この曲と出会って、もう3年が経つ。
3年前、初夏の今ごろのこと。インターFMから日々流れている間に好きになった。
昔、ヒトから「テクノ好きのあなただから」とパフュームを勧められたが、
ダフトパンクのパクリだ、しょせんはあやつり人形だ、と色々言っては聴くことを拒否していた。
本当は好きなのにガマンして、ではなかった。
特別な何かを感じなかったのである。
そんなことを言っていながら、不意打ちにFMからヘヴィーローテーションで聞こえてくる曲に惚れ込んでしまい、思い込みは一掃された。毛嫌いしていた人やものほど、逆に火が付くと燃え方は尋常ではない。
一度好きになったら止まらない。火がともされたように恋い焦がれてしまい、mp3プレイヤーに入れて歩くときに聴くようになった。
パフュームも、この曲も、ビデオクリップも、どれもが輝いていて、陰鬱に傾いていくじぶんの背中を押してくれた。
まだ足が無事で、丸一日、江戸の人たちが旅をしたように歩けた3年前。
歩くとともに変わりゆく街の風景のさなか聴こえてくる「リラックス・イン・ザ・シティ」は実に極上だった。
今年も初夏がにおってきて、この素敵な曲を聴きながら歩きたいな、と思う季節となった。
病よりもうそうは歩けないけれど、あきらめてはならない。
■Perfume 「Relax In The City」2015・初夏■
★実は当初YOUTUBEよりこの映像をダウンロードし、そこからソフトでmp3に変換していたので、冒頭に浜辺のざーっという波の音が入っていた。
何かそれがとても初夏っぽくて、せつなくも美しい時を、歩いているじぶんと周囲を包み込んでくれるようだった。(2018.06初出 / 2020.05蔵出)