オスカーバルナックがどうしてライカを作ったのでしょう。
写真好きで体力に自信のなかったオスカーバルナックが
大げさな木製カメラを諦めて
小型カメラを考案したとか、
不安定だった映画フィルムの露出を研究する目的で作った。
とか言われていますが…。
大きなサイズの印画(プリント)を得ようとすれば,
大きなカメラで大きな乾板を使って密着プリントするのが普通でした。
この35㍉のネガフィルムから大型印画(プリント)を得るには,
引き伸ばしを前提にしなければなりません。
35㍉ネガフィルムは小さいので画面をトリミングして
大伸ばしすることは出来ません。
人物大きくとらえるには、レンズの焦点距離の大きい望遠レンズと
交換しなければなりません。
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色んなレンズとカメラを組み合わせて使うには,
ボディもレンズ側も精密に製作しなくてはなりません。
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引き伸ばしを前提としたカメラですからライカから引き伸ばし機が発売された。
フォコマートです。レンズはフォコターF4,5が用意された。
引き伸ばし機のレンズマウントがライカマウントになっていました。
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引き伸ばし機にライカの撮影用レンズをつけられるように
製作したのでしょうか。
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その後,作られるいろいろな引き伸ばし機のレンズマウントは
すべてライカマウントになっています。
私の最初に使っていた引き伸ばし機はこの、
フォコマートによく似た藤本ラッキー製の「ラッキー・ジュニア」でしたが、
レンズマウントはライカマウントになっていました。
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持っていた「ライカ・エルマー50㍉、F3、5」を
つけて引き伸ばしをやってみましたが,
コントラストの付いた綺麗なプリントが出来ました。
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引き伸ばしの後、レンズ(エルマー)を手に持ってみると,
少し温かくなっていました。
もし、レンズのバルサムに悪影響が出ては、と以後,使いませんでした。
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カメラ雑誌で、いくら撮影レンズを優秀にしても,
プリント仕上げの際の引き伸ばし機の投射レンズを
いい加減なものでは何にもならない。と言い始めました。
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日本光学から売り出された高価なEニッコール50㍉、F2、8を求めました。
引き伸ばし機のイーゼルにネガを投影すると
コントラストの高い,鮮明な映像にびっくりしました。
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それ以後,引き伸ばし機のレンズがいかに大事かよく分かりました。