ごっとさんのブログ

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   薬と猫と時々時事

生命の起源 続

2015-02-01 10:52:42 | 自然
昨日はタヌキ騒ぎで大変でしたが、どうも昼からうちの庭をうろついているようです。人間に追われたかわいそうな動物ですので、餌をやるくらいはいいのですが、外の猫との兼ね合いが難しそうです。

さて生命の起源の続きです。「無機物から有機物ができるか」の前に、この化学進化説のもととなる、オパーリンのコアセルベート説を紹介します。これが出てきたのは、1900年代の初めで、戦前だと思います。彼は有機物のプールの中で、高分子化が進み、この高分子がくっつきあってミセル状となり、これをコアセルベートと呼びました。これが原始生命の元であり、この中から代謝機能を持つものが残っていき、生命になったとするものです。かなり古い説ですが、どうもこれを覆すような学説は出ていないようです。

この説をもとに、無機物から有機物を作る実験が1900年代中ごろ報告されています。原始地球の大気として考えられる、水素、メタン、アンモニア、水(水蒸気)を加熱して高温にし、これに高圧電流を放電するという実験です。(もしかしたら炭酸ガスも入っていたかもしれません)この放電は、雷の代用として行われたもので、この状態を長時間続けると、生命の基幹物質の一つであるアミノ酸が生成したというものです。その後鉄鉱石表面で、アミノ酸同士が結合してペプチドからタンパク質様の物質ができたという報告などもあります。

ところがその後の研究で、原始地球の大気はこのような還元的なものではなく、もっと酸化的であったということがわかりました。そこで注目されたのが、その状況に近い環境として海底火山の噴出孔が出てきました。ここには大量に存在する、硫化鉄、炭酸ガス、硫化水素、水から有機化合物であるぎ酸が生成することを確認したのです。また高温で大量の毒物が出てくる噴出孔から、硫黄酸化細菌などの古細菌が発見されました。このような過酷な環境には、生命は存在しないと思われていたのですが、ここで発見された古細菌が原始生命に近いと考えられるようになりました。

生物はDNAをもとにタンパク質を生産していますが、このDNAに酵素のような活性が見つかり、RNAワールドというような説も出ています。たぶん科学が進歩し、新しい発見があると生命の起源についても新たな仮説が出るのかもしれません。これを実験的に証明するのは、たぶん私が生きている間では無理のような気がします。有機物質から生命を作り出すことは、神の領域であり人間がやってはいけないことのような気もしています。



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