色々な幹細胞研究が進んでいますが、幹細胞から生命の生育に必須な胎盤を作成するには至っていませんでした。
理化学研究所と千葉大学の研究チームが、マウスの受精卵が細胞分裂してできた「胚盤胞」から新たな幹細胞「PrES細胞(原子内胚葉幹細胞)」の作製に成功したと発表しました。
この細胞を混ぜた塊をマウスの子宮に移植したところ、着床後すぐに通常の胚と似た構造に成長したようです。
ここで幹細胞とは分裂して同じ細胞を作る能力(自己複製能)と、さまざまな部位の細胞に分化する能力(多分化能)を持つ特殊な細胞で、発生や組織の再生などを担う細胞と考えられています。体細胞に遺伝子を導入し培養して作るiPS細胞も幹細胞のひとつです。
胚盤胞は、1.主に体になる細胞、2.胎盤になる細胞、3.胎盤ができるまでの栄養源となる卵黄のうになる細胞、の3種類の細胞からなり、この内の2種類からすでにES細胞(胚性幹細胞)とTS細胞(胎盤幹細胞)の二つの幹細胞が作られています。
三つ目のPrES細胞がそろったことで、幹細胞だけを使った生命誕生につながる可能性が出てきました。研究チームはマウスの受精卵を胚盤胞に成長させたのち、特殊な条件下で培養し卵黄のうになる能力を持つPrES細胞を作製しました。
これを薬剤で卵黄のうになる細胞をなくした胚盤胞に注入したところ、育たないはずの胚盤胞が成長を続け正常な子マウスが誕生しました。
また三つの幹細胞を混ぜ合わせた塊をメスマウスの子宮に移植し、約1週間観察した結果、2〜3割の確率で着床し、着床後すぐの通常の胚に似た構造まで変化したようです。ただしこれは正常な胚にはならず、子マウスは生まれませんでした。
胚盤胞を人工的に作る研究は国内外で行われており、アメリカとオーストラリアの2チームは2021年に、ヒトの幹細胞などを使い胚盤胞に似た細胞の塊を作製したと発表しています。
研究チームは、数十個の細胞からなる胚盤胞が生命の起源として機能する仕組みの解明に役立つかもしれないとしています。マウスとヒトでは受精卵の発育の仕組みが大きく異なるため、チームはよりヒトに似たブタの細胞での研究も進めています。
この研究は胚の成長に対する卵黄のうの役割や、着床前後の胚の仕組みの解明につながり、マウスで得られたアイデアをヒトに応用することで、倫理面から研究が難しい領域でも理解を深められる可能性があるとしています。
この辺りの研究内容は私にはあまり理解できないことですが、生命の発生という部分は本当にまだ難しい領域のようです。こういった研究から例えば不妊治療に役立つような知見が得られるのかもしれません。
理化学研究所と千葉大学の研究チームが、マウスの受精卵が細胞分裂してできた「胚盤胞」から新たな幹細胞「PrES細胞(原子内胚葉幹細胞)」の作製に成功したと発表しました。
この細胞を混ぜた塊をマウスの子宮に移植したところ、着床後すぐに通常の胚と似た構造に成長したようです。
ここで幹細胞とは分裂して同じ細胞を作る能力(自己複製能)と、さまざまな部位の細胞に分化する能力(多分化能)を持つ特殊な細胞で、発生や組織の再生などを担う細胞と考えられています。体細胞に遺伝子を導入し培養して作るiPS細胞も幹細胞のひとつです。
胚盤胞は、1.主に体になる細胞、2.胎盤になる細胞、3.胎盤ができるまでの栄養源となる卵黄のうになる細胞、の3種類の細胞からなり、この内の2種類からすでにES細胞(胚性幹細胞)とTS細胞(胎盤幹細胞)の二つの幹細胞が作られています。
三つ目のPrES細胞がそろったことで、幹細胞だけを使った生命誕生につながる可能性が出てきました。研究チームはマウスの受精卵を胚盤胞に成長させたのち、特殊な条件下で培養し卵黄のうになる能力を持つPrES細胞を作製しました。
これを薬剤で卵黄のうになる細胞をなくした胚盤胞に注入したところ、育たないはずの胚盤胞が成長を続け正常な子マウスが誕生しました。
また三つの幹細胞を混ぜ合わせた塊をメスマウスの子宮に移植し、約1週間観察した結果、2〜3割の確率で着床し、着床後すぐの通常の胚に似た構造まで変化したようです。ただしこれは正常な胚にはならず、子マウスは生まれませんでした。
胚盤胞を人工的に作る研究は国内外で行われており、アメリカとオーストラリアの2チームは2021年に、ヒトの幹細胞などを使い胚盤胞に似た細胞の塊を作製したと発表しています。
研究チームは、数十個の細胞からなる胚盤胞が生命の起源として機能する仕組みの解明に役立つかもしれないとしています。マウスとヒトでは受精卵の発育の仕組みが大きく異なるため、チームはよりヒトに似たブタの細胞での研究も進めています。
この研究は胚の成長に対する卵黄のうの役割や、着床前後の胚の仕組みの解明につながり、マウスで得られたアイデアをヒトに応用することで、倫理面から研究が難しい領域でも理解を深められる可能性があるとしています。
この辺りの研究内容は私にはあまり理解できないことですが、生命の発生という部分は本当にまだ難しい領域のようです。こういった研究から例えば不妊治療に役立つような知見が得られるのかもしれません。
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