【あたりまえ経営のすすめ】第六章 論理思考法603 仕事ができる人は「具象化と抽象化」で発想の瞬発力を活かす
「筋の通った人生を送るためのリスキリング」
この度、日本人の多くが不得意としている論理思考力体得のための書籍「ロジカル・シンキングがよくわかる本」を、新規書籍に匹敵するくらい大幅改訂をして上梓することになりました。
ロジカル・シンキングを身に付けて、筋の通った思考をし、説得力ある表現力を身に付け、一歩上の人生を歩んでいただくことを祈念します。
■【あたりまえ経営のすすめ】第六章 論理思考法603 仕事ができる人は「具象化と抽象化」で発想の瞬発力を活かす
「ロジカル・シンキング」というと難しく感じるかもしれませんが、ビジネスパーソンの皆さんは、すでに何らかのかたちでロジカル・シンキングを使っているはずです。それを更に深めて行くには、自己流では限界があります。
■6-603 仕事ができる人は「具象化と抽象化」で発想の瞬発力を活かす
経営コンサルタントという仕事を長年やってきています。この仕事をするのに論理思考は不可欠です。ところが、私は、「理屈で思考する」というよりは「情が先立つ」という環境で育ってきました。
ビジネスパーソンになる前から、論理思考を鍛えることに努力を傾けてきました。不充分ながら、それなりの成果を上げ、経営コンサルタントという業務を半世紀も続けて来られました。
その体験を積み上げて構築したのが「ロジカルシンキング」です。自慢話をしたいわけではありませんが、1990年代からロジカルシンキング研修の依頼が来るようになり、ロジカルシンキングをブラッシュアップしながら、クリティカル・シンキング等々、論理思考関連の書籍を出版するようになりました。海外の出版社からも翻訳本出版の依頼が来るまでになりました。
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論理思考で私が心がけたのが「一言集約」です。これは、私が経営コンサルタントを始める契機となりましたコンサルティング・ファームで、その言葉を知ったことが始まりです。
いろいろと検討した結果を、短文に集約しますと、検討してきた結果のエッセンスが、そこに滲み出てきます。これを繰り返すことが、論理思考養成の一助にもなっていたようです。受験時代に、国語力養成の一環で「要約」ということの重要性を学んでいましたが、一言集約をするようになって、ようやく、その重要性を認識できたといえます。
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「一言集約」ということは、収束思考であり、「抽象化」でもあります。ロジカルシンキング的に言いますとピラミッド・ストラクチャーを利用した発想法です。すなわち、クリティカル・シンキング的な伝統的な思考法でいえば、「帰納法」の応用なのです。
すなわち「一言集約」という「抽象化」の行為は、種々の事象から、共通性や法則性を見いだすことです。そして、その共通のなかに潜む「本質」をあぶり出すことです。上述のように、思考法としては、帰納法であり、思考用具(ツール)としては、ピラミッド・ストラクチャーがその代表的なものといえます。
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それに対して、抽象的なことから、具体的な内容に展開する時の思考が「発散思考」です。
発散思考を効率的に進めるのが、ロジカルシンキングでは、「ロジックツリー」がその代表的なものです。マインドマップや思考曼荼羅など、いろいろな思考用具(ツール)がありますが、いずれも命題を起点に思考を展開してゆきます。
ロジカルシンキングでいいますと、この思考展開の時に、具体的な方法論を追求するには「Howツリー」を用います。原因や理由を追及するには、「Whyツリー」、何をすべきかを見いだしたいときには「Whatツリー」です。
これらの思考用具(ツール)を用いることにより、トップボックスにある抽象的な命題から、それを階層的に具体策を見いだしていくわけです。「具象化」というのは、抽象化によって得られた共通性や法則性をもとに、具体的に思考して果実を生み出すのに効果的です。果実としては、方法論であったり、解決策であったりしますが、最終的には成果に結び付けていくことです。
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この時に、ロジックツリーなどを用いますと、発想が拡散してしまうという欠点があります。ここでも、最後には収束思考を「一言集約」という「抽象化」も必要となります。
すなわち、どちらか一方が欠けていても充分な成果に結び付けることは困難です。
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このように考えてゆきますと、「論理思考は、大変で、時間がかかる」と考えられがちです。ゴルフの上達などスポーツ全般でいえることは、トレーニングが必要なことです。論理思考もトレーニングが必要で、論理思考は、思考手段であるとともに思考訓練法でもあるのです。
実務に「具象化・抽象化」やロジカルシンキング等を使うことはトレーニングであり、論理思考力を体得できる手段でもあります。「具象化・抽象化」することで、短時間に、内容の濃い、効果的な結論を出せるようになるのです。「具象化・抽象化」というのは、論理思考の一環ですが、論理思考を体得するための方法論でもあるのですね。
具象化と抽象化のやりとりが早くできることが思考の瞬発力を高めることに繋がると確信しています。
■自己変革体験をベースにしたロジカル・シンキング書
ビジネスに役立つ論理的思考法「ロジカル・シンキング」が図解でよくわかる入門書です。2006年に本書初版を出版してから3回の大きな改訂を含む改訂を繰り返してきたロングセラー・ビジネス書の紹介です。
これまでは、本書出版の経緯と、類似他書外床が異なるかについてお話してきました。
ここからは「論理思考の必要性が高まっている」についてお話してまいります。
■ 本書執筆の契機
筆者は、必ずしも論理思考力を駆使して、商社マン10年、経営コンサルタント約半世紀を過ごしてきたわけではありません。むしろ、論理思考の必要性を痛感してきました。
そのために、業務を通して必死に論理思考力を身に付ける努力をしました。努力をしたといいますよりは、努力をせざるを得なかったのです。
その過程で、ロジカル・シンキングやクリティカル・シンキングが、論理思考を業務に活かせることを発見しただけではなく、ロジカル・シンキングそのものが論理思考力を身に付けるための強化ツールであることも発見しました。
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■ 他書とどこが異なるか
論理思考に関する書籍はコーナーがひとつできるほど、いろいろな書籍が出ています。ロジカル・シンキングは、その中でも比重が非常に高く、従って既刊書の数も他の分類よりも多くなっています。
はじめに
https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/692dfe619907f019f9a684c1add0698f
本書は、大きく、次の5つの点で他書と異なっているといえます。
①論理思考を不得意としている者が執筆している
https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/a2aa5c16f1b08723ddf21c8a752259fe
②講演・執筆実績から内容が進化し続けている
https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/acb4602f301f23a95cbbe7e6ded381d0
③筆者自身の思考力養成体験から執筆している
https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/5050541b16a5cae084f732d87fc44b5e
④ハウツー本+トレーニングブックという性格を持っている
https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/dc36796bde9414e31b8fc27090b6fb57
⑤ロジカル・シンキングだけではなくコミュニケーション力も重視
https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/e6d3d4bb4f9f347885f339deef1111bc
■ 本書の内容
本書の目次は、下記のようになっています。
第1章 ロジカル・シンキングの基本と本質
第2章 ロジカル・シンキングの思考手法
第3章 ロジカル・シンキングで活用する便利なツール
第4章 ちょっと高度なツールでロジカル・シンキングに挑戦
第5章 ロジカル・シンキングによるニーズ把握
第6章 ロジカル・コミュニケーションで理解を得る
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本書第1章から2章までは、論理思考力を高めるために、ロジカル・シンキングに不可欠な基本的知識を応用力として活かすには、なにが基本で、どの様な思考手法を「体得」したら良いのかという観点を重視しました。
第3章では、ロジカル・シンキングを行う場合に必要なツールについて、どのようなツールがあり、それをどのように使ったらより効果を上げられるのか、利用面からの分類と特質を詳説しています。
第4章以降は、ロジカル・シンキングを実務にどの様に活かすか、とりわけコミュニケーションを効果的に進めるには、ロジカル・シンキングを通した論理思考をいかに活かすかという視点で改訂しました。
本書は、単なる読み物として、あるいは参考書としてのロジカル・シンキングではなく、実務に使いながら、論理思考力を高められるように、「思考しながら体得する」をキーワードにして追補し、改訂しました。
■ 詳細情報・ご注文
書店でご注文して下さると幸いです。
アマゾンでも購入できますので、こちらからのご注文でも結構です。