喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

えひめ子どもチャレンジ支援機構 ~自由と不自由~ つづき

2010-05-15 | 喜久家の情報
『平礒には、別に行かなくともよいのである。
家にいればのんびりと休日の一日を過ごせる。
平礒の作業に比べれば楽だし、何より自由な時間を満喫できる。

 一方、平礒では、やるべき仕事が眼前にあり、
おもしろくないからといって、放り出すわけにはいかない。
子どもにすれば、まことに不自由きわまりないはずなのである。

 ところが、子どもたちは「自由な意思」で、あえて「不自由な活動と時間」
を選んだ。
彼らは、おそらく「不自由に勝る価値」を平礒行きに直感したのではないか。
いや、「不自由だからこそ見つかる価値」
のあることに気づいていたのではないか。
 
 だとすると、彼らはすでに、「自由」にひそむ空虚さのごときものに、
うすうす気づきはじめているのかもしれない。
言いかえれば「○○からの自由」という気ままさを求める域を超えて、
「○○への自由」という
「自らの自由意思」のおもしろさに気づきはじめたのかもしれない。

「やらされる活動」に縛られるという不自由とはちがって、
「やりたいと望んだ活動」のもたらす不自由には、
彼らにとっての未知の世界、ワクワク、ドキドキする世界があることに気がついているのだろう。
 それこそ、チャレンジ精神の核心と言えないだろうか。

 子チャレの活動は、子どもたち一人一人の生き方を大きく転換させる可能性を秘めている
ように思えるのである。  村上伸二 』

 すごく奥の深い考え方です。
「自分の人生を自分で生きているか!」ということでしょうか。
誰かの人生を生きることはできません。
自分の人生を誰かに生きてもらうこともできません。

 あたりまえで、はっきりしていることではありますが、
考えさせられることです。

「Life is good!」
私の大好きな言葉です。

                 岬人(はなんちゅう)

えひめ子どもチャレンジ支援機構 ~自由と不自由~ 

2010-05-15 | 喜久家の情報
 昨年平成21年8月29日・30日、喜久家に
えひめ子どもチャレンジ支援機構が募集した子どもたちがやって来ました。
 ちょうど、北欧エストニアからケルトが3ヶ月の中長期ボランティアとして活動していました。
 平礒で柑橘の摘果作業・五右衛門風呂体験・テント泊・自然観察・
ビーチコーミング・海水浴など全面的に協力しました。

 この活動の報告書の最初に、
尊敬する理事長の村上伸二さんが、次のようなことを書かれています。

『平成21年度の「みんなでチャレンジ みんなのチェレンジ」の最後を飾ったのは、
佐田岬半島の平礒における農業体験活動であった。
 
 冷たい雨の降りしきる1月末の日曜日、早朝に松山を発ち、
10時過ぎに現地に到着した。
 本来は、ミカンの収穫作業をしたいという計画であったが、あいにくの天候ゆえ、
倉庫の作業になった。
参加したメンバー8人は、ご協力いただいた3戸の農家に分かれて作業をすることになった。
 
 倉庫作業の目的は、収穫したミカンを出荷できるようにすることである。
ミカンにかぶせていた袋を1つずつ取りのぞく作業、
ミカンをナイロン袋に1個ずつていねいに入れていく作業、
キャリーにミカンを重ねて入れる際、各層にはさみこむ新聞紙を準備する作業、
選果したミカンを20㎏ずつキャリーに入れて大きさ別に積み重ねる作業などであった。
 
 そんな作業に午前中約1時間、午後約3時間、合計4時間近くも取り組んだ。
その間、同じ動作を延々とくり返すだけという誠に地味な作業の連続であった。
子どもたちは、黙々とはたらき続けていた。
一緒に作業をしている仲間や喜久家に来ている外国人との会話ははずんでいたが、
単純作業の繰り返しを怠ける者は誰一人いなかった。
 
 それどころか、本人たちは実に楽しそうにしている。
作業終了後も「楽しかった」と異口同音に言うのである。