
私たち家族を撮影した
満州人カメラマンは
カメラの後についている
箱を覗きながらなにやら
ごそごそやっていました
… … …
そして1枚の印画紙を
箱から取り出しました
なんとその印画紙には
いま撮影した私たち家族が
陰画(ネガ=白黒反転)で写っていました
新京(満洲)の記念写真屋さんは
フィルムを使わずに印画紙で
撮影していたのです
… … …
私たち家族を写して
現像・定着などの処理をした
ネガ印画紙(陰画=白黒反転)は
まだ濡れています。
カメラのレンズ前に板が出てきて
その板に濡れているネガの印画紙を
貼り付けて、またカメラで撮影(複写)します。
再び、満州人のカメラマンは箱を
覗き込んでゴソゴソやっています
やがてその箱から出てきたのは
私たち家族を写した陽画(ポジ像)の
印画紙が出てきました…
満州人のカメラマンは側の
池に印画紙を浸けてジャブジャブ
簡単に洗って新聞紙に挟んで
「お待ちどうさま」とまだ濡れている
印画紙を渡してくれました。
… … …
普通、写真はフィルムで撮影して
印画紙に焼き付けるのですが、
それを印画紙を使って処理すれば
撮影現場ですべて終わるので
送り先を聞いたりしなくて
現場ですべて完了です
… … …
このアイデアは
誰が考えたのでしょう
