喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

愛媛新聞 「伊予弁」コーナー

2011-01-15 | ブログ
 昨年12月から、毎月1回の半年間、
愛媛新聞の「伊予弁」という読者投稿コーナーに
掲載されることになっています。

 土曜日にということで、
今日15日に掲載されました。

 今月のテーマは、
「佐田岬の正月」
訂正前の原文を紹介します。

『昨年の大晦日、NHK紅白歌合戦で「トイレの神様」という歌が大きな感動をよんだ。
 トイレの神様を大切にすることが、
幸せにつながることを教えてくれたおばあちゃんとの歌。
 
 実家では、朝早くから神様を迎える準備が始まった。
70歳を越えた父は、注連縄(しめなわ)等の飾りつけ。
 私は、歳の神様やお荒神様(こうじんさま)、屋敷の神様等たくさんの神棚の掃除。
 母と妻は、一緒に神様へのお供え物やおせち料理づくり。
 子どもたちは3人で、家の中の掃除や風呂、そしてトイレをピーカピカに磨いた。
 
 田舎の正月は、よい一年を過ごし、新しい歳を迎えられることを神様に感謝するという考えが強い。
 夕方、家族みんなで歳飯をいただき、
父と私と息子は、神社とお寺・お墓へお参りに出かけた。
 ぼたん雪がどんどん降り積もり、辺り一面真っ白。
その白さが闇夜をうっすらと照らし出し、幻想的な光景だった。
キーンと張りつめた寒さと静寂の中のお参り。

 その時、里全体がフラッシュを浴びたような光に包まれた。
その後、遠くで聞こえる雷鳴。
「こんなお正月は初めてやのお。」
と父は言った。 

 1月15日は、小正月。
注連縄(しめなわ)などを海に焼きに行くお飾りはやしで、正月行事が一段落する。
 今年もいい一年になりそうだ。』

 写真は、正月を迎える準備をしていた大晦日の様子。
高いうっそうとした木々が見えますが、
神社の鎮守の森です。
 すでに雪が白く積もり始めていました。

 今日は、小正月。
午前中父は、平礒の海へ
門松やしめ飾り等を焼きに行ってくれます。
平礒では、「お飾りはやし」と言っていますが、
各地では、「どんど焼き」「とうど焼き」と言うところが多いようです。
 昔は、私たち子どもの役割でした。
その火で、お飾りもちも焼き、
海水につけて食べたものです。

 少しこげ味のついた正月もち。
「香りのある風景」、「味のある風景」とでも言えるでしょう。
とてもすばらしい伝統文化。
 守っていきたい1つです。

                   岬人(はなんちゅう)