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社会の変化により「発達障害」が増加

2022-07-10 10:29:11 | 健康・医療
最近「発達障害」という言葉をよく聞きますが、これは脳に何か異常があって出るものと思っていましたが、うつ病などと同じように心の病気と捉えるもののようです。

心理療法の研究者によると、うつ病や依存症、解離性障害などの心の働きに関係する病は、まるで流行があるように時代の傾向があるとしています。この流行が顕著に表れるのが学生相談の現場のようです。

30年ほど前は自傷行為や過食で悩む人が多かったのですが、その後「境界例」とよばれる対人関係に問題を抱える人が多くなり、最近ではそういった相談はほとんどなく代わりに増えてきたのが発達障害です。

発達障害は脳機能の発達に関係する障害だとされており、自閉症スペクトラム障害(自閉症やアスペルガー症候群など)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害などが該当します。

自閉症スペクトラム障害に近いものは、集中力が高いがこだわりが強くて空気が読めず、コミュニケーションが難しいという特徴を持ちます。またADHDには衝動的に活動し、物忘れが多く締め切りや約束を守れないという特徴があります。

発達障害は症状の強さも人それぞれで、社会の中で適応し自分の特徴を生かして活躍している人もいます。

自閉症の特徴を持っていても一人で集中して作業する技術職であれば高い能力を発揮できるし、ADHDの特徴を持っていても時間に縛られないクリエイティブな職業で他の人にはできない仕事であれば支障はないかもしれません。

この様に適応できている人に関しては、「障害」と呼ぶ必要はないでしょう。この様に発達障害といってもいろいろですが、その多くは「主体性」が弱いという特徴を持っています。

終身雇用が当たり前で外から決められた「枠」がしっかりあった時代は、主体性が欠けていても問題になりませんでした。コミュニティがしっかり存在して、その中での役割が与えられていたからです。

現代は自然発生的なコミュニティが減って、自分で判断する場面が多くなりました。個人の自由度が増してきた現代だからこそ、主体性の問題があぶり出されていると考えられるようです。

人間は「自由」の刑に処せられているという説までありますが、自由はある種の人々にとって大きな重荷になっています。

インターネットの発展により、つながろうと思えばいつでもどこへでもつながる手段が生まれ、無数の選択肢がある現代ではより強固な主体性が必要になったとしています。

この様に現代が主体性を要求する社会になったという説にはある程度納得できますが、これが発達障害の増加につながるのかはかなり疑問があります。結局自由度が増えた代わりに、弱い人にそのしわ寄せがいくというのはありそうなことかもしれません。


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