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50歳未満のガンが世界的に増加

2023-09-22 10:33:02 | 健康・医療
日本では死因のトップとなっているガンですが、高齢化すると遺伝子変異の修復能が衰えるため増加すると考えられています。

ところが50歳未満でのガンの発症例が世界的に増加しているとする研究論文が発表されました。ガンは高齢者に多く見られるものの、論文によると50歳未満のガン(早期発症ガン)患者数は過去30年間で増加しているようです。

2019年には世界全体で50歳未満の182万人がガンと診断され、105万人が死亡したことが報告されており、1990年からの増加率は79%としています。発症増加が特に顕著なのは気管ガンと前立腺ガンで、年間でそれぞれ2.28%と2.23%のペースで増加していると推定されています。

早期発症ガンで発症例と死亡例が最も多かったのは乳ガンで、2019年の10万人当りの症例は13.7人、死亡例は3.5人となっています。非黒色腫皮膚ガンを除外すると、乳ガンは世界で最も多いガンとなっています。

死亡例の増加率が最も高いのは腎臓ガンと卵巣ガンで、続いて乳がん、気管ガン、肺ガン、胃ガン、大腸ガンとなっています。

論文の研究チームによると、早期発症ガンの増加は世界的な傾向ではあるが、2019年の罹患率は北米、西欧、オーストラリアの富裕国で高かった一方、死亡率は中央アジア、東欧、オセアニアでは不釣り合いに高かったとしています。

研究チームは、過去30年間の傾向を踏まえ、早期発症ガンの新規症例と死亡例が2030年までにそれぞれ31%と21%増加すると予測しています。早期発症ガンが増えている理由ははっきりしていません。

ガンは細胞の増殖に歯止めが効かなくなり、体の他の部分へと広がっていく疾患です。原因は細胞の成長抑制を司る遺伝情報が損傷することにあり、こうした変異は時間の経過とともに増えるため、高齢者にガンが多いことは説明できます。

ガン発症の要因はさまざまで、遺伝性素因、特定のウイルスへの感染、汚染物質などの環境要因、食生活、運動、薬物使用、アルコール摂取、喫煙などが関わっており、早期発症ガンの増加を1つの理由で説明することはできないと研究チームは指摘しています。

研究チームによると、米国における子宮頸がんの健診の普及など、検査体制や医療制度の改善が症例増加を部分的に説明できるかもしれません。またライフスタイルの変化、特に肥満人口の増加と運動不足や環境汚染などの要因も原因となっている可能性があるとしています。

このように50歳未満のガンの増加というのは、私には関係ないとはいえやや気持ちの悪い研究結果といえます。病気の増加の原因は、単なる気休め程度のものが多いのですが、常に出てくる食事や運動で片づけてしまうのでは、進展がないような気がしています。


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