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New Musik の「Here Come The People」を聴いています。
昔、「坂本龍一のサウンドストリート」で聴いて大好きになったが、このレコードには出会えないまま、そのカセットテープをダビングしたりして聴いていた。
やっと、2000年代に入って、その曲の入った「ワープ」【写真】が、CDとして発売された。
ニュー・ミュージックは、一部のコアなファンだけにしか評価されない、知られないまま消えていったが、そのPOPさは、NEW WAVEファンには、貴重なものだった。
幸宏の名盤「ロマン神経症」(NEUROMANTIC)も、そのニュー・ミュージック=トニー・マンスフィールドの存在無くては、実現し得なかったのかもしれない。
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ニュー・ミュージック=トニー・マンスフィールドのPOPさが、一般に知られることになったのは、もっぱらプロデュース業からだった。
ダムドのリーダー、キャプテン・センシブルの名盤、マリ・ウィルソン、ネイキッド・アイズと、どれも素晴らしいが、何より、トニー・マンスフィールドの名を知らせたのは「A-HA」の存在だろう。
A-HAの「Take On Me」がヒットした時、A-HAなんかより、とにかくトニー・マンスフィールドが有名になったことを、みんなで喜んだ記憶がある。
ビートルズの影響は、イギリスのバンドに特有なもの、顕著なのは、XTCだが、このニュー・ミュージック=トニー・マンスフィールドにおいても、そのPOPさの根源は、明らかにビートルズである。
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実際、録音に立ち会ったピーター・バラカンいわく「すごい原始的なキーボードの弾き方」だそうだが、テクニックや技能ではなく、トニー・マンスフィールドのヨサと言うのは、「耳の良さ」であり、「センスの良さ」である。
彼の持つ「プロフィット5」には、実に無限の音のサンプリングが入っていたと言う松武秀樹の証言ではないが、1つの楽器から、様々な無限の音を作り出すセンスの良さが、80年代の光った、「他には無い」音を創り出す創造力の豊かさに繋がっていた。
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「Here Come The People」は、美しい音で満ちた名曲である。
夕暮れの音、水が音になってリズムを作っていたり、トニー特有の美しいリズムギター・・・・
何度聴いても飽きること無い名曲だと思います。
死ぬ前に、みんなに聴いて欲しい1曲です。