で12,000円から16,000円の範囲で推移しています。
相対取引は集荷団体と卸間の取引価格なので生産者価格はこれより2割程度下がると思われます。つまり30年ほど前の1/2から2/3の水準だったのです。
2024年の高値になる前の20年余りいかにコメの価格が低迷してきたかが分かるでしょう。消費者にとっては価格は安ければ安い方がいいに決まっていますが、少々度が過ぎていたとは思われないでしょうか。

これは、以前にも書いていることですが、現在一人当たりのコメの年間消費量は約50㎏と言われています。
小生の場合、朝食はほぼ100%、3食でも米食が90%を超えています。おそらくコメの摂取率では最高クラスでしょう。
昔は1合飯も食べた時代もありましたが、今は1食に白米で0.5合、75gです。


これを仮に価格高騰前の10㎏3,500円で当てはめると26円。我が家の玄米価格で換算すると1食20円です。3食ともご飯を食べることの多い小生でも自家米としては年1俵、月5㎏程度です。
食べ盛りの1合飯を食べる人でも自家では小生と同程度の量でしょう。金額に換算すれば2,000円ほど。
これは失敬して最近スーパーの棚を撮らせて頂いたもの。


確かに8割も高騰するのは異常で何れ修正されるでしょう。しかし、それ以前も異常に安すぎたとは言えないでしょうか。高騰後の棚の価格でも1杯50円程度です。
客寄せにご飯を無料にしたりおかわり自由にしたりするくらいの価値しかコメにはないのでしょうか。小生は主食としてもう少し評価してもらえる程度の貢献はしてきたと思うのですが。
こちらは小生が毎日のように朝食に摂る卵。


これも最近値上がりして困ると言うニュースが流れています。
調べてみると1㎏当たり価格は50年前1975年が304円、1980年305円、1985年271円、1990年223円、1995年184円、2000年189円、2005年204円、2010年187円、2015年228円、2020年171円となっています。そして2023年が306円、直近も300円強で推移しているようです。
Mサイズが60g程度なので16個で1㎏くらいでしょうか。
物価の優等生と言われてきた卵ですが、奇しくも50年前と今が同じ水準と言うことになります。概ね170円から300円の範囲で推移しています。300円を超えると高騰と騒がれるようです。コメとかなり似通った推移になっています。
近年高い傾向にあるのは鳥インフルエンザの発生で出荷数が減ったことによる影響が大きいと言われています。
テレビのインタビューに応じていたご婦人は1個10円くらいでないと高いと言った雰囲気で話していました。1日200個使うというレストランのオーナーシェフは値段に反映できないので大変と話していました。確かに業務用となるとそうなのかもしれませんが、卵の責任にするには重すぎる感じです。
ご飯をサービスに使うのと同様、卵はスーパーの客寄せのため特売品のような扱いになっていました。
当地方にも養鶏場がいくつかありますが、価格低迷と飼料高騰で廃業を余儀なくされたところもあります。かなり大規模な養鶏場も倒産していると聞きます。
10個パックで250円程度ですからこれで高いと言われたら可哀想な気がします。


小生はコレステロール値が高いので卵はあまり良くないと言う人もいますが、ご飯1杯と卵1個がほぼ同額なので少しでも消費して支えたいと思っています。
大急ぎの出がけに卵掛けご飯を食べて、5、60円で済むのです。
そして毎朝飲む習慣にしている牛乳。


年次推移を見る適当なデータが見つかりませんでしたが、近年値上がりしていることは確かのようです。
牛乳の流通と価格形成は単純のようでなかなか複雑。素人には理解するのが難しい。
価格は、乳業メーカーと酪農生産者団体の合意によって決められますが、生乳の需給状況や市場動向、乳業者や酪農家の経営状況など、さまざまな要因を総合的に勘案して決定されると言います。生乳だけでなく加工向けもあり、それらが各メーカーや各生産者団体の事情で異なるため複雑なのです。
1000mlの牛乳の2013年から2023年までの価格推移を見ると1.23倍に値上がりし、232円になっていました。現在もほぼ変わらないものと思われます。
スーパーの棚を見ると220円から300円の範囲にあるようです。


小生は毎朝200ccを飲む習慣にしているのでほぼ50円と言ったところでしょうか。
生産者の手取りは20円に達するかどうかと推測されます。
これが200ccパックになるとすこぶる効率が悪い。パッケージや流通コストが掛かり大部分を牛乳以外に支払っていることになります。
小生は昔は牛乳を飲む習慣はありませんでした。20年程前仕事上で知り合いになった酪農家の方に牛乳は水より安いという嘆きを聞きました。なるほど○○の水として売られている飲料水は天然の水をくみ上げるだけ、365日休みなく世話をして1杯10円では嘆き節も言いたくなります。
飼料は年々高くなり人件費も上がリます。多くの酪農家は苦境にあると察します。
小生も高年体質に向かう時期でもあったので、以来牛乳を飲むことにしたのです。それがささやかな応援にも繋がると考えました。20年続けていますが体調の維持に奏功しているように感じます。
「コメ、卵、牛乳」は最近高騰のやり玉に挙げられていますが、これで100円と言ったところ。実は長期間安価にして大きな恩恵を与えてきたと評価すべきと思いますが、どうでしょう。
因みに小生の朝食はこの3品に納豆、野菜、味噌汁と漬物が定番です。

コメ高値の本質

2025年02月11日 | 田んぼ

過日、日経新聞のトップにコメ民間輸入拡大の記事が載りました。しかも2万tと言うレベルは少々ショッキングなものでした。


それ以前にコメ高騰がなかなか収まらないと政府は備蓄米の放出に踏み切ることを発表しました。
昨秋、2024年産米が出荷されればコメ不足の現象は解消されると備蓄米の放出には否定的でしたが、さらに一段の高値になり、備蓄米の放出が明言された後も市場は反応しません。市場は隠れているものはそう簡単には出てこないと判断しているようです。
昨夏コメ不足の事態が生じた折り、小生もコメの供給と価格について投稿しています
小生も備蓄米が放出されなくとも何れ価格は落ち着くだろうと見ていました。そもそも備蓄米放出の手続きには時間が掛かるため速効性がなく、そうこうしているうちに新米が行き渡るだろうと推測しました。
但し、これには前提条件があります。政府が発表しているコメの需要量、2023年産米の在庫量と2024年産米の生産量(作況指数)が正確なことです。
しかし、その後の末端価格の推移は想像を遙かに超えるものでした。
コメ流通の体系は大まかに生産者ー集荷業者(JA・全農グループなど)ー卸業者ー小売業者ー消費者なので流通コスト即ち中間マージンが発生するため末端価格には生産者価格に相当額が加算されます。生産者ー消費者と中抜きが出来れば相当額が圧縮されるとも言えますが、遠方への出荷は少量では資材や輸送費が割高になるのでそう単純ではありません。現代はネットでの購入も出来るので事情に詳しい方も多いことでしょう。
代表的な流通形態であるJA・全農を通すいわゆる系統出荷の場合(我が家もそうですが)出来秋になると前渡金通称概算金が生産者に示されます。いわば手付金のようなものです。昨秋は異例の事態が発生しました。JA以外の集荷業者がJAの概算金より大幅に高い価格で生産者から買い付けたため新米が集まらずJA・全農はあわてて追加の概算金を提示する事態となりました。
もっとも概算金はあくまで前払金なので通年出荷した後追加で精算されます。そのため当初の概算金は低めに設定するのはやむを得ない面もあります。
日経新聞の記事によると12月時点の集荷団体と卸間の相対取引価格は玄米60㎏24,665円と前年同月比6割高で過去最高を記録したとあります。
農水省の発表によるとコメ不足を引き起こしたとされる2023年産米の作況指数は101、そして2024年産米も101で収穫量は18万t増加しているとしています。これらの数値からはコメ不足や価格高騰を引き起こす要素は考えにくい。
一方、一人当たり消費量は9ヶ月連続で前年同月を上回っており外国人客の増加などで流通するコメが不足し価格高騰に繋がっているとしています。
しかし、農水省の発表したデータへの疑問が捨てきれません。
ちなみに本県の2024年産の作況は107の良で過去最高。我が家では辛うじて平年並の範疇で豊作にはほど遠い。だからと言う訳ではないですが、実際の生産量とは解離がありはしないか
現時点では生産者が自家用以外に保有しているコメは僅かで殆どは流通過程にあるはずです。政府は生産量に対し集荷、卸が保有するコメは少なく、把握できないコメが相当数あるという見解です。つまり値上がりを目論む隠れた業者がいると言わんばかりです。
備蓄米を供給することでそれらが市場に吐き出され価格は下がるという見立てです。確かに投機的な価格になっていることは間違いなく今がピークと考えるのが相当でしょう。そこに新たに供給されるとすれば何らかの動きが見られそうなものですが今のところ反応はありません。
冒頭のコメ民間輸入はこれまで実質的に殆ど行われてきませんでした。それが今回実行されるオーダーが二桁違うのに驚かされました。これは殆ど忘れかけていた30年ほど前の貿易自由化交渉ガットウルグアイラウンド合意に基づくものの一つです。
合意に基づき政府はミニマムアクセス米を主食用として10万t輸入しています。ミニマムアクセス米とは合意の結果日本が海外から最低限輸入しなければならない米のことです。それを政府は民間に輸入差益を上乗せして売却するのですが、売れ残ることが多かった。それが2024年は初めて上限の㎏当たり292円上乗せで全量落札されるという事態に。
民間輸入はこれまで実質輸入不可能と思われるように設定されています。関税が㎏当たり341円ですから60㎏にすると関税だけで20,000円を超えます。ですから25,000円以下では完全な赤字になると思われます。精米段階なら10㎏5,000以下では採算が合わないので自信があるということなのでしょう。
今、スーパーなどではごく普通に6,000円を超えているので、このまま推移すれば輸入米も売れる可能性は十分あります。輸入米は実際には業務用向けでしょうからコストも低く抑えられます。
しかし、これはあくまで現状の需給が続くと言うことが前提なので、政府の示すデータが正確なら隠れている流通米がどこかの時点で吐き出され需給のバランスが崩れます。山高ければ谷深しの原則で急落するはずで、誰かがババを引くことになります。
そうならなければ政府のデータの何れかが正しくないと言うべきです。前述したように生産量(作況)、在庫量、需要量への疑問が捨てきれません。

僅か数年前、JAからの概算金が10,000円を割ったことがあります。2024年産米の半値です。
ある程度の規模の生産者にはそれなりのセーフティネットがあるものの我が家のような零細な生産者は正に赤字覚悟、モチベーションは落ちるところまで落ちたと言っていいでしょう。僅かに環境保全と自己生産への拘りが支えになっているというものです。
末端の食堂などではご飯のおかわり自由、大盛り加算なし、果てはラーメン注文でご飯無料までありました。確かにご飯一杯20円くらいならサービスした方が売上増に繋がります。
これはコメ生産者にとっては屈辱以外の何物でもない。
今日の末端価格は確かに異常ですが、誰も長かった安値の時代を語りません。それが当たり前と思っているので当然です。今日では田舎でさえも生産を知る人間は少なく消費者の方が多いからです。
食管制度で米価が決められた時代と違い完全な自由価格になった現在は、コメも投機の対象になり得ます。政府が指摘するように隠れた流通の担い手の存在が価格高騰を招いているとすれば正に投機の対象になっていると言うことでしょう。
生産者は異常な高値など望んでいないのです。しかし、これまでのような異常な安値ももちろん望みません。しかし、多勢に無勢で消費者は安ければ安いほど良いと考えるのが一般的。

50年前、我々の一世代前、大正後半から昭和一桁生まれの世代が主たる担い手だった時代、食管制度の下60㎏20,000円が普通でした。生産者も農村人口も遙かに多く、都会にも農村出身者が多かった。従って選挙になれば集票力があり、コメの価格形成にも影響を及ぼしました。
次世代が我々昭和20年代生まれですが、食管制度から新しい食糧法に移行して様変わり。流通も価格も完全に自由化されました。農村部にも他産業従事者が多くなり、まして都会では農村出身者の陰は甚だ薄くなりました。従って圧倒的に消費者の視点が強くなり、選挙でも集票力は低下しコメの価格へ影響することもなくなりました。
それでも、少数ながらコメの大規模生産者が成立し、我々のような零細な生産者も細々ながら担い手として存在してきました。それは前世代からの意思を受け継ぐ意識があったため採算性が悪くても我慢強く続けてきたわけです。しかし、その担い手の多くが70代になり、次第に人的な生産力が低下していると見るべきです。それが顕在化してきたのが事の本質ではないかと考えています。温暖化や気象災害などの現象だけに目が行っていますが、こちらの方が本丸です。
2023年、2024年の作況指数がともに101ならこのような事態が生ずるとは思えないのです。実態は作況指数のようになっていない可能性がやはり捨てきれません。根拠は薄弱ながら長年の経験から来るカンというやつです。
人的に多い我々の世代は交代期に入っています。あと数年、長くて10年。今後は大規模生産者主体の生産構造に移行するのがメインシナリオですが、それぞれ地域の条件が違いスムーズに移行できるかは不透明です。この度の価格高騰がターニングポイントになりそうです。
政府の数値が正しくこの後理論通りに価格が急落すれば間もなくやってくる世代交代も頓挫するかもしれません。逆に高い価格が続き、コメの民間輸入も好採算となれば他企業からの参入も想定されます。しかし、これらは安くなればすぐ撤退するので価格の乱高下は大きくなるでしょう。
一番は圧倒的多数の消費者の意識と行動です。安ければ安いほどよいのか、生産コストに見合う価格での安定を望むのか、多少の乱高下はかまわないのか。
昨日のニュースで直近の消費調査の結果では価格は下がっておらず前年10㎏3,500円が今年約80%高になっていると報じていました。6,300円くらいでしょうか。売り上げは落ちていないとしています。


今週中に政府は備蓄米の売り渡しの内容について集荷業者に提示し、入札を行うとしています。備蓄米の存在がこれほど注目されるのは初めてでしょう。その存在さえも知らなかった国民も多かったと思います。最初の入札は想定以上の高値が予想されますが果たしてどうでしょう。


長期保存中のタマネギとジャガイモの様子と管理

2025年02月10日 | 畑:土物類

現在、長期保存しているのはタマネギとジャガイモです。
同じく土物類のサトイモは大不作で年明け早々にはなくなりました。
これがタマネギ。


品種は中晩生種「ネオアース」。
例年のこの時期よりは若干少なくなっているようです。


「ネオアース」に出会って以来、この一品種に絞っており作柄良好の年が続いています。
とにかく大玉で品質良好にして貯蔵性が抜群。
長期保存で大事なことは、一にも二にもしっかり乾燥させることです。
その後はコンテナに入れ中に取り込み長期保存しますが、あまり重ねないようにしています。
今は少なくなったのでコンテナを集約しました。それでも無理に重ねてはいません。


乾燥不十分のまま沢山詰め込んで貯蔵するのが最も悪い。
腐敗したものを放置すると増えていくので取り出す際にはよく観察する必要があります。
これまで貯蔵中の腐敗は全くありません。
大玉は貯蔵性が劣ると言われますが、気にせず食しています。
大玉でもこれまで特に問題になったことはありません。要は乾燥なのだろうと思います。
しかし、500g級の特大玉は早めに消費しています。助っ人は駄目になるともったいないからと言う単純な理由。
結果的に今残っているのは多くが中玉です。


この時期になると、外皮が自然に剥け、綺麗なきつね色になっています。


但し、今年は1月中から萌芽するものが少し目立ちます。
今は2個だけが見えていますが、その様なものは極力早めに消費しているからです。


注意して見ていれば、そのまま放置せず僅かに芽が出たくらいで利用できます。この程度までならあまり実害なく使えます。
大寒になって逆に気温が上がったことなどの影響もあるのか。
個体差があるのは当然ながらこれまでの「ネオアース」から見ると若干多いのは気になるところです。
少し取り出してみると、外皮が自然に剥け綺麗な狐色になってきました。


昨年から春の端境期のため早生品種を少し植えています。しかし、貯蔵用は「ネオアース」一本です。
こちらはジャガイモ。覆いをしています。


近年不作続きでしたが、昨年は畑を変えマルチ栽培したジャガイモはまずまずの出来でした。
しっかりと乾燥させ、日の当たらない涼しい場所に保管しています。


品種は「男爵」。
昨年、初めて「とうや」を少し試しましたが、悪くないようです。
今残っているのは全て「男爵」。
例年に比べても大分少なくなり、小さいものが多くなってきました。


これまで腐敗は全くありませんが、萌芽を避けることは不可能です。
早ければ年内から伸び出すので放置すると芽が長く伸びたちまち芋は劣化します。
芽が出始めたらごく小さいうちに搔くようにします。
取り出す際に、まめに芽掻きをする以外に手立てはありません。


小さな芽は見えていますが、劣化せず十分に利用できる状態が維持できています。


以前は自種も取っていたので管理が少々面倒でしたが、今は全てを芽掻きし、なくなるまで消費します。


水墨画「戸隠」

2025年02月09日 | 水墨画:風景他
画仙紙 半切1/3   
 

数年前まで年一、二度、数日以内のささやかな国内旅行をしていました。
格好付けて言えば水墨画の画題を求める旅と言ったところですが、コロナ禍以来休止状態です。
しかし、何年何月どこに行ったかというのは写真の記録を見ない限り正確には全く記憶していません。
唯一分かるのが2019年10月に信州から甲州を旅したことです。
なぜ分かるかと言えば出かける直前に台風19号で大きな被害を被ったからです。
人身や家屋は無事でしたが、農地関連が方々痛めつけられました。
旅行をキャンセルする選択肢もありましたが、強引に決行しました。投げやりな気分もあったかもしれません。
これが稲の取り入れ前なら迷うことなく中止していたでしょう。
北陸自動車道から上信越自動車道を南下するルートで最初の訪問地が戸隠でした。
戸隠は初めてで以前から一度訪れたいと思っていました。一番の目的は戸隠神社の杉並木です。
到着は少し遅くなり、時折小雨が降る寒い日でした。
随神門から奥社へと向かう杉の巨木数100mの並木は圧倒的。戸隠の神気が漂います。
あいにくの天候で薄暗くなり奥社にたどり着く前に残念ながら引き返しましたが、満足できました。
画のモチーフは随神門をバックに並ぶ杉並木。大きな木は刷毛を用いて描いています。
信州はモチーフになるところが多く何度か訪れており、いくつか作品にもしています。
これは墨画会への出品作で「上高地」。再掲してみます。