ごっとさんのブログ

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進化するプロバイティクス

2019-11-11 11:32:29 | 自然
最近プロバイティクス(宿主に好影響を与える生きた細菌)という言葉を時々くようになりましたが、色々進化しているようです。

これは生きた微生物を利用して、人間の体調をよくするといった方法ですが、例えば二日酔いを防ぐといった病気を治すという方向にも進んでいるようです。

人間のマイクロバイオーム(腸内細菌叢など)は、自然の驚異ともいえる現象で、人間は誰でも何百兆もの微生物と共に生きています。こういった文章中にプロバイオティクスとかマイクロバイオームといったカタカナが使われるのは、何となく好みではないのですが、良い日本語がないのかもしれません。

マイクロバイオームは、人間の健康を維持するために不可欠なものです。例えば腸内細菌は人間の健康のほぼすべての側面に関与していると見られており、アレルギーや関節炎、喘息、自閉症、結腸ガン、一部の感染症、炎症性腸疾患、肥満などさまざまな疾患に関連しています。

プロバイオティクスについては、古くからヨーグルトなど「ラクトバチルス」「ビフィズス菌」といった細菌が利用されています。最近はこういった菌が飲み物だけでなく、錠剤や粉末のサプリメントとして大々的に宣伝されています。

ただし食品棚に並べられ、誰にでも効果があると説明されているこういったプロバイオティクスのサプリメントが、期待通りの効果をもたらすことは少ないようです。

どのように機能しているか解明されてはいないものの、キムチなどの発酵食品は、多くの人の腸の健康に効果的だとされています。全身ではなく特定の組織や細胞を標的として細菌を作り、副作用を防ぐといった新たな取り組みが進んでいます。

既にいくつかの企業が、合成生物学を活用することによって新製品を開発しています。細菌が健康に関する様々なプロセスに関与しているのであれば、健康に関して重要な問題に取り組むため、合成生物学の研究者が「生きた薬」を開発しようとするのは当然なようです。

アメリカのある企業は、世界で初めて遺伝子組み換えを用いたプロバイオティクスの開発に成功しました。生物工学によってこの会社が作った製品は、体内における酵素の生産を促すように設計されたもので、酵素は腸内に残留している毒性のある化学副産物を分解します。

この製品がうまく作動すれば、二日酔いを防ぐことができるのかもしれません。また別な企業は、私たち自身の細胞を活性化することで免疫調整剤などの効果を引き上げ、ガンを治療することが可能としていますし、他社はチーズやその他の食品を作るのと同じ細菌を使い、糖尿病の治療薬を開発しました。

このように薬としての化学物質ではなく、生きた細菌を薬として使うという事は、より人間にやさしい治療法といえるのかもしれません。


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