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なかなか素晴らしい「チタン素材」

2019-09-27 10:28:58 | 化学
チタンという金属は、酸化チタンが抗菌力や汚れを分解する力があるなど、色々なところに使われています。

今回アップルウオッチのシリーズに、チタンモデルが登場したことでも話題を集めているようです。チタン(この場合は金属チタンです)は、航空機やロケットなどの素材部品として使われていました。

現在でも海水淡水化装置や海上橋脚、熱交換機などに用いられています。また建築の分野でも活躍しており、屋根や壁材、手すり、モニュメントなどに用いられています。医療機器にも多くインプラントの人工歯根などが有名です。

チタンの特徴は、「軽い」「強い」「錆びにくい」といったところで、ステンレスに比べると40%ほど軽く、比重に対する強度が高いという事も特徴のひとつです。

これを比強度といいますが、同じ強度のものを作った場合、ステンレスやアルミニウムよりも軽くすることができます。またチタンの隠れた特徴として「金属アレルギーが出にくい」という性質があり、これはチタンの表面に形成されている不動態化被膜があるためです。

そのため常に肌に触れている腕時計の素材として注目されているわけです。一方デメリットとしては光沢が出にくくステンレスのミラー加工のような光沢感は基本的にありません。

またステンレスやアルミニウムに比べ軟らかいというのもいろいろな点でデメリットとなるのかもしれません。ただし柔らかいのはチタンの中でも100%の純チタンであって、一般的には硬さを出すためにバナジウムやアルミを添加したチタン合金として使われています。

柔らかさに関連する弱点として、擦り傷に弱いという点もあり、耐摩耗性が低いため傷がつきやすくなります。チタン製と聞くと高級なイメージがありますが、実際チタンはステンレスやアルミと比べると価格が高くなっています。

しかしこれはチタンが貴重な金属だからというわけではありません。チタンは地球上で5番目ぐらいに埋蔵量の多い金属で、量としては貴重なものではありません。

チタンが高いのは加工が難しいためで、非常に酸化しやすいため、採掘した酸化チタンを塩化物にさせたりしますが、こういった工程をすべて真空かアルゴンなどの不活性ガス充填下で行う必要があるためです。

このためにステンレスに比べ10倍ほどの価格になってしまうようです。この様にやや高価なチタンですが、陽極酸化法という手法により様々な色を付けることができるという利点も持っています。

この発色の理論については省略しますが、もう少し安価に製造できればどんどん用途が広がる面白い金属がチタンといえるようです。


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