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歯周病菌が大腸ガンの発生に関与

2020-12-14 10:47:22 | 健康・医療
歯周病は放置しておくと大腸ガンの前ガン細胞を発達させ、発ガンの原因となることが最近の研究で明らかになりました。

この研究では大腸ガンの原因となる大腸内の2種類の異常細胞の発達が調査されており、具体的には鋸歯状ポリープと一般的な腺腫です。歯周病は成人に蔓延し、アメリカの人口の40%以上は歯周炎を患っているようです。

研究チームは4万2486人の歯周病に関するデータを検証し、大腸内に異常細胞があると診断されたことがあるか否かを研究参加者に質問した後、医療記録を調べて実際の診断内容の裏付けを取りました。

その結果歯周病を患っている人では、鋸歯状ポリープのできるリスクが17%、一般的な腺腫ができるリスクが11%高いことが分かりました。

この数値が歯周病のリスクというにはやや低い気もしますが、4本以上の歯を失う結果につながった重度の歯周病を患う人では、鋸歯状ポリープができるリスクは20%も高くなりました。

一般的な腺腫については、歯周病を患っている人のうち1~3本の歯を失った人では進行性の腺腫のできる可能性が28%高く、4本以上の歯を失った人では36%高くなっていました。

歯周病は明白なガンの危険因子とは思えないかもしれませんが、これまでにも膵臓ガンや乳ガンといった複数種類のガン発症リスクの上昇と関連付けられたことがあります。ただしそうした過去の研究では、歯周病そのものがリスク上昇の原因なのか、あるいは別の要因も関係している可能性があるのかについて特定できていませんでした。

今回の巧みに設計された大規模な研究により、歯周病が大腸ガン前駆病変の発達に関連しているという強力な証拠が得られたとしています。

また別な意見としては、歯周病は社会経済的因子、糖尿病、肥満といった別な因子とも関連しており、今回の観察研究の知見からは、因果関係を直接的に結論付けることはできないとしています。

ガン発症に関しては、口内マイクロバイオームの影響を調べる研究が増加しており、今回の研究もそれに貢献するものだと著者らは述べています。歯周病治療と大腸腫瘍発症の関係を調べる大規模な無作為比較対象試験は、因果関係を探る一つの方法になります。

それには膨大なリソースが必要とされるため、実行は難しいのかもしれません。別の方法としては、口内マイクロバイオームや直接の原因となる可能性がある病原菌、結腸直腸腺腫の研究などが考えられます。

歯周病は昔から色々な疾患につながるといわれていますが、歯周病菌がそれほど特殊な細菌ではなく腸内の細菌叢に入ってポリープなど引き起こすとは考えにくいような気もします。むしろ歯周病になることによる咀嚼不足などが原因なのかもしれません。


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