喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

都市と地方をつなぐ喜久家プロジェクト ~はまとん魅力発見プログラム~

2010-04-20 | 地域づくり

 喜久家には、いろんな人が訪れます。
3年前、たまたま縁あって、佐田岬半島を自転車でツーリングしていた東京大学自転車部の学生さんたち数名が、一晩泊まりました。
 彼らと出会って、東大生に対するイメージが大きく変わりました。
彼らは、実にたくましく、バイタリティーあふれていて、実行力がありました。

 その一人とは、今でもメールや年賀状のやりとりが続いています。
彼は今、東京大学大学院工学系研究科社会基盤学を学んでおり、景観研究室の修士。
北海道の浜頓別でおもしろい活動をしているのです。
くわしくは、
「はまとん魅力発見プログラム」
   http://www.sanshiro.ne.jp/hamaton/program.html

 昨日、メールが届きましたので紹介します。

『お久しぶりです!
元気にやっています。
メールをいただいてとても嬉しかったです。

 4月から修士2年になりました。
今は就活をしていて、都市・地域計画やまちづくりのコンサルタントをやってい
るような会社を考えています。
面接で何を話そうかと考えていて、今まで訪れてきたいろいろな地方を思い浮か
べつつ、
その中でもはじめに思いつくのが、「愛媛には愛がある」と言っていた浅野さんでし
た。
なんで、このタイミングでメールをいただきとてもびっくりしました。

 浅野さんたちのやっている喜久家プロジェクトはとても楽しみですね。
国内外から若者を呼んできて新しい風を地域に吹かす取り組みは、
平磯だけでなく、外からやってきた人たちの住む街も双方向的に元気にする試み
だと思っています。
 都市にはないものが地方にあって、
でも地方にはないものも都市にはあって、
それを互いに補完して、都市も地方も元気になっていくようななにか仕事に関わ
ればいいと思っています。

 ブログ拝見しました~。
喜久家のプロジェクトもどんどん賑やかになっていきますね。
僕たちはたまたま一晩泊まっただけで、まだ喜久家の活動をちゃんとしていない
なと思って。
学生のうちにぜひまた平磯を訪れたいと思っています。

 北海道のプロジェクトは、昨年の夏に東京から大学生を15人くらい連れて行き、
地元の方々や高校生達と一緒に1週間過ごし町の良さを発見・再発見するというワ
ークショップを行いました。
地元のNPOの方や、役場・高校の先生、高校生、商工会、酪農家や漁師さん、など
などいろいろな方達と話して、
非常に多様な視点を持ちました。
 それぞれの人たちにとって、それぞれの町があり、
その根底にはでもみなさん町をとても愛していると思いました。

 僕らの活動は昨夏で一区切り付けて、今は参加者が引き継いで今夏に向けてイベ
ントを行おうとしています。
 継続的に何かが動いていくことがとても大切だと思っています。
終わりがあることではないので、これからもまちがどうしたら元気になっていく
のか考えて行きたいですし、
なんらかのかたちで貢献していきたいと思っています。

 またぜひお話ししましょう!』


 1+1=2
ではなく、3にも4にもなるというのが、人のつながりのすばらしいところ。
将来彼ともまた、新しいワクワクするようなできごとが、
おこりそうな予感がします。

 人生って、楽しいですね!
                   岬人(はなんちゅう)



佐田岬から見た戦艦大和

2010-04-20 | ふるさと

 戦艦大和が佐田岬灯台沖を通った・・・

 そう思ったとき、
お腹の中に小さな鉛のかたまりが落ちていくような感触が生まれ、
それを飲み込む一瞬に、頬まで鳥肌が立っていきました。

 目をつぶると、私が何度も見たことのある岬の風景の沖合いに、
悲しい運命の中に静かに進んでいく大和の姿が見えるようで、
目を閉じておくことができません。

 かつて吉田満の「戦艦大和の最期」を読みながら、
若い生命が奪われる不条理に怒り、悲しんで流した涙以上に、
胸の深いところまで突き刺さる痛み。
 きっと、戦争を「実感」したのだと思います。

「想像」は出来ます。
でも、「実感」することは難しいんですね。

 この平和学習を経た中学生は、ふるさとの海をみつめるまなざしに、
深い光を宿していくことでしょう。

 瞳を閉じて見える未来は・・・
「鎮魂と誓いを胸に海を見つめる若い岬人」と
「いつも いつまでも変わらない ただ美しい海」。

 これは、おかけやさんからの書きこみです。
なんて、深い感受性なのでしょう。

 佐田岬の海は、西に沈む夕日に照らされて、オレンジ色に染まっています。