こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

Meredith Monk 「Four American Composers」'83

2009-07-31 04:23:44 | 音楽帳


9時過ぎに珍しく帰ってきた。
ミケが玄関開けると家に入ってきてしまったが、疲れているので、かわいそうだが外に出した。

そうめん・ピザパン・冷奴とという不思議な組み合わせの夕食をむさぼる。

その後、横になって、久々にメレディス・モンクの「ドルメン・ミュージック」を聴いていたら、そのまま寝てしまった。

起きたら、夜中3:00を回っていた。
エアコンは付けっぱなし、灯りはつけっぱなし・・・。



***

メレディス・モンクの音楽を、いわゆる「現代音楽」とくくってしまうのも勝手だが、音楽世界全てを、分け隔てなく見る視点でいくと、こんなに怖い音楽は無いものだと、初めて聴いたときの怖さがよぎった。

こういう「現代音楽」という枠にはめて、「知らなかったことにしよう」と、それによって安心させようとするのは、一種のニンゲンの自分の保身のための無意識のなせるワザかも知れない。

「世界の辺境の音楽」に興味があった好奇心旺盛の少年にとって、このメレディス・モンクは、衝撃とともに、ジャケットの怖さがとてつもなく印象に残っている。

***

この「現代音楽」とくくろうとする無意識に反して、ポップ・ミュージックのフィールドにそれを持ち込んだのは、ブライアン・イーノである。

イーノは、「現代音楽」で使われている様々な音楽手法を、自らの音楽に取り込むことで、あらたな「不思議、大好き。」(BY 糸井重里)な音楽を作り続けてきた。
イーノの音楽の持つ異様な、ウラの顔の怖さというのは、こういう過激さにあった。



例えば、「ビフォア&アフター・サイエンス」に、「カーツス・リジョインダー」という曲があるが、この曲の背景で、「ティンランランラン・・・クワークワークワー・・・」という呪文のような声は、ダダイズムの画家でありアーチストであったカールシュビッターズが発表した古い古いダダの作品からの引用である。

かつて、80年代前半に、渡辺香津美のFMラジオ番組に大竹伸朗が出演した際に、そのナマのテープを、聞かせてもらったが、本当に不思議な永遠に続く不思議コトバの羅列だった。

こういうものを拾い上げて、作品に「隠喩」としてリミックスする手法を、ブライアン・イーノはよく摂る。
無意識に訴えかける怖さを、狂気を裏側に秘めた「確信犯」的音楽を、この頃のイーノは持っていた。

***

ブライアン・イーノは戦略家であるから、80年初めに、「MY LIFE IN THE BUSH OF GHOSTS」という、デヴィッド・バーンとの競作の際にも、多くの「不思議な音」をエレクトロニクス+生楽器と組み合わせて、今までには無い革新的なアルバムを創った。

例えば、「ジザベル・スピリッツ」では、あるラジオ番組で、いわゆる「イタコ」的な交霊術を用いた相談番組で、交霊する「イタコ」と、それに引導されてうなされ・うめき声を上げる女性とのやり取りのテープをエレクトロニクスに絡めるという曲を作っている。

***

こういったイーノの持つ怖さ・戦略性に深く共感し、それを自らの音楽に取り込んだのが、坂本龍一の「B-2UNIT」であるし、細野さんプロデュースのYMOのきわどい名盤「BGM」「テクノデリック」である。

しかし、こういう音楽自体の持つ見えないパワーのようなモノを秘めたアルバムというのが、最近、実に少ない。
いっとき、自分は、「エレクトロニカ」に、その過激さを覚えたモノだが、あの音楽も、多くのミュージシャンが、ただそれをなぞるだけの、チリチリ音に音遊び的な砂場で子供が遊んでいるだけの分野に成り下がってしまったが・・・・。

ああ、新しい音楽が早く生まれることを期待したいが、今年ももう既に8月間近。

何も今年も新しい「発見」「革命」が起きることなく終わってしまいそうな気がしている。
期待をしながらも、何も新しい事がおきないので、結局、自分は80年代の音楽ばかり聴いている日々である。
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YMO  「灰色の段階(Gradated Grey)」'81年11月

2009-07-27 22:22:09 | 詩、セリフ・・・そして、コトバ


カー・ラジオから歌が流れる

私は気分がヘンだ

とても遠い所に来ている

グレイ・スケールのグラデーションの中を・・・・

見たことのない風景が

果てしなく拡がっている

旅の間に

グレイの色々な段階を見てきた


あ、またトンネルだ

 
  ほんのわずかだけど
  少しづつ近づいてきている気がする。


グレイと白の境界に向ってつっぱしっている・・・・

(作詞:細野晴臣、Peter Barakan/作曲:細野晴臣)
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かたちんば徒然日記  ~反省と引きこもりの土曜日~

2009-07-25 21:30:28 | 雑記帳
金曜日、まだまだ仕事をしようと思っていたが、「上司」と「上司の上司」が飲みに行こうというので、仕事を切り上げて、20:00にお酒を飲みに行くことになった。

後からも他部署の面子が来て、10人位の飲み会になったが、うかつにも、勧められて、熱燗を飲んでしまった。
いつもは、ひたすらビールでとどめるようにしていたのだが・・・。

焼酎と日本酒は、自分の場合、十二分に飲めるのだが、記憶がトリップしてしまうのだ。だから、出来るだけ飲まないようにしているのである。

***

昨夜も、結局トリップしてしまい、店からどうやって帰ったのかも記憶が無い。

断片を繋ぐと、タモリ倶楽部を途中まで見て、寝たようで、夜中4時頃、TVの音で起きる。
しかし、また、自分の起こした失態に気づく。

ケイタイの履歴に、話したつもりも無い人にコールした記録があり、また「とんでもない・こっぱずかしい」メールが、色んな人に配信されているのだ。

「やってしまった!」

どうも、焼酎と日本酒は、自分を多重人格にさせてしまうようである。

***

4時から眠れぬまま、ラジオを聴き・・・・朝を越え、昼になる。

昼、外は青空で暑そうだが、ひたすら、暗い部屋で引きこもって、虚しく時を過ごす。
4月に盛岡に転勤した同期が、「もりおか冷麺」というのを送ってくれたので、それを食べる。

酒は、人をウツにするらしいが、今日は、本当に反省とウツから、部屋の中で、じっとしているうちに、夜になった。

***

7時から、隅田川花火大会で、近所で、ドカンドカン音がしていて、10分も歩けばすぐそこは隅田川なのに、人ごみにもまぎれたくないし、1人で見るのも虚しく感じ、見ないで過ごした。


いっこうに、気分のモードは、ひたすら沈下していくので、あえて、JAPANの3枚目のアルバム「クワイエット・ライフ」から、「絶望(Despair)」を聴く。

明日は、仕事場に行って、少し片付けものしよう。
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MZ師  ココロの詞「メンタル・テスト」

2009-07-25 15:53:20 | 詩、セリフ・・・そして、コトバ


またもや、SEを職業とする「びっこマン」MZ師から、「ココロの叫び」のメールが来た。

***

 俺の勤める会社では約10年前から毎年メンタルテストを実施し、結果によっては無料カウンセリングだの、残業の多い社員を強制的に産業医に面談させたりと・・・・社員のメンタルケア?をしている。

 当時(今もだが・・)情報処理というヤクザな業界では月の就業時間が300時間などはざらで、しかも、働き盛りの30~40代の社員を会社的にはなんら権限のない、担当課長とか、チーフエンジニアという称号の(みなし)下っ端管理職につけて残業代をカットするという手段で、安い給料でコキ使い、多くの社員を心の病に追い込んでいた。

かくいう俺も一応担当課長である。
(自分の課などはない。完全ななんちゃって課長である)

 こんな非人間的な自転車操業の末にウチ(ウチの取引会社)でもノイローゼや対人恐怖症、うつ病患者が多発し、終には自殺者まで出てしまったので、さすがに世間体を気にしたのか?こんな施策を始めたのだが・・・

 はっきり言ってこんなモノは社員がノイローゼや過労死になった時に、「会社側ではこんなケアをしていたから・・責任はないよ!」という法的責任逃れのタメの予防線に過ぎず、安い給料でキツイスケジュールで責任だけ持たせて働かされる現状が変わらない・・どころか・・稀代のバカ政治家・小泉政権時代の「規制緩和政策」で悪化の一歩を辿っているので、状況は何も改善されていない。

むしろ十年前より悪化している。

もうすぐ秋になると メンタルテストが事務的に全社員に実施されるのだろう。



***

MZ師  ココロの詞「メンタルテスト」(◎×式テスト)

メンタルテストを受けよう
テスト結果に嘘偽りはない。

「理由もなく他人が憎くなり、痛めつけたくなる」◎
「他人の妨害がなければ自分はもっと成功していた」◎

全部自分にあてはまるぜ
どうせ俺は気違いサラリーマン
言動に正当性などありはしない


メンタルテストを受けよう
的確なアドバイスに耳を傾けよう

「いつも誰かが自分を陥れようとしている」◎
「ラジオで自分の事がよく放送されている」◎

俺にとってはいつもの事さ
どうせおれはノイローゼ社会人
夢と現実の区別もつけられない


メンタルテストを受けよう
隠された己の真実を見つめなおそう

「性的衝動を抑えられない事がある」◎
「自分が駄目になったのは自涜をし過ぎたせいだ」◎

答えなくても分かっているだろ
どうせ俺はハレンチ会社員
妄想するのが唯一の生きがい


明日は楽しいメンタルテスト
俺の正体が完全に暴かれるだろう
待ち遠しくて今夜は眠れない・・・・・・
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C.Crisis「Bigger the Punch I'm Feeling」'85年6月

2009-07-23 20:36:53 | 音楽帳


チャイナ・クライシスは、2枚目までのアルバム、それに随時出してきた12インチシングルが、素晴らしく自分の「ツボ」にはまっている「テクノ」だったので、私的愛好音楽として寵愛していたのだが、この3枚目のアルバム「未完成」とファースト・カット「ブラック・マン・レイ」を聴いた時に、「裏切り」のような感情を覚えたのは、紛れも無い真実だった。



「チャイナ・クライシスよ、お前までもがテクノを捨てて転向していくのか…」という嘆きだった。

3枚目「未完成」は、彼らがファンだというスティーリー・ダンのウォルター・ベッカーにプロデュースを依頼し、AOR的な指向のアルバムとなった。

みずみずしい透明感ある若さあふれる所が美しかった彼らも、「オトナ」に背伸びしたかったのかもしれない。

当時、落胆した自分も、四半世紀生きる中、このアルバムの良さが次第にわかり、それは当時トンガっていた自分の「若気の至り」かもしれないが、良い曲もたくさん入ったアルバムであると、今では思える。

その中でも、よく聴く好きな曲が、この「Bigger the Punch I'm Feeling」。

他にも、「Blue Sea」という名曲もある。

彼らは、本当に、優しく、みずみずしい音楽を作り続けてきたが、ショー・ビジネスという過酷な小汚い世界では、大成功は収めなかった。

でも、僕は、そんな彼らが、ずっと大好きである。
ひたすら、牧歌的で、野心も無く優しい自分らの性格に忠実だったところが、信じられるのだ。
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細野晴臣 「PLEOCENE(プリオシーヌ)」'89

2009-07-20 20:12:29 | 音楽帳
「かたちんば徒然日記」7月20日(月)(海の日 祝日)

12:00起床。
お茶を飲み、バクチクのように逆立った髪の毛で、風呂を沸かして入る。
なにも食べる気がせず、とりあえず13:50家を出る。

今日は、曇っていて、あまり暑くない。
下手をすると、通り雨に会いそうな予感。

今年、せみの鳴き声を初めて公園で聞いた。
歩いていくと、「おっぽちゃん」に出会う。



しばらくナデナデして遊んでいたら、飼い主の優しいおばさんが来て、道端で「ネコ談義」になってしまった。

おっぽちゃんは、少し夏痩せ。
でも、元気。
長い尻尾をカラスに食べられて「ひらめ」みたいに短くなっちゃったけど、優しいネコ好きのおばさんに拾われて、幸せに暮らしています。



・・・という事で、ネコ談義をしているうちに、遅くなってしまい、14:22発の電車に乗りました。
日差しは無いけど、じっとりと暑いね(-.-;)。

***

浅草まで来たら、今度は銀座線が人身事故で運転見合わせ・・・。
困ったものだ。

まあ、とにかく、東京は人身事故が多いが、不思議なもので新聞には載らない。
なんて多くの人が東京では飛び込み自殺で死んでいくことだろう。
やはり、こういう季節の切れ目に、必ずといっていいほど、精神がアンバランスになって自殺する人が東京では出るものだ。

しかし「夏休み!」と騒いでいられるのは、子供と学生だけで、それに便乗して仕事人までが「夏休み!」と騒いでいるうちは、この国の未来も実に暗いな。

ただでさえ、やたら祝日を作り、あたかも豊かな社会などといいつつ、現実にはそういう日に残務処理に仕事場に行っている人の多いこと。

まあ、何とか銀座線もそのうち動き出し、上野で乗り換えて仕事場へ。



***

夕方に、仕事を切り上げた。
明日は、朝9:00からイナカで会議なので、朝も早くに起きなきゃいけないし、と、たんまり資料をかばんに詰め込む。

仲御徒町のQBで、ぼさぼさの髪を切る。
髪を切った後「せんねんそば」で、おそばとかき揚げ丼の500円のセット食べた。
今日、初めての食事。

しかし、食べ終わると満腹で何もやる気がなくなり、マッサージ行くのやめて電車乗って帰ることにした。

***

日の暮れる帰り道で、途中、飲み物を買い、また、公園の近くを通ると、また「おっぽちゃん」に出会う。
一生懸命、毛づくろいをしている。

と、またナデナデして、家の前まで歩いてくると、今度は、「ミケ」がやってきて、仕方が無いから、家に入れてやるが、いたずらばかりするので、追い出し、冷たいお茶を飲みながら、やっと落ち着き、20時。



音楽を聴くことにする。
今夜は、久しぶりに、細野さんの「オムニ・サイト・シーイング」を聴くことにする。

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MZ師  ココロの詞「びっこ旅」

2009-07-19 20:34:44 | 詩、セリフ・・・そして、コトバ


メールがMZ師からやってきた。
ココロの叫びの詞であった。
だれか曲を付けてくれ、と本人は言っている。

***

骨身を削って働くけれど
戻ってくるのは文句だけ
奴隷のようにコキ使われて
やがてぐったり目を閉じる
哀しい定めを恨みつつ
嵐の道をびっこ旅

やすらぐ場所はどこにもない
裏切りだけのこの世界
心も体も傷だらけ
やがてばったり息絶える
痛んだ心を引き摺って
涙の道をびっこ旅

必死に走ってきたけれど
ゴールの場所が分からない
気がつきゃ荒野に只一人
やがてしょんぼり朽ち果てる
どこまで行っても一人きり
久遠の道をびっこ旅

やられる前にやってやる
どうせ周りは敵だらけ
気勢を上げて挑んでみても
やがて惨めに敗れ去る
戻り道なき道しるべ
阿修羅の道をびっこ旅

酒に頼って憂さ晴らし
月に向かって愚痴を言う
その場凌ぎの心の浄化
やがてめっきりノイローゼ
逃げも隠れも出来ゃしねえ
無情の道をびっこ旅・・・・・・
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かたちんば徒然日記

2009-07-15 23:53:39 | 音楽帳


22:07電車に乗った。
正直、カラダがぼろぼろだ。
あくびは出るし、頭と首が痛くてたまらない。

***

実は、昨夜ほとんど寝られなかった。
夜中の0時過ぎに睡眠薬を飲んで、明かりを消して、パソコンの光を見つつ、眠りに落ちるのを待ったが、眠りは一向におとずれなかった・・・・。

暗闇の中、ちびちびと500mlの缶ビールを呑むが眠りは一向におとずれなかった。

そうして4本の缶ビールが空く、明け方頃、いつの間にか眠りに落ちた・・・。

しかし、あっという間にぎんぎんぎらぎらの太陽が上り、起きざるを得なくなる。
まさに、梅雨明け初日の、自分への太陽の仕打ちだった。

だるさが気を重くさせる。

野菜ジュースをがぶ飲みし、さまざまな薬とドリンク剤を体内に流し込む。

「今日こそ絶対に早く帰ろう。」

そう汗だくになりながら、電車を乗り継ぎながら、・・・誓う。

***

昼ご飯は、540円のさば弁当と濃い生茶を買い、ゆっくりゆっくりと時間をかけて食べた。

しかし、午後になると、全く頭の回転が遅くなるのと同時進行にして、先々の憂鬱なメールが自分を次第に、ゆるやかに、砕いていったのだ。

くるくる回る回転かごの中をひたすら走るモルモットのごとく、永遠に前に進めない。
終わること無い思考の錯覚ににはまって抜け出られない。
身動きが取れない。
・・・・そんな、感じ。

はっきりし得ないゆがんだ時間感覚の中におぼれていき、時計は22:00を指そうとしていた。

***

22:43東向島を降り、補充用のたばこと食材を買った。
家までの道で、汗がしたたり落ちた。

早く寝ないと、明日は絶対この反動が来る気がしてならない。

冷奴に、マヨネーズとしょうゆをかけ、おにぎりと一緒に食べる。
熱く火照りぬめぬめしたカラダを、クーラーとビールが、徐々に温度を落とし、癒していってくれる・・・・。

気持ちを緩めるために、ブライアン・イーノの「ザヴィヌル/ラヴァ」を聴く。
時計の針は、次第に、また0時へと向かっている。
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Prefab Sprout 「Goodbye Lucille #1」'85年6月

2009-07-14 23:51:16 | 音楽帳


・・・・・・というわけで、また、時代は、素浪人時代に戻り、前述の繊細なトーマス・ドルビーのプロデュースしたプレファブ・スプラウトの'85年作品「スティーヴ・マックイーン」から、
自分が彼らの存在を初めて知った曲「Goodbye Lucille #1」。

ピーター・バラカンさんか渋谷陽一さんのラジオにかかったものをテープに録音したのだと記憶している。

この曲しか知らなかった自分ではあるが、とてもこの曲が好きで、当時、エアチェックしたそのセレクション・テープで、よく聴いた。

この曲を聴くと、透き通った音と通っていた真砂図書館の夕暮れ空と後楽園球場の描く輪郭が頭の中でダブる。
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トーマス・ドルビー 「Budapest by Blimp」'88

2009-07-13 02:09:13 | 詩、セリフ・・・そして、コトバ


トーマス・ドルビーの実質的な3枚目のオリジナル・アルバム「Aliens Ate My Buick」に入っている「Budapest by Blimp」が好きだ。

ファンキーでは無い面の穏やかな彼の曲には、名曲が多いが、自分自身がプロデュースしたプレファブ・スプラウトとの相互影響なのか? この8分40秒と長い曲は、うつむき加減の彼の歌い方と水の流れのように静かに深く進行する透明感在るサウンドが相まって、深遠なところに連れて行ってくれる。

***

街路の曲がり角で、君の名を呼ぶ
流れてくる僕ら二人の調べ
小さな手が僕をつかむ 炎のように
月の満ち欠けのごとく、蒼白く

カフェで、ショッピング・モールで、君の幻を見る
幻は黄昏の露の上に、霧と消える

しかし本と写真は同じものとは言えないさ
あの列車はもうすぐに出発してしまう

・・・・・保守主義者の、ブダペスト

柱や宮殿の上でもどこででも、君の手を握っていよう
霧が晴れるまで
僕がどんなに遠く彷徨ってきたかを理解するより
もっと強く抱きしめているのがいいと思う

悲劇を目の当たりにしてもなお
偉大なる幻想の死を知るのはあまりにつらいから
僕らはその宝を嘲り、その輝きを掠め取った
学校では教えられなかったんだ

・・・・・多分、忘れることのほうが簡単なのよ
 私が旅立つ理由を知るよりはね
 過去から剥ぎ取ったページなの
 列車は離れて行くわ、この霧から

・・・・・保守主義者の、ブダペスト



さて、紳士淑女の皆さん、ご紹介したいものがあります
どうぞ、とくとご覧あれ

このしわくちゃの地図とダイヤグラムは
歴史書から破いた1ページ
時の中で凍りついた、掛け替えのない古代の遺物
ユダヤの灰の上に築かれているのが分かるかい

君の好奇心を満足させようか。華麗なる美は
ズールー族の血で署名されたんだよ

まったく上げ足歩調どころか
びっこ引いてるじゃないか

…保守主義者の、ブダペスト



作詞:トーマス・ドルビー
作曲:トーマス・ドルビー
1988年作品
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