さすがにインフルエンザもピークを越えたようですが、今年も猛威を振るい患者数も220万人を超えたという報道がありました。
インフルエンザに感染すると38℃以上の高熱が出て、人によっては40℃を超えることもあるようです。この発熱の仕組みについて書いてみます。
人の身体にウイルスが侵入すると、白血球などの免疫細胞が異物であるウイルスを取り囲んで戦いが始まります。すると体内で様々な物質が作られ、そのうちの1つが脳内の体温調節中枢に働きかけます。
そして体温中枢が発熱シグナルを全身の体温調節機関に送り、発熱を促進したり放熱を抑えたりします。具体的には、皮膚の下や内臓の周りにある発熱機能を持つ細胞(褐色脂肪細胞)の発熱が促進され、全身の骨格筋を震わせて熱を作ります。
悪寒を感じて体がガタガタ震えるのがその発熱です。一方で血管を収縮させて体表を流れる血流量を減少させたり、汗腺を閉じることで放熱を抑えます。高熱は体内の免疫機構とウイルスが激しく戦っている証拠といえるようです。
この様に風邪やインフルエンザで発熱する理由は、ウイルスと戦うには体温を上昇させた方が有利だからと考えられています。インフルエンザウイルスは低温の方が増殖しやすいことが知られていますが、体温を上げることで増殖が抑制されます。
またウイルスと戦う白血球やマクロファージは体温が上昇すると働きが活発になり、免疫機能が高まります。
高熱で意識障害を起こすようなら解熱剤で体温を下げる必要がありますが、意識がしっかりしているなら高熱でも解熱剤を使うべきではないと考えられています。解熱剤を使わなくても、免疫活性食細胞がウイルスを封じ込めると熱は自然に下がっていきます。
熱は健康状態を測るバロメーターの役割も果たしてているようです。以前は発熱はウイルスが熱中枢を刺激することによって起きるとされていましたが、現在は以上のように免疫機能を活性化するために自分自身で引き起こすという見方が多くなっているようです。
ただし今回の流行でも一時問題となったように、感染してもほとんど発熱しない「隠れインフルエンザ」なども出ているようです。こうした症状があまりはっきりしない感染者が、感染を拡大したという面があるようです。
こういった隠れインフルエンザの場合はなぜ発熱しないのかといったことを含め、発熱の問題はそれほど単純ではないようです。また時代によって解釈が変わってくるかもしれませんが、現在は少々の発熱であれば、解熱剤などを使わない方が良いということは確かなようです。
インフルエンザに感染すると38℃以上の高熱が出て、人によっては40℃を超えることもあるようです。この発熱の仕組みについて書いてみます。
人の身体にウイルスが侵入すると、白血球などの免疫細胞が異物であるウイルスを取り囲んで戦いが始まります。すると体内で様々な物質が作られ、そのうちの1つが脳内の体温調節中枢に働きかけます。
そして体温中枢が発熱シグナルを全身の体温調節機関に送り、発熱を促進したり放熱を抑えたりします。具体的には、皮膚の下や内臓の周りにある発熱機能を持つ細胞(褐色脂肪細胞)の発熱が促進され、全身の骨格筋を震わせて熱を作ります。
悪寒を感じて体がガタガタ震えるのがその発熱です。一方で血管を収縮させて体表を流れる血流量を減少させたり、汗腺を閉じることで放熱を抑えます。高熱は体内の免疫機構とウイルスが激しく戦っている証拠といえるようです。
この様に風邪やインフルエンザで発熱する理由は、ウイルスと戦うには体温を上昇させた方が有利だからと考えられています。インフルエンザウイルスは低温の方が増殖しやすいことが知られていますが、体温を上げることで増殖が抑制されます。
またウイルスと戦う白血球やマクロファージは体温が上昇すると働きが活発になり、免疫機能が高まります。
高熱で意識障害を起こすようなら解熱剤で体温を下げる必要がありますが、意識がしっかりしているなら高熱でも解熱剤を使うべきではないと考えられています。解熱剤を使わなくても、免疫活性食細胞がウイルスを封じ込めると熱は自然に下がっていきます。
熱は健康状態を測るバロメーターの役割も果たしてているようです。以前は発熱はウイルスが熱中枢を刺激することによって起きるとされていましたが、現在は以上のように免疫機能を活性化するために自分自身で引き起こすという見方が多くなっているようです。
ただし今回の流行でも一時問題となったように、感染してもほとんど発熱しない「隠れインフルエンザ」なども出ているようです。こうした症状があまりはっきりしない感染者が、感染を拡大したという面があるようです。
こういった隠れインフルエンザの場合はなぜ発熱しないのかといったことを含め、発熱の問題はそれほど単純ではないようです。また時代によって解釈が変わってくるかもしれませんが、現在は少々の発熱であれば、解熱剤などを使わない方が良いということは確かなようです。