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体毛を生やす「毛包幹細胞」の起源を解明

2021-09-06 10:29:02 | 自然
歳をとってくると薄毛や脱毛が気になるのはやむを得ないことです。

私は正面から見るとそれなりに毛はあるのですが、後頭部が薄くなり合わせ鏡で見ると地肌が透けて見えるようです。私の歳になるとこの程度は当然なのかもしれません。

毛髪再生などに応用できる可能性のある、体毛を生やす起源になる「毛包幹細胞」が形成される仕組みを解明したと理化学研究所の研究グループが発表しました。これはサイエンスポータルに掲載されましたが、このサイトはやや専門的となりますが紹介します。

毛包は髪の毛などの体毛を生やす皮膚付属器官で、頭部を含む全身にあります。身体を保護したり感覚に関わるなど、重要な機能を担っています。周期的に再生を繰り返す性質があり、毛包幹細胞が再生のカギを握っているとされていますが、この細胞の起源については未解明でした。

理化学研究所の研究グループは、毛包細胞の発生起源を解明する研究を開始しました。細胞の動きや変化を詳しく見ることができる技術を開発するなど、独自の手法を駆使して、マウス胎児の毛包が形成される様子を詳しく観察しました。

さらに「トランスクリプトーム解析」という手法を使って細胞内の遺伝子発現変化なども調べました。こうした研究の結果、発生中の毛包はまず細胞が同心円のリング状に並び(プラコート期)、次第に真ん中がくぼむように筒状に区画化されることが分かりました。

また毛包幹細胞は、この筒状の区画の一部に由来することも突き止めました。研究グループは、解明した毛包が発生する仕組みが、伸縮する望遠鏡のの動きに似ていることから「テレスコープモデル」と名付けました。

この毛包幹細胞の起源はこれまで、アメリカの研究者が2016年に提唱した「基底上層細胞」と考えられていたため、今回その定説を覆したことになります。

研究グループは、今回明らかになった仕組みが乳腺や汗腺などの他の体表器官にも共通するかを調べることが今後の課題で、さまざまな器官や生物種に共通する形態形成システムを解明したいとしています。

今回の研究成果自体あまりピンとこないのですが、これを応用してiPS細胞やES細胞などの多能性幹細胞から、毛包細胞を効率よく作ることに繋がっているようです。

基本的には脱毛してしまった皮膚に、毛包細胞を移植して頭髪を再生する技術の最も基礎的な成果と言えるのかもしれません。やはりこういった技術を開発するためには、今回のような基礎的な研究がその出発点となるのでしょう。


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