けい先生のつぼにくる話

はりきゅう漢方の先生が教えてくれる健康に関する話
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東洋的な観方

2008-06-03 04:09:27 | 東洋医学全般
今日は非科学的なお話をしましょうか。。というより、東洋的科学といいたいものです。

患者さんがいらっしゃると、私たちはまず患者さんの全体を観ます、「見る」のではなくて「観る」のです。そして丁寧に問診をして、それから脈診、腹診、舌診を行います。

特に脈診をしているときなどに、この患者さんは本当に治りたいのか、実はそうではなくて別のところに悩みがあるのかも知れない。などどいうことまで毎回正確に気づくことができれば達人の域です。しかし、私のような凡庸なものでも、明らかに患者さんの主訴と潜在意識の領域では違うことを考えているとわかる場合もあるのです。

患者さんご自身も気がついていない、むしろ潜在意識的な領域にまで医療の手を伸ばすのが東洋医学の特徴でもあります。
日本では私たちが治療に使う経絡やツボ自体が、ある意味では人間の潜在意識の領域にあるのではないかと考えられています。私も大いに共感しております。

人の体と精神を「氣」の存在として認識して、天と地とに生かされていると考え、それを医療に活かすために、私たちは易経を中心とする東洋哲学を学びます。これは決して占いを活用するためではなく、観える事象から見えない氣の変化を読み取るための訓練であります。

こうして人体の氣の流れのバランスが整うことにより、肉体的な病気や精神的な病気が治ってゆきます。病気が治ってゆくというより、病気の居心地が悪い体と精神になることを第一の目標とすることが、東洋医学の大きな特徴です。西洋医学的な病名治療と異なるゆえんであります。

極論すれば、患者さんの病名を忘れていても、あるいは何の病気のない方でも鍼灸漢方医学の施術でバランスの取れた健康体になることができるのです。

でも私に教えている東洋医学校のクラスでも、私がここまで話してから、いきなり手を挙げて「ヘイ!先生、ところで胃潰瘍のツボはどこだい?」と質問をする学生さんがいます。

私の話を聞いていたのだろうか。。。。。。。たのむよ。。。


日本伝統鍼灸漢方
コメント (2)
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