レンジファインダー機から一眼レフが写真界の主流になってきました。
一眼レフの特色は望遠系のレンズが使いやすいことです。
超望遠でも,反射望遠レンズでも,ファインダーで覗いたとおりに写ります。
パララックス(視差)はありません。
ライカ,コンタックスなど、レンジファインダー式カメラは,
超望遠レンズとカメラボディの間にビゾフレックスという,
ミラーボックスを挿入して大変でした。
一眼レフの露出は,TTL(Through The Lens=スルー・ザ・レンズ)で、
撮影に使う望遠レンズを通ってきた光を測るのですから,間違いはありません。
… … …
TTL方式も最初はいろいろ大変だったとメーカーの苦心談を読みました。
カメラの構造上,ワイド系には少し弱かったです。
そのうち、アンジェニューが開発したレトロフォーカス・タイプの
レンズが出てきます。
超ワイドレンズが生まれます。
これで、超望遠から超ワイドまで一眼レフ用レンズが揃います。
新しいレンズを作るには,レンズの名人が閃きでレンズ構成を考えます。
大学の数物科卒の秀才連が,大勢,計算尺と数表を片手に
教室のような広い部屋でレンズ構成の光路 計算している写真を
見たことがあります。
… … …
昔,時間がかかった手計算も,今は,コンピューターで昼も夜も,
猛スピードで計算しますから,OKかNGかが短い時間で出るのでしょう。
コンピューターで理論的なNGが出れば,レンズの名人は考え直して、
また,コンピューターに計算させて,新しいレンズが生まれるのでしょう。
コンピューター計算の試行錯誤で,ズームレンズが出てきました。
… … …
ズームレンズの最初は、家庭用8㍉映画カメラでした。
次に,あまり画面のピントにうるさくない白黒テレビカメラ用に
ズームレンズ(七倍)が出てきました。
… … …
カラー放送になって輸入されたフィリップスのカラーテレビカメラは
イギリスのテーラーホブソン社のズームレンズが付いていました。
カラー放送になって単レンズのターレット盤のカメラは完全になくなりました。
… … …
テレビの野球中継で,広いダイヤモンドの画面から,
ファインプレーの外野手にズームインしていく画面は,
テレビならではの効果です。
… … …
次に,劇場映画にズームレンズが入ってきました。
ドイツから輸入された巧妙なミラーシャッターで動く,
アリフレックスがあります。
アリフレックス用にフランスのアンジェニューの高倍率のズームレンズが
出ました。
アリフレックスは擬似的な一眼レフです。
ズームレンズはカメラが一眼レフ式でなくては使えません。
… … …
写真の一眼レフカメラにも,ズームレンズは作られていました。
保守的なカメラマンは、
「ピントの甘いズームレンズなんて…」
と相手にしていませんでした。