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血液検査で早期のガン発見の可能性

2024-05-29 10:31:00 | 健康・医療
私の友人知人の中にも、前立腺ガンや肺ガンなどを発症した人がいます。幸い皆早期発見ができて手術でほぼ完治していますが、今後再発など注意が必要なようです。

最近血液中のタンパク質の組み合わせを調べることで、最大7年早くガンを発見できる可能性があるとの研究結果が発表されました。複数の異なる種類のガンを早期発見でき、ガン発生を予防する標的治療の実現につながるかもしれないとしています。

ある論文では、英国バイオバンクに登録された4万4千人以上の血液サンプルを、プロテオミクス(プロテオーム解析)という手法で分析しました。

プロテオームとは細胞内で発現する全タンパク質の総称で、生体サンプルに含まれるタンパク質の質量を測定し、得られた膨大なデータを機械学習を用いて解析することでタンパク質の変化を検出できます。

この研究対象には、後にガンと診断された約5000人の血液サンプルも含まれていました。研究チームは、ガンを発症した人としなかった人の血中タンパク質を比較しました。

19種類のガンに焦点を絞り、1463種類のタンパク質を精査したところ、618種類のタンパク質がガンリスクとの有意な関連を示しました。驚くべきことにガンとの関連が示されたタンパク質のうち107種類は、ガンと診断される7年前に採血された血液サンプルから検出可能でした。

また182種類のタンパク質は、ガン診断の少なくとも3年前までに変化が確認されました。これは従来の方法よりもはるかに早期に、ガンを検出できる可能性があることを意味しています。

研究チームは、これらの研究は複数のガンの原因や生物学的性質について、ガンと診断される何年も前に起こっていることに知見を含め、多くの新しい手掛かりを提供している点で重要としています。

もうひとつの論文では、30万件のガン症例の遺伝子データを調べ、ガン発生と関連のある特定のタンパク質を同定しました。研究チームは、9種類のガンのうち少なくとも1つのガンの発生と関連しているタンパク質40種類を発見しました。

このうち21種類は乳ガンの発生リスク上昇と関連していました。ガンとの関連が分かったタンパク質40種類のうち、18種類は既に既存の薬剤の標的になっており、従来の診断時期よりも早期に、場合によっては数年前にガンを発見し治療を開始できる可能性が出てきました。

とはいっても現状ではガンの可能性が分かっても、適切な予防法はないと言えるのかもしれません。今後はこういった方面での研究が期待されます。


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