ごっとさんのブログ

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アトピーを妊娠中に予防

2018-12-07 10:28:10 | 健康・医療
妊娠中に「予防接種」を受けることで赤ちゃんがアレルギー体質にならないようにする仕組みを、国立成育医療研究センターなどの研究チームがマウスの実験で見つけたと発表しました。

花粉症や食物アレルギー、ぜんそく、アトピー性皮膚炎などを防げる可能性があり、今後ヒトでの効果を確かめて数年以内の実用化を目指すとしています。

アレルギー体質になるかどうかは、生後3か月までに免疫グロブリンE(IgE)と呼ばれる物質をたくさん作る体質になるかどうかで決まります。IgEが花粉や食物、ダニなどと反応し、花粉症や食物アレルギー、ぜんそくを発症します。

研究チームは、胎児や乳児期のみに現れる「mIgE陽性B細胞」に注目しました。この細胞の表面にあるIgEに、花粉や食べ物などの原因物質(アレルゲン)が結びつくと、IgEを大量に作り始めます。

一方このIgEに特殊な薬を結合させると、細胞を自殺させるスイッチが入り、生涯にわたってIgEが作られなくなるようです。妊娠中の母親マウスにこの薬を注射すると、胎児マウスの体内ではほとんどIgEが増えてこないことを実験で確かめました。

母体からへその緒を通じて赤ちゃんマウスに送られ、mIgE陽性B細胞が死滅した可能性が高いとみています。効果はマウスが生まれた後大人になっても続き、アレルギー体質にはなりませんでした。また悪影響がないことも確認しています。

日本人の2人に1人が何らかのアレルギー疾患を抱えており、これまでの治療の多くは対症療法でした。この技術をヒトに使えれば、将来にわたってアレルギーのリスクを下げることができます。

この薬はすでにアレルギー患者の症状を和らげるために使われているようです。IgEは日本人研究者が1966年に発見し、アレルギー検査などに広く使われています。今回の研究はこの発見者が着想し、国立成育医療研究センターを中心に進めてきたものです。

今後アレルギー体質の妊婦らに協力してもらい効果を検証する予定です。これは素晴らしい研究結果ではあるのですが、どうも私は何らかの影響が出そうな気がします。

IgEは確かに通常は非常に少なく、炎症を起こすと増加してくるものですが、悪い作用だけをしているとは考えにくいような気がします。

胎児の段階でIgEを作らなくしてしまうという手法は、何らかの役割をしている抗体が無くなるということですので、その影響をいつまで観察すればよいかも難しいところです。研究チームは、ヒトでの安全性を確認し、数年以内に臨床での実用化につなげたいとしています。