白血病の急性と慢性とは

競泳の池江璃花子選手が白血病であることを公表し、色々な形で報道されています。治療に専念し一刻も早い復帰を祈っています。

白血病とは白血病細胞が無限に増殖する病気です。血液中には、酸素を全身に運ぶ赤血球、病原体と闘う白血球、出血を止める血小板など様々な細胞が流れています。骨の中で元となる幹細胞が増殖、変化してこれらの細胞は生まれますが、どこかの過程で異常が発生してガン化した細胞（白血病細胞）が無限に増えるのが白血病です。

この発症の詳しい原因はほとんどわかっていません。厚生労働省が公表している全国調査では、2016年に白血病と診断された人は延べ13,789人で、15～19歳では191人となっています。

白血病は、週単位から月単位で早く進行する「急性」と、年単位でゆっくり進行する「慢性」とに分けられています。また異常が起きる細胞の種類によっても「骨髄性」と「リンパ性」とに分けられます。

急性の白血病では、息切れ、だるさ、発熱、関節の痛みなどの症状が出ますが、これは増殖した白血病細胞が、正常な細胞ができるのを妨げたり、他の臓器を傷つけたりするほか、感染が起きるためと言われています。

慢性の白血病の初期ではほとんど症状はありませんが、進行するとだるさや寝汗などが現れます。この治療法はいずれもガン治療薬の使用が主流となっています。

この治療薬の進歩は目覚ましく、主に代謝拮抗薬という種類が使われます。これも色々な種類が開発されており、ピリミジン拮抗薬、プリン拮抗薬、葉酸拮抗薬などが個人の病状に合わせて使われ、現在では非常に効果が高いようです。

急性では、数カ月の入院で点滴の治療によって白血病細胞を顕微鏡で見ても分からない水準まで減らすことで治癒を目指します。白血病の種類によっては、その後も数年間通院による治療を続けることもあります。

再発した場合、血液細胞のもとになる幹細胞を移植する方法も検討されます。慢性では、服薬を長期間続ける治療となるケースが多いようですが、これにより日常生活に戻ることも可能となっています。

この白血病は若い人のガンでは最も多いのですが、若い人は薬が効きやすい種類の白血病を発症することが多く、生存率は非常に高くなる傾向があるようです。

現在骨髄移植が話題となっていますが、ドナーと患者との白血球の血液型であるＨＬＡの適合が最大の問題となっています。

このように白血病の治療には多くの選択肢があり、現在では完全に治る病気と考えても良いようです。池江選手も薬物療法をすれば、若いだけに確実に完治する可能性は高いと思っています。