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アルツハイマー病の発症についての新しい説

2018-12-29 10:42:00 | 健康・医療
アルツハイマー病がアミロイドβと呼ばれるタンパク質の脳内沈殿により起こることは広く認められています。

アルツハイマー病の患者のアミロイド遺伝子は正常と変わりないことの方が多く、なぜ正常遺伝子から異常タンパク質が作られるのか現在も議論が続いています。

最近アメリカサンフォードバーンハム研究所から新説が提唱されました。この遺伝子が正常であっても、異常なアミロイドが合成される説明としてプリオン仮説があります。

これは狂牛病から分かってきた発症機構で、何らかの要因でタンパク質の折りたたみが狂うと、それが正常タンパク質に働いて、異常タンパク質に替えてしまうというものです。これがアミロイドタンパク質でも起こって、異常なタンパク質が脳内に拡散し、正常のアミロイドを異常型に変化させて、蓄積して脳細胞を殺すとするのがアルツハイマー病のプリオン仮説です。

今回の発表では、異常なアミロイドタンパク質をコードする遺伝子が、細胞内で遺伝子組み換え(突然変異)により合成され、しかもその異常DNAから転写されたmRNAがもう一度DNAに読み直され、染色体の新しい場所にウイルスの様に組み込まれ、異常タンパク質をコードする遺伝子のコピーが増えていくというものです。

プリオン仮説では、正常アミロイドがタンパク質に翻訳された後異常型に変化するので、mRNAに異常が見つかるとは限りません。

研究グループはアルツハイマー病の脳と正常な脳で異常なアミロイド-mRNAを検出する方法を開発しました。こうして見つけた5種類のmRNAはタンパク質へと翻訳され、その中には異常アミロイドとして知られる構造も存在していました。

実際はゲノムレベルで組み換えが起こってもそれはほんの一部の細胞での話で、異常遺伝子が増幅することはないと思われます。これが広く拡散するのは、プリオン仮説のように、異常アミロイドが正常アミロイドを変質させる可能性もあります。

また染色体内でコピー数を増やしていく、トランスポゾンという現象が起きていると考えられるようです。トランスポゾンというのは、染色体を飛び出して他の場所に移るウイルスの主な動きで、これがこの遺伝子でも起きている可能性があるとしています。

全体的にかなり難しい理論で、私も完全に理解できないため、おかしな文章になっているような気もします。それでもアルツハイマー病発症の新しいメカニズムが提唱され、この病気の研究も進んでいるようです。

しかしこのように発症原因が解明されても、治療に全くつながらないというのが、この病気の難しいところかもしれません。

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