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免疫学から見た新型コロナウイルスの正体

2020-12-27 09:52:41 | 自然
このところ連日新型コロナ感染者や重症者数が過去最高と報道されていますが、急激に感染拡大が起きているというよりは、高止まりが続いているといった方がよいのかもしれません。

私も含め多くの国民は自粛、感染対策を行っていますが、インフルエンザは抑えられているものの、コロナを抑えるところまで行っていないようです。「サイエンスポータル」にこの新型コロナの免疫学から見たまとめの記事が掲載されていました。

新型コロナウイルスは直径が0.1マイクロメートルと非常に小さく、ウイルス粒子の内部にはRNAが折りたたまれて入っています。ウイルスの表面にはSタンパク質あるいはスパイクタンパク質と呼ばれる釘のような構造が、1つのウイルスから100本ぐらい突き出ています。

このスパイクタンパク質がヒトの細胞の上にあるACE2というタンパク質と結合します。このACE2は肺の上皮細胞に多量に存在し、個人差はあるものの口の中、鼻の中の粘膜にも上皮細胞にも存在します。

ウイルスが細胞の中に入るための時間はわずか10分くらいで、細胞内でウイルスが増殖するには10時間ほどかかります。ウイルスが細胞の中に入ると1000個ほどに増えるので、1000個のウイルスが感染したとすると、100万個のウイルスが10時間後に出てくることになります。

これに対抗するためにヒトの身体は2段構えの防御システムを持っており、それが自然免疫と獲得免疫です。

病原体が侵入しようとすると、少なくとも3つの障壁、バリアがあります。最初の2つの障壁は自然免疫で、まず皮膚や粘膜に存在する殺菌物質が病原体の侵入を防ごうとし、物理的、化学的バリアと呼ばれるものです。

しかしそのバリアに穴が開いていると、ウイルスはさらにその内側の層に入ってきます。そこでは白血球の一部である食細胞が病原体を待っていて、病原体を食べるあるいは殺菌物質を作って殺すというのが自然免疫です。

この反応は早いのですが、免疫記憶は持っていません。この自然免疫を突破した病原体に対して、白血球の中の2種類のリンパ球、B細胞とT細胞が主体となって抗体などを作り、ウイルスを排除するというのが獲得免疫です。

獲得免疫は反応が遅いものの、一度であったものを覚えているので、再び同じウイルスが入ってくると強く働いて排除します。ウイルスは100個か200個ぐらい来ても、ヒトはこのような免疫の仕組みを使って撃退することができるとしています。

この記事ではより詳しい免疫の仕組みを解説していますので、興味のあるかたは「サイエンスポータル」をお読みください。

このような良い免疫の仕組みがありますので、新型コロナに感染したとしても風邪薬で症状を抑え、獲得免疫が働くのを待っていようと考えています。


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