ABCホールで公開テレビ番組の
リハーサルが終わる昼前のひととき
決まって、牛乳瓶(ぎゅうにゅうビン)を
ずた袋に入れてカタカタいわせながら
客席にやって来る
牛乳屋のおじさんがいました
当時の牛乳は180CCか200CCを
分厚い透明のガラス瓶に入っていました
客席で一服しているスタッフやタレントさんが
目当てです。牛乳を売りさばいて世間話をして
帰って行きます
銭湯で風呂上がりに飲むコーヒー牛乳も
通勤電車の駅売店のフルーツ牛乳も
全部牛乳瓶でした。
テレビ局の3階はズラリ机の並んだ
編成局でした。そこの局員を目当てに
パーカー、シェーファー万年筆や
輸入雑貨を売りにくるおじさんがいました
当時はラジオ局もテレビ局もABCホールも
一寸会釈すれば誰でもフリーパスでした
いまから思えばのんびりした世の中でした