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「生活習慣病」は自己責任ではない

2023-10-27 10:34:33 | 健康・医療
病気になるのは不摂生などの自己責任という論調があるようですが、私はたんに「運が悪い」から病気になると思っています。

最近糖尿病は不摂生や運動不足のせいであり、自己責任の病気という誤ったイメージがあるそうです。こういったことから「糖尿病」という病名を変更するという動きが提案されていますが、どうもその必要性に疑問を持っています。

こういった流れこそが、健康な人が病気の人を下に見ているからではないかという気もします。同様に「生活習慣病」という呼び方も考え直すべきという意見もあるようです。

生活習慣病は、不適切な食事、運動不足、喫煙、飲酒などの生活習慣が原因となる疾患の総称です。糖尿病や高血圧、脂質異常症、脳血管障害や心疾患、ガンなどが生活償還病だとされています。

以前は「成人病」と呼ばれていましたが、必ずしも成人だけが発症する病気ではありません。1996年生活習慣病という呼称が、行政用語として採用されています。この呼称は、様々な病気が生活習慣と関連していることを分かりやすく明確に示しています。

その結果多くの人が健康的な生活習慣の重要性を理解し、予防意識が高まって病気を未然に防ぐことが期待でき、これが生活習慣病という呼称のプラスの側面です。一方で病気に対する偏見を招くというマイナスな側面もあります。

生活習慣病と呼ぶことで、病気にかかった人はみな不健康な生活習慣を送っていたという誤解を招きかねません。

こうした誤解は「生活習慣病にかかるのは自己責任であり、医療費の自己負担割合を増やすべき」といった議論を招き、「自業自得の人工透析患者など、全員実費負担にさせろ」といった暴論に行きつく恐れがあります。

これは極論ですが、ついでに透析についてはやや疑問を持っています。原則公費負担で良いのですが、所得が多い人はその額に応じて自己負担をしても良いのではと思っています。

貧困や劣悪な労働環境といった、個人の努力ではいかんともしがたい社会経済的要因が不健康な生活習慣と関連していることはよく知られています。現代において肥満や糖尿病は贅沢病ではなく、健康的な生活をしたくてもできない人たちがいるとしています。

こういった議論は分かりますが、私はあまり好きではありません。こういったことを基本にしても、生活習慣病という呼称を変える必要はないような気がします。

前述のように糖尿病の呼称変更は進んでいるようですが、使い慣れた病名変更するようなデメリットは「糖尿病」にはないような気がしています。


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