ごっとさんのブログ

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シンギュラリティは到来するのか

2018-12-17 10:36:33 | 時事
最近書店やニュースなどで「シンギュラリティ」という言葉を時折目にするようになりました。

ここ数年で「AI(人工知能)」が急速に進化したことにより、AIが人間の知能を超える日、つまりシンギュラリティの到来が近いとの意見が出るようになっています。

シンギュラリティは、もともと数学や物理学の世界で使われる「特異点」を意味する言葉でしたが、最近では「技術的特異点」として、AIが独自に進化する時点というような意味で使われています。

現在のシンギュラリティブームの火付け役と言えるのが、AIの世界的権威であるカーツワイル博士が2005年に発表した著作中で、近い未来である2045年にシンギュラリティが到達すると予測したことで大きな話題を呼びました。

この中でAIが人類の脳を超えることで、AI自身がより優れたAIを生み出せるようになり、2045年以後人類は何かを新たに発明する必要がなくなるし、AIが出す答えや生み出すものを予測することができなくなるとしています。

こうした社会変革や問題を総称して「2045年問題」と呼ぶこともあるようです。この2045年という数字の背景にあるのは、「収穫加速の法則」と呼ばれるもので、技術の進歩においては、直線的に向上していくのではなく、指数関数的に進歩していくという経験則に基づいた法則です。

また日本でもスパコン開発やAI研究者が、ここ数年で次世代のスーパーコンピュータが完成し、これによってシンギュラリティの前段階を起こすことができると提唱しています。

スパコンの完成が人間の衣食住やエネルギーのシステムに大きな変革をもたらし、予測不可能なシンギュラリティを迎えるための社会的な準備をする段階に入ることができます。

現在カーツワイル博士はAI研究の指揮を執り、人間の脳全体の詳細な分析を行い、コンピュータ上で再現するための研究に取り組んでいます。人間の脳を超えるAIを作るには、当然先に人間の知識や意識を再現できるAIを完成させる必要があるためです。

しかし私はこれは無理なことだと考えています。人工知能の進歩と言っていますが、現実は人工知能技術の進歩であり、AI自身は単に計算が早くなっているだけで、何かを「理解する」ことができないといえます。

このあたりは読んだ本の受け売りですが、脳の機能をAIで再現するということは、意識を数式で表すという必要がありますので、理論的にほぼ不可能な気がします。この本についてはブログにも書きたいのですが、なかなか私の中で整理ができず文章になりそうにありません。

とにかく私としてはAIが人間を超えることはあり得ず、当然シンギュラリティなどは到来することはないと考えています。