喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

佐田岬(さだみさき)の小さな小さな郷(さと)の物語 ☆

2010-04-21 | 喜久家の情報
 佐田岬(さだみさき)の小さな小さな郷(さと)の物語。
  
 私のふるさとは、四国最西端の伊方町平礒(ひらいそ)。
日本一細長い佐田岬半島の先端にある。
地図で見ると、何か遠くを指さしているように見えるが、ふるさとの未来を指さしているようにも感じられる。
 世帯数は17戸、人口50人足らずの小さな小さな郷。
そのほとんどは、清見タンゴール、甘夏柑、デコポン、伊予柑などの柑橘農業で暮らしを立てている。
北風吹きつける冬、山は黄金色に色づき、実りの季節となる。
 
 海から空へとつづく段々畑は、海抜200メートル以上にわたり、碧石の石垣に支えられている。
先祖が一つ一つ海岸から背負って運び上げ築いたものだ。
きれいに切りそろえられた暴風垣とあわせ、古代の城郭遺跡のようでさえある。
豊かな太陽、ミネラルを含んだ潮風、適した土によって育まれた柑橘は、
味わう人に命を与える。
 
 「農業という生産のカタチがしっかりとした地域は、地域のカタチもしっかりとしている」
と言われるが、土を愛する平礒の人たちは、まじめで温かく、支え合って生きている。
 
 このふるさとの良さを感じるまでに長い時間がかかった。
自分の中のものさしが、便利か不便かにばかりとらわれていた気がする。
便利さを求めるがあまり、まちがなくした大きなものが3つあると思う。
それは、静けさ・暗闇・人とのつながり。
 何もないがゆえに静かな郷は、自然を十分に感じられるし、
自分をみつめる時間をたっぷりと与えてくれる。
 街灯が少ない郷の暗い夜は、月や星、蛍の光をより輝かせ、
明るい家族団らんの時をより恋しく思わせる。
 誰からも干渉されない生活も楽だが、「どうぞ」というおすそ分けのつながりは温かい。
 
 郷の風景は、30年前と比べてもほとんど変わっていない。
まるで時間が止まったような。
「不便だけれど、変わらないところが良さかもしれない」と思うようになった。
 
 一方で人口は、減り続け、空き家や作り手のいなくなった畑が多くなっており、
未来予想図は、決して明るいものではない。
それは、愛媛県内そして日本国内の多くも同じ状況になっている。
 
 地域人としてもっとできること、やらなければならないことはあるような気がする。

穀雨

2010-04-21 | ブログ
 昨日4月20日は、月暦でいう3月(弥生)7日。
二十四節気では、穀雨。
期間は、5月4日(月暦では3月21日)まで。
その翌日は、立夏となります。

 このころよく雨が降って、万物を生育させ、百穀をうるおします。

 七十二候では、穀雨は、3つの候(時期)に分かれていて、
第一候: 葦始生- 水辺では、葦が角のような芽を出し始める。
第二候: 牡丹華- このころ牡丹が豪華な華を咲かせる。
第三候: 霜止出苗- 霜もほとんどおりなくなり、苗代の稲苗が成長する。

 そういえば、最近ぐずついた天気が多いです。
 いよいよ、春本番です。

                    岬人(はなんちゅう)