最近食品、特に炭水化物を多く含む食品を高温で加熱すると、アクリルアミドが発生することが問題となっています。
本当にポテトチップスなどに出てきてしまうのか、あまりよくわかりませんが、アクリルアミドにはいろいろな毒性があるとされています。そこでここではアクリルアミドを取り上げてみます。
アクリルアミドは私にとっては非常に身近な化合物で、いろいろな薬を作るための重要な原料の一つでした。融点が84℃の白色の結晶で、さらさらしているというよりは、やや湿った感じの物質です。毒劇物に指定されていますので、やや取り扱いには気を付ける必要がありましたが、特に危険な化合物というわけではありませんでした。
本来は重合させてポリアクリルアミドの原料として大量に生産されています。ポリアクリルアミドは、高分子樹脂といってもいわゆるプラスチックではなく、アクリル塗料や接着剤、紙や繊維の質の向上剤などに使われているようです。
やや専門的な話になりますが、アクリルアミドはアクリロニトリルという原料を水和という反応により合成されていました。その後京都大学のY先生が、ロドコッカスという微生物のニトリラーゼという酵素を使うと、非常に効率よくアクリルアミドになるということを発見され、N社により実用化されています。
この菌は非常に優れた性質を持ち、通常酵素反応は原料の濃度を高くすると、基質阻害という現象が起こり止まってしまうのですが、この菌の場合はほとんどそれがなく、高濃度反応が可能でした。私もY先生からこの菌株を譲ってもらい、ニトリルの水和反応をいろいろ試したこともあり、そういった点でも思いで深い化合物です。
さて食品中での問題ですが、反応メカニズムとしては、メイラード反応によっておこるとされています。この反応は糖とアミノ酸が高温で接触すると起こるとされています。ですからどんな食材であろうと、高温調理すればある程度はできてしまうのですが、非常に微量ですのであまり問題はないと思います。
通常の食事での摂取量は、0.65マイクログラム/kg程度とされており、アクリルアミドが毒性を示す量の1000分の1程度です。人間の体は、こういった異物が入ってくると速やかに体外に排出する機構がしっかりしていますので、蓄積するという可能性もありません。
ですから結論としては、別に気にして何か対処する必要はないと思います。近年調理方法が変わったわけではなく、昔からの方法ですので、新しいことが分かったということだけで、無視してもよいことのような気がします。
本当にポテトチップスなどに出てきてしまうのか、あまりよくわかりませんが、アクリルアミドにはいろいろな毒性があるとされています。そこでここではアクリルアミドを取り上げてみます。
アクリルアミドは私にとっては非常に身近な化合物で、いろいろな薬を作るための重要な原料の一つでした。融点が84℃の白色の結晶で、さらさらしているというよりは、やや湿った感じの物質です。毒劇物に指定されていますので、やや取り扱いには気を付ける必要がありましたが、特に危険な化合物というわけではありませんでした。
本来は重合させてポリアクリルアミドの原料として大量に生産されています。ポリアクリルアミドは、高分子樹脂といってもいわゆるプラスチックではなく、アクリル塗料や接着剤、紙や繊維の質の向上剤などに使われているようです。
やや専門的な話になりますが、アクリルアミドはアクリロニトリルという原料を水和という反応により合成されていました。その後京都大学のY先生が、ロドコッカスという微生物のニトリラーゼという酵素を使うと、非常に効率よくアクリルアミドになるということを発見され、N社により実用化されています。
この菌は非常に優れた性質を持ち、通常酵素反応は原料の濃度を高くすると、基質阻害という現象が起こり止まってしまうのですが、この菌の場合はほとんどそれがなく、高濃度反応が可能でした。私もY先生からこの菌株を譲ってもらい、ニトリルの水和反応をいろいろ試したこともあり、そういった点でも思いで深い化合物です。
さて食品中での問題ですが、反応メカニズムとしては、メイラード反応によっておこるとされています。この反応は糖とアミノ酸が高温で接触すると起こるとされています。ですからどんな食材であろうと、高温調理すればある程度はできてしまうのですが、非常に微量ですのであまり問題はないと思います。
通常の食事での摂取量は、0.65マイクログラム/kg程度とされており、アクリルアミドが毒性を示す量の1000分の1程度です。人間の体は、こういった異物が入ってくると速やかに体外に排出する機構がしっかりしていますので、蓄積するという可能性もありません。
ですから結論としては、別に気にして何か対処する必要はないと思います。近年調理方法が変わったわけではなく、昔からの方法ですので、新しいことが分かったということだけで、無視してもよいことのような気がします。
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