今日、今年度最後の仕事場に向かう。
その前の、7:30.
3月31日、ドラマ「カーネーション」が終了した。
夏木マリも、プレッシャーや批判を浴びた不幸な仕事ではあったが、最後までよくしのいだ、と思う。
本当にご苦労様だったと思う。
まさかバトンを引き受けた段階では、こんな大きな器に育つに至るドラマになろうとは思いもしなかっただろう。
92歳まで生きた「小原糸子」のエネルギーの凄まじさには、ひれ伏すのみだった。
最終回は、「糸子」の死後、あたかもまるで「輪廻転生」を示唆するかのように、第1回目の糸子の歌で終わる。
幼少時代の子役の「糸子」と、尾野真千子さんの「糸子」。
2人での歌。
久々に見た三つ編み姿の尾野真千子さん。
あまりにものかわいらしさに、思わず顔がゆるむ。
まったく何も無かった不毛の地に、種を萌芽させ・大きな花を咲かせ、毎日にかすかな希望を持たせてくれた尾野真千子さん演じる「糸子」に再び戻る。
このかわいい映像と歌には、彼女の魅力がにじみ出て、あふれていた。
そこに救われていた自分。
台風以上の暴風雨があばれた東京、2012年3月31日。
「春の嵐」どころではなかった。
最終日まで、カンタンには済ませてくれなかった神的ななにがしか。
ボロボロに疲れながらも、2011年度は終わった。
仕事場を出れば真っ暗で、小雨と風の吹く中、傘もささずに水天宮まで歩いた。
春の嵐が吹き荒れる中、終わりと始まりが交錯する。
花に嵐のたとえもあるさ。さよならだけが人生さ。。。。有名なコトバ。
三島由紀夫・45歳の、好きな辞世の句がよぎる。
「散るをいとふ 世にも人にも 先がけて 散るこそ花と 吹く小夜嵐(さよあらし)」(三島由紀夫)
しかし、明日は明日とて生きねばならない。
生きている限り、ひたすら道は続くのさ。
■デヴィッド・シルヴィアン 「輝ける樹々(Brilliant Trees)」 '84 ■
あなたがやってきたら ボクはもう一度自問するだろう
この生命を握っているのは、今でもボクなのかと?
一歩一歩あゆむにつれ、はるかかなたに向かうのなら、考えにひたるたびに、ボクは故郷に近づくはず
そして、あなたがそこに立ち ボクを生かしてくれている
天に両手をさしのべてみても、答えはあなたにしかわからない
ボクの全世界が目の前に存在している
あなたのヒトミが命ずるがままに
あなたのヒトミが命ずるがままに
ボクの全人生が目の前に伸びている
花のように頭をあげ、ボクの生命を土にかえそうと
ボクが立てた計画は、どれも周囲に流されてしまった
どんな教訓を学ぶにも、それなりの代償がいる
信ずる対象がボクから去っていこうとも、ボクはこの腕にあらゆる望みを抱いている