ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

薬の有効率は100%ではないのに効果が出る不思議

2021-10-16 10:25:16 | 
新型コロナの新規感染者数は、このところかなり減少しています。急激に拡大していた時期と対策が変わっているわけではないのに、なぜ減少しているのかは大きな謎と言えるでしょう。

またワクチン接種したのに感染するブレークスルー感染も話題になっています。ワクチンの有効性は非常に高く90%程度とされていますが、逆に言えば10%は効果が出ないということです。

現在数千万人がワクチン接種していますが、そのうち10%すなわち数百万人は効果が出ない、つまり感染する可能性があるということです。ですから感染者の中に、ある程度ワクチン接種者が含まれるのは当然のことと言えます。

実はこの薬の有効率というのは非常に不思議な傾向を持っています。新薬を開発するための臨床試験で有効率を必ず出しますが、60%程度あれば新薬として承認され、非常によく効く薬でも70%程度となっています。

逆に見れば30%の症状には効果が無くて当たり前というのが薬の世界です。通常の何とかクリニックというような開業医にどの程度患者が来るのか分かりませんが、1日100人とします。

もちろんいろいろな症状の人が来るわけですが、その患者に処方する薬の平均有効率を高めに見て70%とします(平均するともっと低いはずですが)。ところが実際に処方されて、薬が効かなかったという患者は非常に少ないはずです。

もちろんどうも薬が効かないという患者は出てくるかもしれませんが、ごく一部と思われます。もし有効率通り30人の患者が、薬が効かないと感じたら、そのクリニックはやぶ医者の評判が立ち経営は成り立たなくなるでしょう。

そんな話をあまり聞いたことがありませんので、薬は有効率以上に効いていることになります。なぜこんな現象が起きるのか、薬の開発に携わっているものとしては非常に不思議でした。

この説明としてプラセボ効果、つまり病院の医師が処方してくれた薬なので効くはずという思いで効果が出るわけです。これが有効率以上に効く理由と思っていましたが、実はここにも問題があります。

臨床試験での有効率は、このプラセボ効果も含めた有効率となっているのです。そうするとほとんどの患者が薬を飲んで良くなるというのは、薬など飲まなくても治ってしまう患者がかなりいるということではないかと思っています。

つまり本来は病院に行く必要のない人が、念のためとして来院しているようです。プラセボ効果も含めてこう考えると、本来70%しか治らないはずの薬がほとんどの患者に効果が出ることが説明できるような気がします。

こういった本当に薬が必要かどうかを検証せずに、来た人には適当に薬を処方するといった医師が多いことが、医療費の増大に拍車をかけているのでしょう。


日本ではあまり議論されない「安楽死」のはなし

2021-10-15 10:45:23 | その他
私は独特の(自分でそう思っているだけかもしれませんが)死生観を持っており、日本でも「安楽死」を法制化すべきと思っています。

最近海外の安楽死事情を紹介し、日本では安楽死を認めるべきでないという記事を見ましたが、あまり納得できませんでした。

私は若いころは50歳まで生きればよいと思っていましたが、その年が近づくと仕事も忙しくもう少し生きたいと思うようになりました。そこで引退してのんびりしている70歳を新たに設定し、現在はそれを超えてしまいました。

いわば現在は「おまけ」を生きているのであり、老衰で亡くなっても新型コロナで死んでもどちらも運命であり、それでよいと思っています。

私はある意味運命論者で、すべてのことは運命であり受け入れるという考え方を持っています。死に至るような病気から、色々な試験の合否、麻雀の勝ち負けからスロットの当たりはずれまで、軽重なくすべて運命だと思っています。

今後寝たきりに近い状態になったり、認知症で正常な思考ができなくなりそうなときは、ぜひ安楽死を選択したいという望みがあります。それがいつになるのかは全く分かりませんが、そうなる前に安楽死が法制化されることを期待しています。

さてこの記事では安楽死の先進国であるスイスの状況に触れています。スイスでは2018年に1176人が自殺幇助で亡くなっています。

スイス連邦統計局によると、全体の死者数が6万7088人であることから、約50人に1人が致死薬を使用している計算になります。その数は2010年の352人から約3倍に伸びています。

ベルギーでは2017年以降も毎年安楽死による死者数が右肩上がりで、2019年には2656人となっています。安楽死の管理評価連邦委員会の報告書を見ると、2002年に安楽死法が可決されて以来、この国では合計2万2081人が安楽死を遂げています。

またカナダでは2016年に自殺幇助が制定され2017年には1982人が安楽死を行いました。議会予算当局担当者は2020年で、自殺幇助が認められてから、医療費が約71億円削減されたという報告書を公表しています。

この様に海外では安楽死が認められ、増加しているのですが、この筆者は死に対する価値観が異なる日本人には安楽死が不向きであるとしています。

欧米は子を尊重する社会で、「死んだら終わり」という考えに基づいています。日本は「死んでも生き続ける」という観念や願いがあり、死を自己決定すること自体が難しいとしています。

私はこれ自身スッキリわからないのですが、こういった考え方と安楽死がどうかかわっているのかも不明です。死はすべての人に訪れるものですが、どんなに苦しんでいても自然死しか選択の余地がないというのは、あまり良い状況ではないと思います。

どんなに議論してスッキリするものではありませんが、そろそろ法制化に向けて議論すべき時のような気がします。

新型コロナを5類感染症に分類するという議論

2021-10-14 10:27:52 | 時事
現在新型コロナの新規感染者数が減少している時期ですので、良いタイミングと言えますが、これを5類感染症に分類しようとする議論も起きているようです。

この記事ではこの議論は、保健所や行政、入院病床の過度な負担から生まれた議論であって、コロナがインフルエンザ並みの軽症だというわけではないことを強調しています。

しかし5類に分類されれば、インフルエンザと同じになりますので、あまり強調する意味はないような気がします。まあ将来の扱いを今から考えておくというのは悪くはないと思っています。

感染症は1類から5類に分類されており、当初新型コロナは結核などと同じ、2類に分類されていました。その後感染症法が改正され、新たに設けた「新型インフルエンザ等感染症」に今年2月から分類されています。

この分類ですと外出自粛の要請や入院勧告ができ、入院も感染症指定医療機関である必要があり、負担は原則全額公費となっています。また保健所や行政は療養者への電話や入院調整などの業務がかなり負担になっているようです。

しかし最近出された軽症や中等症の患者は原則自宅療養するという措置や、神奈川県が行っている感染症指定病院以外への入院というのは、既にこの枠から外れつつあるのかもしれません。

現在はワクチン接種も国民の半数以上ですし、感染者数も収束の状況になっていますが、次の波の心配だけでなくこういった議論も必要な気がします。

私はこのブログにも書いていますように、もともと「ウイズコロナ」派であり、インフルエンザと同じように扱うべきという意見です。

一つの根拠として日本の年間死者数は120万人程度であり、新型コロナが問題となった1年半ぐらいで死者数が1万5000人程度というのは、それほど恐ろしい病気ではないという認識です。

ただし5類感染症にすると、保健所による入院勧告や感染者の追跡が無くなりますので、現在の感染力の強い変異ウイルスでは全体の感染者数は増えると考えられます。ワクチン接種がもっと進まないと、中等症や重症者も増える可能性があります。

また現在はすべて公費で賄っていますが、これが保険適用にはなるものの自費で払わなければいけなくなります。この検査費用(PCR、画像検査、血液検査など)と治療費はかなり高額となりそうです。経過措置として、治療費などは公費負担にすべきでしょう。

例えばレムデシビルは5日治療で約38万円の薬価となっており、多分抗体カクテル療法もかなり高価なものとなりそうです(一説によると31万円と言われています)。こういった点を考えると、5類感染症にして経済を回すことはまだ難しいと言わざるを得ません。

それでも国民のワクチン接種が進んでいるからには、こういった議論が始まることは必要ではないかと思っています

脳梗塞のリスクが大きい「隠れ心房細動」

2021-10-13 10:01:04 | 健康・医療
かなり前になりますが、安いスマートウオッチを購入し、その色々な機能についてはこのブログでも紹介しました。

値段の割には血圧や脈拍数、運動数や睡眠状態などを測定できたのですが、肝心の時計が狂ってしまい現在は血圧をたまに測る程度でほとんど使っていません。

最近心房細動が脳梗塞の最大のリスクファクターとなることが分かってきました。例えば75歳未満の他に病気がない人でも、心房細動があると年間2%程度の人に脳梗塞が起こるといわれています。

75歳以上で糖尿病、心不全、高血圧すべてに既往がある場合は、心房細動があると脳梗塞の発症率は年間18%にも上がるとされています。心房細動の問題点は、いわゆる「隠れ心房細動」があるところです。

特に心房細動初期には、発作性心房細動といって「時々脈が不規則になるが、ほとんどの時間は正常」ということが良く起こるようです。この隠れ心房細動の脳梗塞発症のリスクは、ずっと心房細動になっている人とあまり変わらないといわれています。

これまで隠れ心房細動を見つけるには、何日も心電図を付けているしかなかったため、心房細動の見逃しが問題になっていました。ところが最近は私の購入したようなスマートウオッチやアップルウオッチのようなデバイスに脈波測定機能が付いてきたのです。

例えばアップルウオッチは、光電容積脈波法(PPG)という技術を使って、脈拍数を調べています。また側面に指をあてることで、簡単な心電図波形を測定することもできます。

PPGは体に照らされたLEDライトの散乱をセンサーで感知して、どれくらいの光が体の仲を透過したかを経時的に調べる技術です。PPGという技術は、日常的に装着しているだけで脈拍数を測定できるため、医療機器程の精度が無くても心房細動をより多く拾い上げることができる可能性があります。

精度の点でも最近の報告ではPPGによる脈拍数の測定により、心房細動を感度95%、特異度98%で見つけることができると報告されています。これらデバイスの一部はすでにアメリカなどでは医療機器として認可も受けています。

日常的に使用しているものから大規模なデータを収集し、それを実際に利用者に還元していくという形でのビッグデータの利用がすでに始まっています。このような新しい技術は、医療へのアクセスを向上させ健康を改善させる可能性を秘めているようです。

私もアップルウオッチを買おうか検討していたのですが、健康のためというよりは色々な情報が取れるおもちゃとしては面白そうな気がしています。

ただしアップルウオッチなどはスマフォとの連携が必要なようで、こだわりのガラケー世代としてはやや悩んでいるところです。

ブログ開始から8年目となりました

2021-10-12 10:25:10 | 日記
このブログは2014年9月7日に開設しましたので、早いもので8年目になったことになります。

例年9月7日前後に何周年かを記念して、それまでの傾向や感想をまとめていたのですが、今年はすっかり忘れており遅くなってしまいました。

これまでに投稿した件数は2546件となり、私自身よく続くものだと思っています。

現在はこのブログを更新するのは完全に日課になっており、朝食後一休みした後で作業しますが、原稿はいくつか思いついたものをまとめてワードに入れてありますので、更新自体は30分程度で完了します。

その後次の日の原稿を入力するのですが、これにかなり時間がかかってしまいます。何を書くのか考えていることも多いのですが、特にない場合はネットの科学系ニュースのサイトをいろいろ探すのですが、これに時間がかかってしまいます。

適当なものが見つかると、関連事項を検索し実際入力を始めますが、午前中かかってしまうことも多くなっています。

これをやめてしまうと、科学系のサイトを詳しく見ることも無くなりそうですので、ボケ防止や最新情報収集のためには続けたいと思っています。

カテゴリーではやはり「健康医療」が最も多く683件となっています。私は医薬品の研究を長くやってきましたが、専門は有機化学であり疾患やその治療法はそれほど詳しくはありません。それでもこの辺りが現在最も興味をもっていますので、健康医療カテが多くなっているようです。

この1年半ほどは新型コロナの話題も多いのですが、そういったカテゴリーを作っていませんし、「時事」に入れたりしていますので何件書いたかは分かりません。コロナの記事だけをまとめて見直すと面白いのかもしれません。

次に多いカテゴリーが「自然」で295件となっています。これは私が生命の仕組みに興味があり、最近でも色々な新しいメカニズムなどが解明されつつあります。

特に遺伝子に関連したことなどは目覚ましい進歩をしていますが、生命の不思議は新しいことが分かれば分かるほど増してくるような気もします。

特に生命の起源については、何か新しいことはないかを常に探していますが、40年ぐらい前からあまり進歩がなく、私が生きているうちに解明されることはないと半ばあきらめています。

趣味に関してはギャンブル(126件)や音楽(41件)、テニス(256件)を時々取り上げていますが、これは私の記録的な意味合いが強くなっています。それでもこういった記事の閲覧数が比較的多いのは、面白いことと感じています。

最近は入力のミスタイプや時間がかかるようになり、老化を実感していますが、ひとつの趣味としてできる限り続けていこうと思っています。