家の庭には猫がいるせいか、ちょろちょろしているトカゲにしっぽの無いものが時々います。
このトカゲのしっぽは再生することが知られていますが、最も再生能力が高いとされる生物が「イモリ」です。イモリはしっぽや足だけでなく、眼や脳、心臓といった臓器まで自力で元通りにし、しかも繰り返し再生できてしまうといわれています。
イモリは失った足は5か月ほどで、一部分が大きく欠けた心臓は1か月ほどで傷跡を残さず再生することができます。また足や眼などは、機能までも回復することが分かっています。
トカゲのしっぽにはもともと切れ目のようなものが入っていて、敵が現れると抜け落ちる仕組みになっていますが、イモリにはそのように設計された部位はなく、傷口から新たに組織が生まれます。
この再生能力のカギとなるのは、成長期に体内で活発に働いている「幹細胞」です。生物の細胞はいわゆる万能細胞である「受精卵」から、骨や筋肉などの幹細胞に分かれ、筋肉の幹細胞はさらに手のひらや指先などに分かれていきます。
これを「分化」といい、一度分化して身体の特定の場所の筋肉になった細胞は、再び筋肉の幹細胞に戻ることはありません。しかしイモリの場合は、分化しても元の幹細胞のような細胞に戻ることができるようです。
たとえばイモリの腕の筋肉が傷を負うと、傷口にある「腕」という特定の筋肉に分化した細胞が、筋肉の「幹細胞にそっくりな細胞」まで戻ると言われています。その状態からであれば、指先の筋肉などさまざまな筋肉に変化でき、この現象を「脱分化」と呼んでいます。
この脱分化についての具体的研究の詳細は省略しますが、この遺伝子を含む研究から浮かび上がってきたのが「赤血球」でした。イモリの赤血球には、他の生物には無い「核」があり、色々なものを作り出していることが分かりました。
イモリの赤血球を詳しく調べてみると、再生に関わる重要なタンパク質が少なくとも10種類以上存在することが分かりました。
赤血球が傷口に達すると、再生に関わるタンパク質が赤血球の外側の必要な場所に運ばれ、そこで脱分化のスイッチが入り、再生能力を支えていることが分かりました。面白いことにこの再生に関わる物質をヒトも持っていることが分かったようです。
イモリの驚くほどの再生能力の仕組みは、まだまだ分からないこともあるようですが、このメカニズムの詳細が分かってくれば、ヒトの再生医療への応用も可能となってくるのかもしれません。
イモリがどのような進化の過程でこのような再生能力を獲得したのかなど、まだまだ生命は不思議なことが数多く残っているようです。
このトカゲのしっぽは再生することが知られていますが、最も再生能力が高いとされる生物が「イモリ」です。イモリはしっぽや足だけでなく、眼や脳、心臓といった臓器まで自力で元通りにし、しかも繰り返し再生できてしまうといわれています。
イモリは失った足は5か月ほどで、一部分が大きく欠けた心臓は1か月ほどで傷跡を残さず再生することができます。また足や眼などは、機能までも回復することが分かっています。
トカゲのしっぽにはもともと切れ目のようなものが入っていて、敵が現れると抜け落ちる仕組みになっていますが、イモリにはそのように設計された部位はなく、傷口から新たに組織が生まれます。
この再生能力のカギとなるのは、成長期に体内で活発に働いている「幹細胞」です。生物の細胞はいわゆる万能細胞である「受精卵」から、骨や筋肉などの幹細胞に分かれ、筋肉の幹細胞はさらに手のひらや指先などに分かれていきます。
これを「分化」といい、一度分化して身体の特定の場所の筋肉になった細胞は、再び筋肉の幹細胞に戻ることはありません。しかしイモリの場合は、分化しても元の幹細胞のような細胞に戻ることができるようです。
たとえばイモリの腕の筋肉が傷を負うと、傷口にある「腕」という特定の筋肉に分化した細胞が、筋肉の「幹細胞にそっくりな細胞」まで戻ると言われています。その状態からであれば、指先の筋肉などさまざまな筋肉に変化でき、この現象を「脱分化」と呼んでいます。
この脱分化についての具体的研究の詳細は省略しますが、この遺伝子を含む研究から浮かび上がってきたのが「赤血球」でした。イモリの赤血球には、他の生物には無い「核」があり、色々なものを作り出していることが分かりました。
イモリの赤血球を詳しく調べてみると、再生に関わる重要なタンパク質が少なくとも10種類以上存在することが分かりました。
赤血球が傷口に達すると、再生に関わるタンパク質が赤血球の外側の必要な場所に運ばれ、そこで脱分化のスイッチが入り、再生能力を支えていることが分かりました。面白いことにこの再生に関わる物質をヒトも持っていることが分かったようです。
イモリの驚くほどの再生能力の仕組みは、まだまだ分からないこともあるようですが、このメカニズムの詳細が分かってくれば、ヒトの再生医療への応用も可能となってくるのかもしれません。
イモリがどのような進化の過程でこのような再生能力を獲得したのかなど、まだまだ生命は不思議なことが数多く残っているようです。
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