kimitsuku独り言

日々の暮らしから感じたあれこれを
ひとりブツブツ独り言

『新・風に吹かれて』

2011年02月22日 | 日記
    
 五木寛之の『新・風に吹かれて』を読んでいる。若い頃は『青春の門』や
『朱鷺の墓』などの小説、またエッセイ類も読んでいたが、最近はちょっと
ご無沙汰していた。『新・風に吹かれて』は、2004年から2006年にかけて
書かれたエッセイで、老境を迎えた作者の身辺雑記…でしょうか。
 一読快笑 再読苦笑 可笑しくてやがてジンと胸に来る 五木エッセイの
真骨頂…と帯紙に書かれているが、まさしくその通りの五木語録が並ぶ。
 人が生きていくということは、ゴミの山を作ることだ…と始まる“簡素な生き
方に憧れて”や、中学当時の受験勉強を題材にした“努力が苦手な言い訳”
などは、思わず「そうそう」と共感し嬉しくなるテーマだった。
 ずぅっと以前に、A市の文芸講演会で五木氏の話を聞いたことがあったが、
強く印象に残っているのは、講演の内容より素敵なオー・デ・コロンの香りを
漂わせるお洒落な作家だったってこと…、そして私が勤務していたA市の
図書館に五木寛之文学全集を寄贈してくれたこと。かれこれ35年前の話だ。
 『風に吹かれて』というタイトルは、文壇デビュー当時に発表したエッセイの
タイトルであり、ボブ・ディランの代表曲でもある。いま『風に吹かれて』という
生き方のすすめと題した『新・風に吹かれて』。
座右の書と言うほど大仰な意味では無いが、常に見近かに置いておきたい
一冊と思う。
コメント
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