現在は既存薬については薬効の詳しいメカニズムだけではなく、若干の副作用などについても詳しい解析が行われています。
こうして蓄積された医療ビックデータを人工知能(AI)で解析し、既存薬が全く別な病気に効くかどうかを予測する「AI創薬」システムを、九州工業大学のグループが開発しました。
病気ごとに違うタンパク質の異常に着目し、AIで類似パターンを探しあて、薬が代用できるかを照合します。従来とは違う新たな薬開発の手法として、すでに大学病院や製薬会社と具体的な研究に乗り出しており、グループは「難病や希少疾病の治療薬の開発につなげたい」と話しています。
ガンや糖尿病、アルツハイマー病などの多くの病気は、体内にある特定のタンパク質や遺伝子が異常を起こすことで発症します。治療薬は、たんぱく質に結合して異常を抑えることで症状を軽減します。
一方どの薬がどのタンパク質に作用するのか全容の把握は難しく、未知の効能を持つ薬もあると考えられています。
AI創薬の仕組みは、約1300の病気で現れるタンパク質の異常や、約8000個の薬の成分といった膨大なビッグデータを解析します。異なる病気でも、タンパク質の異常が似る病気を関連付けて薬の互換性を予測します。
薬を細胞に投与した際の約2万パターンの遺伝子変化や、服用後の身体の変化もAIに反映させます。これまでに、抗精神病薬「フェノチアジン」が前立腺ガンに有効である、統合失調症の治療薬「ベンフルリドール」が抗がん作用を持つ、腹痛に効く漢方薬「大建中湯」が炎症性大腸ガンに有効、などと予測しています。
薬の開発は一般的に、10年以上の期間や数百億円から数千億円の費用が掛かります。途中で重い副作用が判明したり、大量生産が難しかったりすれば、実用化に至らないケースもあります。
研究グループは既存薬や過去の開発に失敗した医薬品の成分を別の病気の治療に再利用する「ドラッグ・リポジショニング(DR)」の手法を取り入れました。
従来は偶然の発見に頼りがちであったDRを、AIの能力によって飛躍的に効率化させました。これでAI創薬は開発の低コスト化、迅速化につながります。AIのディープラーニング(深層学習)で予測の精度を上げ、5年以内の創薬開発を目指すとしています。
こういった既存薬の応用は昔から試されていましたが、若干難しいところがあります。当然のことながらもともとの薬効は残りますので、他の病気に使ったときには副作用として出てしまうわけです。
このあたりをどう処理するか、課題は多いのですが、新薬開発の迅速化には面白い手法だといえそうな気もします。
こうして蓄積された医療ビックデータを人工知能(AI)で解析し、既存薬が全く別な病気に効くかどうかを予測する「AI創薬」システムを、九州工業大学のグループが開発しました。
病気ごとに違うタンパク質の異常に着目し、AIで類似パターンを探しあて、薬が代用できるかを照合します。従来とは違う新たな薬開発の手法として、すでに大学病院や製薬会社と具体的な研究に乗り出しており、グループは「難病や希少疾病の治療薬の開発につなげたい」と話しています。
ガンや糖尿病、アルツハイマー病などの多くの病気は、体内にある特定のタンパク質や遺伝子が異常を起こすことで発症します。治療薬は、たんぱく質に結合して異常を抑えることで症状を軽減します。
一方どの薬がどのタンパク質に作用するのか全容の把握は難しく、未知の効能を持つ薬もあると考えられています。
AI創薬の仕組みは、約1300の病気で現れるタンパク質の異常や、約8000個の薬の成分といった膨大なビッグデータを解析します。異なる病気でも、タンパク質の異常が似る病気を関連付けて薬の互換性を予測します。
薬を細胞に投与した際の約2万パターンの遺伝子変化や、服用後の身体の変化もAIに反映させます。これまでに、抗精神病薬「フェノチアジン」が前立腺ガンに有効である、統合失調症の治療薬「ベンフルリドール」が抗がん作用を持つ、腹痛に効く漢方薬「大建中湯」が炎症性大腸ガンに有効、などと予測しています。
薬の開発は一般的に、10年以上の期間や数百億円から数千億円の費用が掛かります。途中で重い副作用が判明したり、大量生産が難しかったりすれば、実用化に至らないケースもあります。
研究グループは既存薬や過去の開発に失敗した医薬品の成分を別の病気の治療に再利用する「ドラッグ・リポジショニング(DR)」の手法を取り入れました。
従来は偶然の発見に頼りがちであったDRを、AIの能力によって飛躍的に効率化させました。これでAI創薬は開発の低コスト化、迅速化につながります。AIのディープラーニング(深層学習)で予測の精度を上げ、5年以内の創薬開発を目指すとしています。
こういった既存薬の応用は昔から試されていましたが、若干難しいところがあります。当然のことながらもともとの薬効は残りますので、他の病気に使ったときには副作用として出てしまうわけです。
このあたりをどう処理するか、課題は多いのですが、新薬開発の迅速化には面白い手法だといえそうな気もします。